犬の寿命は人よりもずっと短く、どれだけ大切に飼っていたとしてもいつかはお別れが来てしまうものです。最近では、犬が亡くなったあとに人同様の法要を執り行う家庭も増えてきました。
本記事では、犬の法要の目的や四十九日の意味・数え方といった基本的な情報を解説。また、四十九日に必要な準備や当日の過ごし方についても解説します。
目次
犬の四十九日法要を執り行う目的とは
まず、法要や四十九日を行う目的や意味について理解しましょう。
法要の目的
そもそも法要は何のために行うものなのでしょうか。法要とは仏教において、故人をしのび、故人への感謝を再確認し、冥福を祈るために執り行われてきた儀式です。
宗教的には「故人のよりよい輪廻転生を祈る」という意味合いがありますが、現在の日本では「法要を行うことを通して、遺族が気持ちの整理をつけていく」「故人を忘れ去ることなく、記憶を再確認する」というより生活に即した意味合いのほうが強く認識されているかもしれません。
ペット法要を行う目的も、人と全く同様です。遺された家族が気持ちの区切りをつけていく、亡くなった犬をしのぶ機会として法要が行われています。
四十九日の意味
仏教では、人は亡くなると閻魔大王らによって極楽浄土へ行けるかどうかの裁判にかけられるとされています。その裁判は7日ごとに行われ、49日目に最終判決が言い渡されるそうです。
人は亡くなって49日を境に魂が極楽浄土へ行けると考えられているので、それまで遺骨を自宅などに安置して供養しつつ、四十九日の法要でお墓に納骨するのが一般的となっています。犬でも同様に考えたのが、犬の四十九日の法要とされます。
このような宗教的な意義の他、人の場合と同様に、法要の実施を通して亡くなった悲しみ(ペットロス)に少しずつ区切りをつけていく生活に即した意味合いもあるといえます
ペットロスについて詳しくはこちら
法要の種類
犬の法要も人と同様に、1回行えば終わるものではなく定期的に行っていくものです。ここでは、四十九日以外に行われる法要の種類を解説します。
お通夜・葬儀
亡くなった直後に執り行われる法要です。犬の場合には、人が亡くなったときのように知人親戚を招いてのお通夜式を行う飼い主は少なく、家族だけでゆっくりと過ごす方が大半でしょう。
葬儀は業者に依頼して行う家庭が大半です。ペット火葬には、他の過程のペットと火葬を行う合同火葬や自身のペットのみで火葬を行う個別火葬があります。また、人のようにセレモニーまで行う場合もありさまざまです。どんな葬儀にしたいか家族でよく話し合って決めることが大切です。
犬の葬儀については、以下の記事で詳しく解説していますので、こちらも参考にしてください。
関連記事:亡くなった愛犬の葬儀はどうすればいいの?主な方法を解説
初七日
命日を含めて数えて7日目を「初七日」といいます。近年の人の法要では通夜・葬儀と同時に行って、実際の7日目の儀式は省略されることがほとんどです。人の場合と同様に、ペットの場合でも省略されることが多いでしょう。
百か日・一周忌
命日を含めて数えて100日目を「百か日」、1年目を「一周忌」と呼びます。
>犬の四十九日の数え方
犬の四十九日の数え方は、人間と同じく、亡くなった日(命日)を1日目として数えます。そのため、1月1日に亡くなったのであれば、2月18日が四十九日です。心配な方は、四十九日早見表や無料で計算できるWebサイトもあるので、検索してみるのも1つの手です。
ただし、最近では四十九日当日に法要を必ず行わず、四十九日に近い土日に行うこともしばしば。そのため、飼い主の都合と相談し、愛犬の旅立ちを見送れる日に選定すると良いでしょう。
犬の四十九日の準備
それでは、実際に犬の四十九日を執り行うとしてどのように進めていったらよいのでしょうか。この章では項目ごとに紹介していきます。
四十九日を行う場所
まずは四十九日の法要を執り行ってくれる場所を選ぶところから行いましょう。最近では犬の法要を執り行う寺院も増えてきています。つきあいのある寺院がある場合には問い合わせてみるのもよいかもしれませんね。他に、ペット霊園が法要実施のサポートをしてくれることもあります。
葬儀業者の中には、火葬から法要まで一連の流れを全て請け負ってくれる業者もあります。法要の実施を希望する場合は、葬儀業者を選ぶときに法要まで行ってくれる業者を選んでおけると安心ですね。
四十九日の服装・持ち物
服装について、特に喪服の決まりはないことが一般的です。ただし、人の霊園などに併設されたペット用の施設で法要を行う場合には相応の服装のほうが安心です。そのような施設で実施する場合には、事前に業者に相談しておけると安心です。
持ち物は一般的な仏具としての数珠があれば十分なことがほとんどです。お供えが可能な施設の場合には、お供え物を持参してもよいですね。
犬の四十九日当日の過ごし方
それでは、犬の四十九日当日にはどのようなことを行うのでしょうか。当日の過ごし方として、よく行われる3つの供養方法を解説します。
読経してもらう
ペットの読経は、ペット霊園が主催する合同法要に参拝して、読経してもらうことが一般的です。もちろん、個人的に手配して読経供養してもらうことも可能です。
合同法要の場合には、ペット霊園のスケジュールによって開催されるため、四十九日の日程に近い日をえらんで参拝しましょう。
お墓参りをする
すでに納骨を済ませている場合には、お墓参りをして四十九日を過ごす場合も多くあります。
お墓参りの際には、愛犬の好きだったおやつやおもちゃなどもお供えすると良いでしょう。お花に迷ったら、白いユリが無難です。もちろん、事前にお供え物のルールを確認したうえで、愛犬のもとを訪れるようにしてください。
納骨する
魂が現世から離れる日である四十九日のタイミングで、納骨する飼い主も多くいます。
悲しみが深い飼い主は、なかなかお骨を納骨したくないと感じる方もいるかもしれません。しかし、四十九日というタイミングで納骨することで、ペットロスから気持ちを整理しやすくなるかもしれません。
納骨する場合には、以下の3つの選択肢があります。
- ペット霊園や寺院に納骨する
- 自宅の仏壇に納骨する
- 自宅に埋葬する
また、最近では海洋葬、山林葬、樹木葬などの納骨方法を選択できる場合もあります。どの方法が正解というのはありませんので、家族が納得できる方法を選べるとよいですね。
まとめ
四十九日を行うのは宗教的な意味合いのほか、家族が気持ちの区切りをつけるきっかけにするという、より生活に即した意味合いもあります。
法要を行うと決めた場合は、火葬から法要まで全て対応可能な業者をあらかじめ選んでおけると安心です。家族全員で話し合って納得できる見送り方を決められるとよいですね。