【犬のプラスチック誤飲】対処法と緊急性の高い症状や予防法6選を解説

愛犬がプラスチックを誤飲してしまうと、飼い主さんは、かなり焦りますよね。

「病院につれていったほうがいい?」
「今は元気だし、様子見ても大丈夫?」
「健康に被害はないの?」

などの疑問が浮かび不安になると思います。

本記事では、犬がプラスチックを誤飲した場合に、まず何をすべきかの対処法や起こりうる症状、病気、治療方法について解説します。

飼い主さんは、この記事を読むと愛犬がプラスチックを誤飲した場合でも、焦らずやるべき対処法が理解できますので、ぜひ最後までお読みください。

犬のプラスチック誤飲でやるべき対処法

犬のプラスチック誤飲でまずやるべき対処法としては、「動物病院に連絡し、獣医師に処置の必要性を判断してもらう」ことが大切です。

ここからは、獣医師に連絡する上で理解しておくこと、伝えるべき情報について詳しく説明していきます。

まずは動物病院に連絡する

犬がプラスチックを誤飲してしまった場合、まずは動物病院に連絡をして、獣医師に処置が必要か判断してもらいましょう。獣医師が処置の判断をする上で必要となる情報は以下の通りです。

■伝えるべき情報
・愛犬の年齢、犬種、体重
・プラスチックを誤飲してからの経過時間
・誤飲したプラスチックのサイズ、硬さ、形状、量
・現在の症状の有無

獣医師は、これらの情報ができる限り正確にわかると、処置の必要性をスムーズに判断することができます。
飼い主さんが自分の判断で無理やり吐かせたり、大丈夫と判断し様子をみたりすることは、危険ですので控えましょう。

【獣医が判断】様子を見る場合・処置が必要な場合

犬がプラスチックを誤飲した場合、処置が必要かどうかは、以下のように判断していくことが多いです。

■様子を見る場合
・食べてから5時間以上経つが症状がない場合
・犬の体格と比較してみて、誤飲したものが小さい場合
・胃や腸に閉塞する恐れがない場合
・誤飲したものに中毒性や危険性がない場合

上記の全てに当てはまるならば、様子を見ると判断する場合もあります。

■処置が必要な場合
・誤飲から5時間以内の場合
・何らかの症状がある場合
・誤飲したものが閉塞する恐れがある場合
・誤飲したものが棘や針状で消化管を傷つける危険性がある場合

いずれか1つに当てはまるようならば、処置が必要です。犬の状態や誤飲してからの経過時間、誤飲したものによって、処置の内容は変わってきます。

病院が空いてない時間に誤飲してしまった場合

犬が病院の営業時間外にプラスチックを誤飲した場合、かかりつけの動物病院には、電話が通じないことも考えられます。
飼い主さんがとるべき行動としては、以下の通りです。

■かかりつけの動物病院に連絡がつかなかった場合
1.夜間動物病院や他の病院を探して連絡してみる。
2.朝一番にかかりつけの動物病院に連絡し処置が必要か判断する

まずは、かかりつけの動物病院以外にも連絡が通じるところを探してみてください。
地域の夜間動物病院や、24時間電話で相談できるサービスもあります。
それでも連絡が繋がらないならば、朝一まで待って連絡し、処置の必要性を判断してもらいましょう。

気道閉塞、食道閉塞や、中毒物質を誤飲している場合を除いて、ほとんどの場合、誤飲してから数時間程度なら命を落とすような可能性は低いと思われます。

しかし、絶対とは言い切れません。なるべく早めに獣医師に判断してもらえるようにしましょう。

プラスチック誤飲の症状チェックリスト

胃の中に食べ物が停滞する時間は、およそ30分〜2時間と言われていますので、誤飲の症状は、誤飲から早ければ約2~3時間後にはみられることがあります。

ここでは、プラスチック誤飲時にみられる症状を、よくみられる症状と緊急性が高い症状に分けてチェックリストにて解説しています。是非参考にしてみてください。

よくみられる症状

・嘔吐
・えづき
・よだれ
・食欲不振
・元気がない
・お腹を痛そうにする

こちらはプラスチックを誤飲した時によくみられる症状です。このような症状がみられる場合は速やかに動物病院へ連絡しましょう。

緊急性が高い症状

・舌の色が真っ青になる(チアノーゼ)
・何度も咳をする
・呼吸が荒い
・吐血
・嘔吐物から便臭がする
・急にぐったりする、意識消失

とくに、舌の色が真っ青になっている、呼吸が荒い場合は、誤飲した物が気道を塞いでしまい呼吸困難になっている場合があります。この場合は、すぐに動物病院に連れていきつつ口の中を確認し、誤飲したものが取り除けそうだったら取り除いて問題ないかも確認しましょう。

プラスチック誤飲により考えられる病気4つ

プラスチックの誤飲を放置しているとさまざまな病気に進行することがあります。プラスチックの誤飲が引き起こす病気4つについて詳しく解説します。

胃内異物・腸閉塞

誤飲したプラスチックが胃内や腸にあり、消化管で閉塞していたり、胃や腸を傷つけて消化管の運動が低下したりしている状態です。
症状としては、気持ち悪さから、嘔吐やよだれ、えづき、食欲不振などが認められることが多いでしょう。

また、からだの中で腸閉塞が長い期間起こっていると、嘔吐物から便のような匂いがすることがあります。

気道閉塞

誤飲したプラスチックが、喉の部分や気管に入り込み、空気を吸い込めない状態です。
症状としては、呼吸困難や、舌の色が真っ青になるといった症状がみられることが多いでしょう。

誤飲したプラスチックが完全に気道を塞いでしまうと、酸素がからだに取り込めないため、酸欠状態になり命を落とす危険があります。
飼い主さんは、こういった症状がみられた場合、今すぐ動物病院に連れていくようにしてあげてください。

食道閉塞

誤飲したプラスチックが食道部分に詰まってしまった状態です。症状としては、喉の違和感により何度も咳をする、えづき、よだれ、胸の痛みといった症状がみられることが多いです。

また、誤飲したプラスチックのサイズが大きく、気道を圧迫した場合には、呼吸困難も症状としてみられることがあります。

腹膜炎・消化管穿孔(しょうかかんせんこう)

誤飲したプラスチックが胃や腸を傷つけて炎症を引き起こした場合、腹膜炎となっている状態です。また、誤飲したプラスチックにより胃腸に穴が空いてしまうと消化管穿孔が起こります。
症状としては、激しい腹痛と食欲不振、ひどい場合には、意識を消失し命に関わることが多いでしょう。

腹膜炎や消化管穿孔は、誤飲からの経過時間が長いと起こることが多い病気となっています。
飼い主さんは、愛犬がプラスチックを誤飲した場合には、すぐに動物病院に連絡し、処置が必要か判断してもらってください。

犬がプラスチックを誤飲した場合の治療法

治療法は、誤飲物のサイズや経過した時間、症状の有無によってさまざま考えられますが、催吐処置、内視鏡、外科手術の3つが主となるでしょう。

催吐処置

催吐処置とは、血管から催吐剤を入れて嘔吐させる処置のことです。
プラスチック誤飲から経過時間が短く、まだ胃内にある、サイズや形状からも吐かせても大丈夫と判断した場合には、催吐処置を行います。

プラスチック誤飲からの経過時間については、およそ5時間以内ならば、催吐処置をしてあげても良いと考えられますが、獣医師さんの判断によって様々です。

しかし、催吐処置でも吐かないこともあります。その場合は、内視鏡をおこなったり、胃切開を行ったりする必要があります。

内視鏡

催吐処置をしても吐かなかった場合や、無理やり吐かせてしまうと胃や食道を傷つけてしまう可能性がある場合に内視鏡を行います。
胃カメラと長い刃のないハサミ(鉗子)を入れて誤飲物を掴み取り、丁寧に取り除いていきます。

ただ、誤飲した物が球体であり掴めない場合や、胃液により滑って取れない場合などは、内視鏡では誤飲物を取り除くことが難しいことも多いでしょう。

外科手術

催吐処置や内視鏡のどちらでも、誤飲物をとることができない場合や、腸の奥深くで詰まっている場合には、外科手術が適用になります。

この場合、胃切開や腸切開を実施しますが、もし誤飲物によって消化管が激しく傷つけられている場合はその部分を切り取る処置を行う必要があります。
手術後に穴が開いたり、裂開したりすることもあるので、術後は5日間ほど入院になることが多いです。

リスクも非常に高く、術後の炎症が激しいと命を落とすこともあります。
異物の誤飲には十分に注意し、飼い主さんは日頃から対策を行うようにしてください。

愛犬の誤飲を防ぐために知っておくべき対策6選

ここまで、プラスチック誤飲でみられる症状や治療法について解説してきましたが、大切なことは、愛犬にプラスチックを誤飲させないことです。
ここからは、犬が誤食しやすいプラスチック製品と誤飲を予防する対策6選について解説します。

犬が誤飲しやすいプラスチック製品

犬が誤飲しやすいプラスチック製品は以下の通りです。

  • ビニール袋
  • お菓子の袋
  • ボタン
  • トレー
  • スプーン
  • クリップ
  • ペットボトルキャップ
  • 消しゴム
  • ボール

とくに、ビニール袋で遊ぶ犬や、食欲旺盛で匂いのついたお菓子の袋まで興味津々で食べてしまうような犬ではプラスチックの誤飲が起こりやすいです。
次章では、このようなプラスチック製品を誤食しないためにできることを見ていきましょう。

犬のプラスチック誤飲を予防する対策6選

犬のプラスチック誤飲を予防するためには、6つの対策が考えられます。ここでは、それぞれの対策についてお伝えいたします。

犬の様子を見れない時はサークルやゲージに入れる

留守番や就寝する時など、愛犬の様子を見れない時には、犬をサークルやゲージに入れるようにしましょう。

飼い主さんの目が届かないところでの誤食は、診断・治療の遅れにもつながる恐れがあり大変危険です。犬が一人でサークルやケージ内でも過ごせるように普段からしつけをおこなっておくことをおすすめします。

犬が入れないように柵を作る

家の中には、愛犬が入れないような空間を作るようにしましょう。

とくに、キッチンは、愛犬が食べてはいけない物などがたくさんあり、火傷などの恐れもあります。
誤飲しそうな危険物がある場合には、柵などを使って、愛犬がその空間に入れないようにしてあげましょう。

ゴミ箱を置かない・蓋つきのものにする

犬がゴミ箱をあさり、異物を誤飲してしまうことは、非常に多いです。ゴミ箱から食べ物の匂いがしたりすることが、犬が誤飲をする原因の1つであると考えられます。

飼い主さんは、ゴミ箱を置かないようにしたり、蓋つきのものに変えたりして、愛犬が誤飲することを予防してあげるようにしましょう。

犬の届くところに危険物をおかない

犬の手が届くところに誤飲したら危険なもの、誤飲しやすいものは置かないようにしてあげてください。ペットシーツなどを噛む癖がある子もいますので注意が必要です。

どうしても、置きたいものがあるならば、その周辺に愛犬が近づけないように柵を用いるような工夫をしてあげてください。

散歩中も気をつける

散歩中に誤飲をすることは、非常に多いです。とくに、ビニール袋やお菓子の袋などが落ちていることも多いので危険です。

飼い主さんが目を離した隙に誤飲は起こりやすいので、なんでも口に入れてしまう子の散歩では、目を離さないようにしてあげてください。

おもちゃの誤飲も気を付ける

おもちゃを与える時も、愛犬が噛んでも壊れて細かくならないもの、小さすぎて誤飲してしまわないサイズ感のものを選んであげるようにしましょう。
とくに、プラスチック以外にも噛んでいると繊維状になるヒモや、噛むとボロボロになるぬいぐるみ、小さなボタンなどには注意が必要です。

愛犬がおもちゃで遊んでくれるのはいいのですが、与えるおもちゃも誤飲の恐れがないようなものにしてあげましょう。

まとめ

本記事では、犬がプラスチックを誤飲した場合の対処法や症状、予防法などについて解説してきました。
愛犬がプラスチックを誤飲した場合には、まず病院に連絡して処置の必要性を確認することが大切です。

プラスチックの誤飲により、腸閉塞や気道閉塞を起こした場合には、最悪の場合命を落としてしまう可能性もあり危険です。

飼い主さんは、日頃から生活環境を整えたり、適切なしつけを行ったりして誤飲を予防していきましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

ふぁみまる編集部

今まで犬を始め、フェレット・ハムスター・カメ・インコなどさまざまなペットを飼育してきました。現在は、ジャックラッセルテリアと雑種の2匹を可愛がっています。趣味は愛犬たちとの旅行です。 このメディアでは、多くの飼い主の方々の不安や疑問・困っていることを一緒に解決していきたいと考えています。