猫の突然死はなぜ起きるのか?主な原因を解説!

健康そのものにみえていた猫が突如として亡くなってしまう。いわゆる突然死は、残念ながらどの家庭の猫でも起きてしまう可能性はあります。突然死の主な原因とされるものを解説し、飼い主が猫の突然死というリスクに対してとれる対策を紹介します。

突然死の原因の多くは心臓病!

まず「突然死」とはそもそもなにか。WHO(世界保健機関)の定義によれば、突然死とは「瞬間的な死亡、もしくは原因となる病気を発症してから24時間以内に死亡すること」とされます。 交通事故や毒物の誤食などによる死は「突然死」には含みません(猫をなるべく外に出さない、誤食されそうな毒物を家庭に置かないなど注意はしましょう!)。

なんの症状もなく、元気に見えていた猫が突然死した場合、その大半のケースで心臓病が原因だといわれています。そのなかでも特に多いのが「肥大型心筋症」という病気です。この病気の厄介なところが、末期になるまでほとんど症状をださないという点です。一方でひとたび症状がでると、非常に進行がはやく、治療をする間もなく亡くなってしまうこともあります。

突然死リスクに対して飼い主がとれる対策とは、肥大型心筋症という病気のリスクに対して飼い主がとれる対策ともいえるでしょう。

肥大型心筋症ってどんな病気?

猫で最も広く発生する心臓病であり、何も症状や心雑音がない猫であっても約10頭に1頭が持っているとされています。年齢を重ねると増えてくる病気ではありますが、中には1才にも満たない若齢から発症する猫もいるため、猫が何才であったとしても注意が必要です。

発症には遺伝的な素因が関与しているとされます。どの品種であっても発症しますが、メイン・クーン、ラグドール、アメリカンショートヘアは特に発症しやすい品種とされます。これらの品種の猫を飼っている場合には特別な注意が必要といえます。

一方で、発症するかどうかについて、遺伝的素因以外、たとえば食事や飼育環境などはあまり影響しないと考えられています。

肥大型心筋症を発症するとどうなるの?

ごく簡単にいえば、心臓の筋肉が異常に分厚くなっていきます。心臓は血液を全身に送り出すポンプ機能を担っていますが、筋肉が肥大することによって心臓の内部の空間が狭くなってしまって、ポンプの機能をうまく果たせなくなっていきます。

末期にポンプ機能が一定以下にまで低下してしまうと、肺に水がたまったり、胸の中に水がたまったりといった「うっ血性心不全」という状態になり、呼吸困難を引き起こします。

発症してから心不全に至るまでは、明確な症状を出さないまま進行することがほとんどです。進行のスピードは個体差が大きく、全く気づかれないまま天寿を全うする猫もいれば、急速に進行して亡くなってしまう猫もいます。

また明らかな症状が何もない初期の段階であったとしても、実は不整脈の発生リスクは増加しています。不整脈の中には致死性のものもあり、病気が進行したうえの心不全によってではなく、ある日突然の不整脈によって「突然死」が引き起こされることもあります。

ほかに、肥大型心筋症が進行するにつれて動脈血栓塞栓症と呼ばれる合併症のリスクも増加します。大きな血栓が太い動脈を詰まらせてしまう病態であり、致死率が80%以上ときわめて高く、なんとか一命をとりとめたとしても再発が多く、治療が難しい病気とされます。

肥大型心筋症、予防方法はあるの?

心不全やさまざまな合併症によって突然死を引き起こす肥大型心筋症。発症には遺伝子が関わっているということもあり、残念ながら発症を予防する方法はありません。しかし、早期発見・早期治療開始に努めることはできます。

遺伝子が関わっている以上は肥大型心筋症を完全に治す治療法はありませんが、早期に発見して治療を始められれば、病気の進行を遅らせ、心不全の発生を抑制することができます。合併症のリスクを認識しながら、いざというときの救急病院をリストアップなどの準備を進めることもできます。
早期に発見し、治療を開始することは非常に重要です。

飼い主ができることは?

早期発見のために飼い主ができることは、定期的な検診をうけさせることです。肥大型心筋症の発見には、心臓の超音波検査の実施がとても大切です。身体検査やレントゲン検査、一般的な血液検査では初期の病変を見逃してしまう可能性が高いでしょう。7才未満は1年に1回、7才以上は半年に1回の実施が推奨されています。

ただし、心臓の超音波検査は痛みこそないものの、一定時間おとなしく横向きになっていてもらわないと精度良く実施することができません。動物病院に行くことから嫌がる猫は多く、心臓の超音波検査をおとなしく受け入れてくれない猫も少なくありません。

そのような場合はどうしたらよいのか。心臓病の発見に一般的な血液検査はほとんど役に立ちませんが、NT-proBNPという心臓病の発見に特化した検査項目は例外です。採血だけという最小限のストレス(超音波検査よりも軽いであろうストレス)で精度良く心臓病の発見に役立てることができます。

また近年では安全性の高い鎮静薬も出ており、検査ストレスの軽減に役立てることができます。いちど動物病院に相談してみましょう。

まとめ

どれだけ気をつけていても突然死のリスクは避けられないもの。
万が一、ペットが亡くなった場合についての情報はこちらの記事にまとめています

「猫が亡くなってしまったときにやるべきこととは?自宅でできる対応を解説!」

肥大型心筋症は発症を予防することができず、自宅での観察や一般的な血液検査などだけでは早期発見も難しい病気です。
一方で、早期に発見して治療を始められれば進行を遅らせることができる病気でもあります。肥大型心筋症と診断されながらも、天寿を全うすることのできる猫も少なくありません。そのためには積極的に検診を受けさせることがとても大切です。ぜひ検討してみてくださいね。

ABOUTこの記事をかいた人

今まで犬を始め、フェレット・ハムスター・カメ・インコなどさまざまなペットを飼育してきました。現在は、ジャックラッセルテリアと雑種の2匹を可愛がっています。趣味は愛犬たちとの旅行です。 このメディアでは、多くの飼い主の方々の不安や疑問・困っていることを一緒に解決していきたいと考えています。