寝返りができない老犬は要注意!床ずれの予防法から治療法まで解説!

うつ伏せの犬

褥瘡(じょくそう)、いわゆる床ずれとは、からだの一定の部位に圧力が加わり続けたことで皮膚に血流が流れなくなり、皮膚の表面組織が壊死してしまった状態のことです。

ベッドで寝たきりになっている老犬の介護などでは、床ずれへの対応が犬の生活の質を保つうえで非常に重要になってきます。

この記事では、床ずれを予防するために飼い主がとれる行動やケアのしかた、床ずれが発生してしまった場合の対応について解説します。

床ずれ防止のために飼い主がとれる行動!

最大のポイントは「からだの一定部位に圧力が加わり続けることを極力避ける」ということです。からだにかかる圧力の中で最も床ずれの原因となりやすいもの。それは自分の体重による圧力、つまりは体圧です。
体圧がかかりやすく、床ずれとなりやすい部位は腰骨や肩などの出っ張った部分です。このことを考慮すると、より効果的なケアができるでしょう。
具体的には以下のようなケアをすることで、床ずれの発生をかなり減らすことができます。

定期的に寝返りをうたせる

老犬が病気やケガによって自力で寝返りをうつことができない場合、体重や体格などによっても変わりますが、一般的には3時間程度の間隔で寝返りをうたせることがすすめられます。

圧力が加わって血流が滞っていた部分に再び豊富な血液を届けることで、床ずれを発生しづらくすることができます。

床ずれの予防法の中で最も基本的かつ、最も重要な処置です。欠かすことのないようにしましょう。

床ずれ防止マット(クッション)で体圧を分散させる

なるべく体圧を分散させるように設計された、老犬介護用の床ずれ防止マットというものが市販されています。床ずれ防止マットをからだの下に敷いてあげることで、体圧による血流の悪化を和らげることができます。
床ずれ防止マットを使用する際には、腰骨や肩などの出っ張っている部分がなるべくマットの上にくるようにしましょう。

また、床ずれ防止マットを使っても、定期的な寝返りをうたせる必要はありますので注意が必要です。
床ずれ防止マットは店舗型のペットショップだけでなく下記のような通販サイトで購入することができます。ぜひ活用してみてください。

ペット用品通販:ペピイ「アルテア体圧分散マット (介護マット 床ずれ予防)」

床ずれができてしまった!とるべき対応!

こっちを見ている犬

これまでにご紹介したような床ずれ防止策を実践していたとしても、ふとした拍子にどうしても床ずれができてしまうことはあります。万が一、床ずれが発生してしまった場合にとるべき対応について解説します。

動物病院を受診するのが最優先!

床ずれは一度発生してしまうと、何もせず様子を見るだけで治ることはほとんどありません。

床ずれの治療では、さまざまな治療法がある中から、皮膚の傷の深さや感染の有無、治癒の度合いに応じて最適なものを選択する必要があります。

そのためには専門知識が不可欠であり、飼い主が自宅で治療法を判断することは困難です。なるべく早めに動物病院を受診して、獣医師の指示を仰ぐことが大切です。

すぐに動物病院を受診できないときは……

すぐに動物病院を受診できないときには、それ以上の悪化を防ぐためのケアをしてあげましょう。

基本的に予防法と同じことを行うのですが、患部に圧力が加わり続けることを極力避けるようにしましょう。

患部周辺にガーゼなどを何枚も重ねて包帯で巻くことで、より体圧を分散させることができます。

それに加えて水道水での洗浄を1日1、2回行って患部を清潔に保つことも重要です。消毒は傷の治りを遅くすることがありますので、明らかに膿が出ていない限りは不要です。バリカンなどを用いて、患部の周囲を毛刈りできるとさらに清潔さを保ちやすくなるでしょう。

動物病院で行われる床ずれの初期治療について解説

床ずれができて動物病院に連れて行ったときに、老犬にどんな治療が施されるのか、初期治療に的をしぼって解説します。

まず患部を滅菌された生理食塩水などで洗浄し、周囲を毛刈りします。ここまでの処置は自宅でも可能です。
次に完全に壊死してしまった部分は傷の治りを遅らせ、感染の原因となりやすいので切除します。そして傷の状態に合わせた軟膏やドレッシング材(傷口を湿潤に保つために用いられる被覆材)を使いながら徐々に傷が治っていくのを助けてあげます。

加えて細菌などの感染があれば、それに合わせた抗生剤などの外用薬や内服薬が処方されるでしょう。そして床ずれを治すうえで最も大切なことは、「患部に圧力が長時間くわわり続けないようにすること」です。

病院で出される薬は治癒を助けてはくれますが、自宅での管理がうまくできていないとなかなか治りません。

獣医師によく指示を仰ぎながら、自宅での管理を見直すようにしましょう。

まとめ:心配なときは相談しよう!

座っている犬

ベッドで寝たきりになっている老犬の介護などでは、床ずれのケアがとても大切になります。床ずれの予防でも治療でも、最も重要かつ基本的なことは「からだの一定部位に圧力が加わり続けることを極力避ける」ことです。

そのために、定期的に寝返りをうたせてあげたり、床ずれ防止マットを敷いてあげたりすることが効果的です。そして万が一、床ずれができてしまった場合には様子見をしていても治りません。なるべく早く動物病院を受診するようにしましょう。

動物病院で獣医師のサポートを受けながら、自宅での管理を見直すことがとても大切です。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

ふぁみまる編集部

今まで犬を始め、フェレット・ハムスター・カメ・インコなどさまざまなペットを飼育してきました。現在は、ジャックラッセルテリアと雑種の2匹を可愛がっています。趣味は愛犬たちとの旅行です。 このメディアでは、多くの飼い主の方々の不安や疑問・困っていることを一緒に解決していきたいと考えています。