人間よりもずっと寿命が短い猫と暮らしている以上、いつかは必ず向き合わなければいけないイベント。それが死別です。
愛する猫が亡くなってしまった場合、ペットロスに陥り、悲しい気持ちがあふれてくることでしょう。しかし、悲しさに襲われる中でも、やるべきことはやっていかなければなりません。
本記事では、猫が亡くなったあとの流れをわかりやすく解説します。お清めの方法や葬儀方法、費用相場などの情報をまとめました。
目次
猫が亡くなったあとの流れ
猫が亡くなったら、どのようにお別れするのでしょうか。一般的に以下の4つの手順を追って供養まで行います。
- 動物病院で死亡確認を受ける
- からだをお清めし、冷やす
- 葬儀を行う
- 供養する
これらのうち、当日中に「2.からだをお清めし、冷やす」までを行うことがおすすめです。対応が遅れると、実際に愛猫が亡くなってしまったらショックで対応できず、体液が漏れてしまったという事態になってしまうことも。また、1日放置してしまうだけでも環境によっては遺体の状態が悪くなってしまいます。
そのため、愛猫が高齢になってきたら、しっかりお別れできるように心の準備だけでなく、その後の流れについても知識として理解しておきましょう。ここから、それぞれの流れをわかりやすく解説しますので、いつかの日のための参考にしてください。
1.猫が亡くなったら、自然な姿勢をとらせたのち動物病院に行くのが理想
猫が亡くなっているのを自宅で発見したら、まずは死後硬直がはじまる前に、遺体の手足を胸の方に丁寧に折り曲げてください。また、目や口が開いていたら、優しく閉じてあげてください。なお目を閉じる場合には、眼軟膏などを塗布してから閉じると再び開くことが少なくなります。
それから動物病院に連れて行き、獣医師に死亡確認をしてもらうことが理想です。からだも冷たく、呼吸もしておらず、明らかに亡くなっている場合でも、からだを清めてくれたり、今後の相談を受けてくれたりと飼い主の助けになってくれる病院がほとんどでしょう。
からだを動かすのが忍びなかったり、かかりつけの動物病院がなかったりして動物病院に連れて行かない場合には、自宅でからだのお清めを行う必要があります。
ちなみに、「死期が近づいた猫が姿を消す」という話をよく聞きますが、猫によって過ごし方は異なります。甘えたり、よく鳴いて挨拶をしたりする猫もいますので、愛猫が過ごしやすいようによく観察してあげましょう。
2.猫のからだをお清めし、冷やす
お清めは、なるべく生前の自然に近い姿のままで葬送してあげるために行う一連の作業です。実際に葬送できるまでには少し時間がかかることが多いものです。そのため、しっかりとからだを清めておくようにしましょう。
喉の奥・鼻の穴・肛門にコットンをつめる
亡くなってしばらくすると、口や鼻、肛門から体液が流れ出てきてしまいます。そこで、体液が出てきてからだを汚してしまうのを防ぐために、口・鼻・肛門にコットンを詰めて穴を塞ぐ必要があります。
このとき、コットンをギュウギュウに詰めこむということに抵抗感を抱く方も多いでしょう。しかし中途半端に詰め込んでも意味がありません。綺麗なからだのまま見送るためと考えて、しっかりと詰め込むようにしましょう。
このときに使うコットンは、医療用でなくとも化粧水用のコットンを何枚か重ねて用いれば十分です。化粧水用のコットンは100円ショップや薬局などで購入するようにしましょう。
からだを冷やす
火葬などを執り行うまでの間、腐敗を遅らせるために亡骸を冷やすことがとても大切です。冷やすためには、棺や段ボールなどにからだをいれて保冷剤を重ねると効果的です。それに加えて、エアコンで室温を低く保つことも忘れないようにしましょう。
3.猫の葬儀を行う
動物病院でお清めを行ってもらった、あるいは自宅でお清めを終えたら、次に行うのは葬儀の手配です。ここでは、葬儀の種類や段取りについて解説します。
葬儀の種類
猫の葬儀には、一般的に以下の2種類が挙げられます。
・火葬
自宅での火葬は、法律上禁止されているためできません。そのため、民間のペット葬儀業者やペット霊園に依頼しましょう。
・土葬
飼い主の所有地のみ埋葬は可能です。たとえば、飼い主名義の一戸建ての庭には土葬できますが、マンションの共有地への埋葬はできません。自分が所有する土地に土葬したとしても、腐敗臭や野生動物による掘り返しなど後々のトラブルが多く、おすすめはできません。よほどの事情がなければ、火葬を選ぶ方が無難と言えるでしょう。
地方自治体でも引き取ってくれるところが多くはありますが、火葬ではなく焼却処分のイメージが近く、一般的で返骨もされません。そのため、愛猫を手厚く弔いたい場合には不向きです。
葬儀の段取りをつける
葬儀の種類を選んだら、葬儀の段取りをつけます。ここでは現在、猫の葬儀として一般的なペット火葬について解説します。
まずはペット火葬業者を選んで連絡をするようにしましょう。動物病院が業者を教えてくれることもありますので、困ったらば相談してみるのも1つです。
葬儀のタイミングは飼い主次第ではありますが、死後5日以内に行いたいところです。保冷安置が十分にされていれば、10日ほど腐敗を遅らせられる場合もありますが、なるべく早い方がキレイな状態でお別れできます。
ペット火葬の専門業者は多くありますので、比較検討することを考えると早めに調べておくことがおすすめです。できれば生前のうちにある程度目安をつけておくとスムーズに依頼に移れます。
また、一緒に火葬できる場合には、お花や愛猫の好きなキャットフードなど、愛猫の旅立ちを彩るものを準備すると良いでしょう。
しかし、葬儀の段取りに忙しく動き回っていたら、愛猫との死に向き合う時間が取れなくなってしまう飼い主もいます。辛いかもしれませんが、飼い主やご家族は愛猫と過ごす最後の時間をゆっくり設けるようにしてくださいね。
4.猫を火葬・供養する
実際の葬儀の流れはどのようになるのか。この章では、火葬を選んだ場合についてご紹介します。より詳しい部分をまとめた記事もありますので、そちらも参考にしてみてくださいね。
葬儀の種類
ペットの火葬には、いくつかの様式が存在しており、それぞれの様式について一般的な呼び方も存在しています。以下に、一般的な4つの火葬の種類をまとめました。
・合同火葬:他の家庭のペットと一緒に火葬される
・個別一任火葬:個別に火葬されるが家族は立ち会えない
・個別立ち会い火葬:個別に火葬され家族も立ち会える
・訪問火葬:火葬車で自宅近くまで来てくれる
火葬にかかる費用は選んだ様式によって異なりますが、2〜3万円が相場といえそうです。個別火葬であれば、お骨上げしたのち、骨壺に入れて返骨してもらえることが一般的です。
火葬方法、呼び方は犬と変わりませんので、詳しくはこちらの記事も参考にしてみてくださいね
「犬の火葬を行う場所はどこ?方法は?知っておくべき情報まとめ」
葬儀を終える前後で、かかりつけの病院やペット保険の会社へ猫が亡くなったことを伝える必要もあるでしょう。なお犬とは異なり、猫が亡くなった場合には自治体への届け出は必要ありません。
葬儀のその後|供養方法、メリットデメリット
火葬を終えたのちに返骨してもらった場合には、お骨の供養方法も考えなければなりません。お骨を自宅で埋葬して供養する家庭もあります。庭など身近なところで供養できるメリットがありますが、野生動物の掘り返しなどには注意が必要です。
また、火葬業者やペット霊園が運営する納骨堂や墓地に埋葬してもらう方法もあります。管理を任せることができて安心感を持てる一方で、生活圏から少し遠くなってしまうデメリットもあります。
近年では、焼骨をペンダントなどの手元供養具に加工してもらったり、海洋葬、山林葬、樹木葬を選んだりすることもできるようになってきました。どのペット供養の方法が正解というのはありませんので、家族の希望に沿っていて納得できる方法を選べるとよいですね。
愛猫の火葬は訪問火葬サービス「ペットの旅立ち」へおまかせください
愛猫の火葬は、24時間365日、日本各地に店舗をもつ訪問火葬サービス「ペットの旅立ち」へおまかせください。これまで、数多くの愛猫の旅立ちをサポートし、飼い主さまとの信頼関係を築いてきた実績があります。
以下の4つのプランをご用意。できるかぎり飼い主さまのご希望の形で愛猫とのお別れができるよう柔軟に対応いたします。
・お引き取りプラン:遺体をお預かりし、当社スタッフが合同火葬か個別火葬・お骨上げを実施。基本的にご返骨はないプランです。
・個別火葬プラン:遺体をお預かりし、当社スタッフが個別火葬・お骨上げを実施。ご自宅にご返骨するプランです。
・お立ち会いプラン:遺体をお預かりし、当社スタッフが個別火葬を実施。その間、飼い主さまに車両の傍でお立ち会いいただけるプランです。飼い主さまにお骨上げをしていただき、ご返骨いたします。
・セレモニープラン:ご自宅で旅立ちのセレモニーを実施したのち、遺体をお預かりし、当社スタッフが個別火葬を実施。その後、飼い主さまにお骨上げをしていただき、ご返骨いたします。
大切な愛猫とのお別れに当社スタッフが寄り添います。愛猫との別れについてお悩みの飼い主さまは、ぜひ当社「ペットの旅立ち」にご相談ください。
まとめ
猫が亡くなった直後で精神的な余裕がない中、これだけたくさんの準備を進めていくのは誰にとっても、とても大変なことです。焦る必要はありませんので、1つずつゆっくりと進めていくのが大切です。ゆっくりゆっくり、後悔のないお見送りをしてあげられるとよいですね。