ペットが亡くなった際には、ペット火葬で見送ることが主流になっています。大切な存在であるペットを人間と同じように手厚く弔いたいと考える飼い主が増えているため、多種多様な葬儀プランが用意されるようになりました。
そのため、以前よりもペット葬儀において「どれくらいの時間がかかるのだろう」「何をして待てばよいのだろう」と疑問に思う飼い主さんもいるでしょう。
そこで、本記事ではペット火葬の所要時間や当日の流れ、待ち時間の過ごし方を解説します。
目次
ペット火葬にかかる時間に影響する要素
ペット火葬にかかる時間にはどのような要素が影響するのでしょうか。ここでは、所要時間を左右する2つの要素を解説します。
ペットの大きさや種類
所要時間に影響する最も大きな要素として、ペットの大きさや種類が挙げられます。
ペットといっても、小さなハムスターや小鳥から大型犬までさまざまなペットがいます。からだの大きなペットであればあるほど、火葬そのものの時間は長くかかります。
ペットごとの火葬時間の詳細は、のちほど詳しく解説します。
ペット火葬の種類
所要時間にはペット火葬の種類も影響します。
ペットの大きさや種類が火葬そのものの時間に影響するのに対し、ペット火葬の種類は、ペット火葬が始まってから終わるまでの全所要時間に影響します。
ペット火葬には、以下の種類があります。
霊園火葬 |
合同火葬 |
他のペットと一緒に火葬する方法。基本的に返骨されない。 |
一任個別火葬 |
自分のペットを個別で火葬する方法。骨壺・骨袋に入れた状態で返骨してもらえる。 |
|
立会火葬 |
個別で火葬してもらえるうえ、家族で火葬に立ち会える方法。遺骨の拾い上げが可能で、そのまま持ち帰ることが可能。 |
|
訪問火葬 |
合同火葬 |
霊園と同様 |
一任個別火葬 |
||
立会火葬 |
ペット火葬の種類は、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:自宅でペット火葬ができない理由とは?依頼先や選び方を解説
ペット火葬にかかる時間
ペット火葬の所要時間に影響のある要素を解説しましたが、実際にどの程度の時間がかかるのでしょうか。ここでは、所要時間の相場を解説します。
まず、火葬そのものにかかる時間の目安を、以下にまとめました。
ペットの体重 | 火葬時間の目安 |
---|---|
1kgほどの小動物 (ハムスターや小鳥など) | 20~30分程度 |
3kgほどの小さめな動物 (うさぎや猫、チワワなど) | 40~50分程度 |
5~15kgほどの中型動物 (柴犬、パグなど) | 1時間~1時間15分程度 |
15~25kgほどの大型動物 (紀州犬、ビーグル、シュナウザーなど) | 1時間~1時間50分程度 |
25kg以上の超大型動物 (ゴールデンレトリバー、ハスキー、ドーベルマンなど) | 1時間~1時間50分程度 |
また、火葬後には火葬炉を冷やし収骨する時間などが別途かかることも覚えておきましょう。
次に、ペット火葬全体にかかる所要時間を、ペット火葬の種類ごとにまとめました。
霊園火葬 |
合同火葬 |
自宅から霊園までの移動時間のみ。 |
一任個別火葬 |
ペットの遺体を預けてから返骨までに数日かかる。別途移動時間がある。 |
|
立会火葬 |
火葬そのものにかかる時間や収骨にかかる時間などを含め、1時間30分以上の時間がかかる。別途移動時間がある。 |
|
訪問火葬 |
合同火葬 |
遺体の引き渡しにかかる10分程度。 |
一任個別火葬 |
ペットの大きさによるが、1時間30分程度。 |
|
立会火葬 |
ペットの大きさによるが、2時間程度。 |
霊園火葬と比較すると、訪問火葬の方が火葬にかかる時間は短くなっています。そのため、忙しい方もペットとのお別れの時間を確保しやすくなるでしょう。
ペット火葬当日の流れ
それでは、ペット火葬当日はどのような1日になるのでしょうか。ここでは、ペット火葬当日の流れを解説します。
1.火葬場へ行くor迎えが来る
霊園火葬の場合には、ペットの遺体や一緒に供え物などを準備して火葬場に移動します。
一方、訪問火葬の場合には、指定時間に合わせて火葬専用車がお迎えに来ます。場所は指定できることが多く、自宅もしくは指定の場所で待ち合わせることが可能です。
2.火葬を行う
霊園火葬の場合、立会火葬以外のプランでは、遺体や供え物をスタッフに手渡したのちは、すべて霊園スタッフが火葬を担当します。立会火葬プランでは、霊園に用意されている待機室などで火葬の時間を待つことになります。
一方、訪問火葬の場合も、立会火葬プラン以外では霊園火葬と同様に自宅で待機することになります。立会火葬プランでは、火葬車の傍で待機することが可能です。
ただし、どちらの場合でも火葬場に同行したり、専門車に同乗したりすることはできません。
3.お骨上げを行う
霊園火葬、訪問火葬のどちらの場合も、合同火葬・一任個別火葬ではお骨上げはできません。立会火葬プランのみ家族によるお骨上げが可能で、そのまま返骨してもらえます。
4.遺骨を受け取る
霊園火葬の場合には、一任個別火葬であれば、数日後に霊園を訪問または自宅にお骨を届けてもらうことになります。立会火葬であれば、当日中に自宅にお骨を持ち帰れます。また、どちらのプランも、そのまま霊園内の納骨堂などに預かってもらうことも可能です。
訪問火葬の場合には、一任個別火葬と立会火葬のどちらの場合でも当日中に返骨してもらえます。また、訪問火葬業者の中には霊園と提携している業者もあるため、納骨堂に入れてもらうことも可能な場合があります。
ペットが亡くなってからペット火葬までの流れは、以下の記事をご覧ください。
関連記事:ペット火葬は当日でもいい?ご遺体の安置方法と火葬までの流れを解説
ペット火葬の待ち時間の過ごし方
立会火葬プランを選ぶ飼い主が増えていますが、基本的にペット霊園の場合には待合室で、訪問火葬の場合には自宅もしくは専用車のそばで待機することになります。火葬中の待ち時間はどのように過ごすとよいのでしょうか。
おすすめしたいのは、ペットとのお別れという悲しい現実としっかり向き合うことです。思い出を振り返ったり、家族と話をしたりして感情を出す場にしてください。ペット火葬の時間は周囲を気にせずに、家族と悲しい気持ちも共有しましょう。涙を流しても構いません。
ペット火葬中の待ち時間は、ペットと最後のお別れをして、旅立ちを見送ることができる大切な時間です。実は、お別れが十分でないとペットロスに陥る可能性があります。時間が癒してくれるとはいえ、深刻化すると、心身に悪影響があらわれる場合もあります。
ペットとのお別れを受け止め、自分の中で区切りをつけられるように過ごすようにしましょう。
また、訪問火葬の場合には注意点があります。家の近くで火葬できるとは限らないため、外で立って待つことになる可能性があるのです。場合によっては、簡易的な椅子の用意や、暑さ・寒さ対策も必要になるかもしれません。
特に高齢な方やからだが不自由な方は、長時間の待機時間が辛いこともあるため、事前にペット火葬業者と火葬場所の打ち合わせをすることがおすすめです。
まとめ
本記事では、ペット火葬にかかる所要時間や当日の流れ、待ち時間の過ごし方を解説しました。
ペット火葬にかかる時間は、ペットの大きさや種類、ペット火葬の種類によって大きく異なります。忙しい場合には合同火葬や一任個別火葬が向いていますが、長年一緒に過ごした大切なペットを手厚く弔いたいという場合には、立会火葬プランがおすすめです。
火葬の待ち時間は、ペットとのお別れをして一区切りつけるために、家族とともに悲しみと向き合うことでペットロスを防ぎます。涙を流しても構いませんので、しっかりとペットの旅立ちを見送りましょう。