猫は縄張り意識が強く、環境の変化も苦手なため、引っ越すことは老猫にとって大変なストレス。しかし、仕事や家族の都合でどうしても引っ越す必要があることもあり、心配ですよね。
老猫と一緒に引っ越すときは、なるべくストレスや負担を減らすようにしっかりと準備をすることが大切です。何よりも老猫を優先するくらいの気持ちで引っ越しましょう。
この記事では、老猫との引っ越しに必要な準備やポイントについて解説します。
目次
老猫の引っ越し準備と出発時の注意
引っ越す前には準備することがたくさんあります。スケジュールを立てて、リストアップしておきましょう。
引っ越し前に健康診断
引っ越し前に健康診断をしておくことをおすすめします。猫は年を取ると、腎不全や甲状腺疾患になりやすいためです。引っ越しのストレスで、悪化することもあるので、あらかじめ健康診断をしておきましょう。引っ越し先でもスムーズに受診できるように、データなどをもらっておくと良いでしょう。
引っ越し先の動物病院を確認しておく
急に具合が悪くなっても慌てないですむように、引っ越し先の動物病院を確認しておくことも大切です。
引っ越し前にかかりつけの動物病院に紹介してもらうのも良いでしょう。診察時間や休診日、夜間・充実診療の動物病院などをチェックしておくと安心です。
クレートやキャリーバッグ(キャリーケース)に慣れさせておく
移動では必ずクレートやキャリーバッグに入れましょう。移動する日にいきなりクレートに入れても、慣れていないと嫌がってストレスになる可能性があります。事前に慣れさせておくことがポイントです。
普段から猫が過ごす部屋に置いておき、老猫がいつも使っている敷物を入れてあげましょう。とっておきのおやつやフードを中で食べるようにするのもおすすめです。
キャンピングキャリーダブルドア
出典:Peppy
前面だけでなく、天井にも扉がついているから、老猫の出し入れがやりやすいキャリーです。ハードタイプなので、家ではハウスとしても使うことができます。万が一の災害のときに備えてあると安心です。
家具や猫グッズは新調しない
新しい家に住むときは、家具や猫グッズを一気に新調したくなるかもしれません。しかし新しい場所で見慣れないものに囲まれると、猫は強いストレスを感じます。たとえぼろぼろでも、今まで使っていたものをそのまま持って行くようにしてください。特にトイレは慣れ親しんだものを持っていきましょう。
引っ越し中は落ち着く部屋で
老猫を旧居から出すのは最後にします。引っ越す当日は、すべて終わるまでクレートやケージに入れ、なるべく人の出入りが激しくない場所で過ごさせてあげましょう。
脱走予防のためにも、猫がいることを引越し屋さんに伝えておくことを忘れないでください。ドアに注意を貼っておくのもいいでしょう。
移動中の注意
老猫の様子を見ながら、あせらずに移動しましょう。ペットシーツはクレートやキャリーバッグにあらかじめ敷いておきます。またペットシーツの替えやビニール袋、タオル、ウェットティッシュなどはすぐに出せるようにしておきましょう。
からだにつけるハーネスをつけ、何かのはずみでキャリーバッグから飛び出しても安心です。首輪は抜けてしまう恐れがあります。
ルミキャットハーネスQ
出典:Peppy
移動は車が便利
途中で休憩を入れられること、老猫のペースに合わせられることからも車での移動は便利です。乗り物酔いが心配な場合は、動物病院で相談してお薬をもらってもいいでしょう。クレートやキャリーバッグに入れて、シートベルトで固定します。
外の景色は見せない方が、落ち着くことが多いようです。車内が暑すぎないように温度には十分注意してください。車に乗る直前はフードを食べさせないでおきましょう。
電車の場合
多くの鉄道会社では猫は手回り品として扱われるので、別途料金がかかります。無料の場合もありますが、事前に問い合わせておきましょう。
電車の場合もクレートやキャリーバッグに入れて移動します。ハーネスをつけ、飛び出し防止をしておくと安心です。布をかけて外が見えないようにする方が猫は落ち着きます。
飛行機の場合は航空会社に確認
飛行機での移動の場合は、各航空会社にしっかり確認しておきます。老猫の体調などを獣医師に相談することをおすすめします。
引っ越し先でも慎重に
引っ越し先では、すべて荷物を入れて整えてから新居に猫を入れます。バタバタしていて、脱走されないように十分注意してください。
家具の配置をなるべく再現
猫が旧居で過ごしていた部屋をなるべく再現すると、ストレスがあまりかかりません。間取りや部屋の大きさでは難しいかもしれませんが、家具の配置もなるべく再現しましょう。
猫に新居の匂いを嗅がせる
猫には好きなだけ部屋の匂いを嗅がせて、自分の匂いもつけさせてあげましょう。猫を落ち着かせるフェロモン剤を獣医師に処方してもらって、あらかじめスプレーしておくのもいい方法です。
外に出さない
たとえ老猫が散歩に出たがっても絶対に外に出さないでください。見知らぬ土地で迷子になる可能性が高いです。土地の猫に追い払われて、帰れなくなってしまうかもしれません。迷子札をつけておくと安心です。
食欲不振のときは動物病院へ
引っ越してしばらくは、老猫の様子をよく観察します。引っ越しによる環境の変化で、過食や食欲低下などがみられることもあります。
もし体調不良や食欲不振が見られたら、早めに動物病院を受診してください。
まとめ:老猫との引っ越しは慎重に!
引っ越しは老猫にとって、大きなストレスになりやすいもの。負担にならないようにあらかじめしっかり準備をしておきましょう。トイレなど、家具や猫グッズは新調せず、今まで使っていたものを持っていきます。
車や電車で移動する場合は、移動用のクレートやキャリーバッグを用意し、普段から慣れさせておくと安心です。引っ越し先では、なるべく老猫が過ごした部屋を再現してあげましょう。引っ越し中や移動中、引っ越し先での脱走には十分注意してください。