老犬にスープを作る!そのメリットと注意点・おすすめレシピ3選

犬用スープ

皆さんの愛犬は、今何歳ですか?
犬は犬種や個体差にもよりますが、小型犬の方が大型犬より比較的長生きの傾向にあるそうです。例えばトイプードルなどの小型犬であれば、10歳前後から老犬と呼ばれる部類に入ります。寿命の短いとされているブルドッグや大型犬は6歳程度で老犬となるのです。犬も人間と同じく、老化に合わせて食事に工夫が必要になります。

主な理由は消化器系の衰えがあり、それを踏まえた食事を準備してあげないと、食欲の低下や消化不良、嘔吐などの原因となるからです。では、どのような食事を与えるといいのでしょうか?

そこで、オススメする食事の一つにスープがあります。この記事では、老犬の食欲低下が起こる原因とスープをあげるメリットと注意点、おすすめのスープレシピについて解説します。

老犬がご飯を食べないときに考えられること

老犬を飼っている飼い主さんの多くが悩むことの一つが食事です。
ご飯の量が減った、ご飯を食べなくなったなど、食欲不振の症状で病院を受診する方も多くなっています。食欲不振が起きると栄養バランスが崩れ、健康状態の悪化を引き起こします。

では、実際にはどういった原因で食欲低下が起きているのでしょうか?

加齢による味覚・嗅覚の変化

犬も人間と同様で、食事を食べる上で味覚と嗅覚は大事な感覚です。
これらの感覚が正常に機能することによって、食べ物を美味しく食べることができます。老化に伴い、この味覚と嗅覚に変化が起こるのです。

感覚は鈍感になり、味や臭いを正しく感じられないため嗜好に合わなくなり、結果的に食欲が低下します。

歯周病や歯の異常の疑い

犬も歳を取ると歯周病リスクや歯に異常が起こりやすくなります。歯周病や歯が抜け落ちることで、食事の際に歯の痛みや食べこぼしなどが起きてしまいます。

また、歯の弱りや顎の弱りによって、硬い食べ物を噛み砕くことができなくなるのも食欲低下につながるのです。

代謝の低下による食欲不振

人間も犬も同様に代謝によって、エネルギーを消化していきます。老化に伴い、内臓の機能が落ちることでその代謝機能が低下してしまいます。

結果、食事によって内臓へ負担をかけることになり、食欲が落ちることが考えられるのです。

病気による食欲の低下

老化に伴ってさまざまな病気のリスクが高まります。特に消化器系の病気や運動器系に何らかの疾患・異常が発症すると、食欲が低下しやすくなります。

また、認知症などの脳の疾患に伴い、食事を理解できなくなるといった症状も現れるので注意が必要です。

スープをあげるメリットと注意点

キッチンにいるラブラドール

では、老犬となり食欲が低下した愛犬には、どのような食事を与えると良いのでしょうか?

ここでは老犬の食事としてスープを与えるメリットと注意点を解説します。

メリット1:栄養分と水分の両方が取れる!

メリットの一つが、栄養分と水分が両方とも一度の食事で取れるという点です。老犬は食事量と共に水分の摂取量も減っていきます。水分量が足りないと、脱水や熱中症といった症状を引き起こすことも少なくありません。

そのため、少ない摂取量で十分な栄養と水分を与える方法として、食事をスープにすることは有効な方法といえるでしょう。

メリット:老犬でも食べやすい!

老犬は先述した通り、歯や顎が弱ってしまうと今まで通りのフードでは、噛んだり飲み込んだりすることが難しくなっていきます。

しかし、スープは柔らかく水分量も多いため、噛んだり飲み込んだりが簡単に行え、老犬でも食べやすいのです。

メリット:栄養価の高い食材で作れる!

食事量が減ってしまうと、一般的なフードだと必要な栄養量を確保できないという問題が上がります。手作りスープなら、栄養価の高い食材を使って作ってあげられます。

そうすると、食事量が低下している老犬でも、必要な栄養量を少ない食事量で確保することも可能です。

メリット:無添加のものをあげられる!

栄養価の高い食材で、愛犬の食事を作れるというメリットを先述しました。それと同様に、無添加の食材を使用することで、食事を無添加で安全なものにしてあげることができます。健康を考えると添加物の多いフードより、無添加で安心できるフードを与えたいと考える方が多いのです。

その点、手作りスープは老犬でも食べやすく、安心・安全な食事として注目されています。

注意点:犬に与えてはいけないものをチェック

犬には、人間なら食べても問題ない食材でも、からだに何らかの問題を引き起こしてしまう食材があります。
そのため、愛犬に手作りの食事を与える際には注意が必要です。具体的に注意する食材は以下のものがあります。

■ネギ類
スープを作るときに、よく使われがちな食材としてネギ類が挙げられます。長ネギや玉ネギは血液中の赤血球を壊す成分が入っているため、犬に与えてはいけません。

■スパイス
風味付けに使われる香辛料もNGです。コショウやワサビ・唐辛子などの刺激物は胃腸を刺激し、下痢を起こしたり、感覚マヒを引き起こしたりする危険性があります。

■乳製品
乳製品は消化に悪く、下痢や嘔吐の原因となります。犬用ミルクが市販されているので、そちらを使用するようにしましょう。

■生のイカや甲殻類・貝類
次に生の甲殻類や生のイカ、生の貝類、特定の貝類です。これらは、ビタミンB1欠乏症や消化不良の原因となります。また、ツブ貝や赤貝、アワビ、トリ貝などは毒性があったり、中毒症状を引き起こしたりする可能性があります。特に、貝の種類には注意が必要です。

■鳥の骨
鳥の骨は割れた際に尖ってしまい、消化管を傷つけることがあります。

■生卵
生卵はアビシンという酵素が、成長不良を引き起こすといわれています。

■生野菜
犬は生野菜をほとんど消化できないため、消化不良や嘔吐を引き起こします。

こうしてみると、意外と犬に与えて行けない食材が多いです。こういった食材は手作りフードを作る際、使用しないように注意しましょう。

老犬におすすめのスープレシピ3選

スープを作るママ

老犬にスープを与えるメリットは理解できたけど、どんなスープを与えればいいかの解らない方も多いかもしれません。では、実際に愛犬にオススメできるスープのレシピを3つほど紹介します。

アサリとシラスのスープパスタ

アサリには肝臓の機能を回復する、タウリンが豊富に含まれています。またタウリンを摂取することでコレステロール値を低下させる効果も期待できます。次に、ビタミンB12が含まれており貧血にも効果的です。その他にも抗酸化作用もあります。

次にシラスにはカルシウムやリンが豊富に含まれており、骨や歯を丈夫にする効果や神経や筋肉の活動を円滑にする効果も期待できます。

■作り方

01:パスタを半分に折り、湯がきます

02:水を沸かし、アサリをボイルします

03:アサリの殻をはずします(写真用に殻がついています)

04:アサリの茹で汁にホールトマトを入れ煮込みます

05:湯がいたパスタを4に入れ、煮ます

06:シラスを入れて、軽く煮れば完成

INUGOHAN:アサリとシラスのスープパスタ

このレシピの注意点は、アサリをしっかり加熱して殻を外すこと。シラスは塩分の含まれていない、無加工のものを使用することです。

枝豆とオクラのスープ

オクラにはペクチンと呼ばれる整腸作用を持った成分や塩分の排出を促し、血圧を維持してくれたり、水分量を調整してくれたりするカリウムが豊富に含まれています。

次に枝豆にはビタミンCが豊富に含まれており、老化防止に効果がある抗酸化作用が期待可能です。ビタミンKも含まれているため、骨からカルシウムが溶け出すのを予防する効果があります。

■作り方

1 下準備(茹でる)
1.枝豆を茹でて鞘から出しておく
2.鍋に分量の水とささみを入れて茹でる 茹で汁をとっておく

2 下準備(切る)
1.白菜、オクラを小さく刻む
2.しょうがはすりおろしておく

3 煮る
1.下準備でとっておいたささみの茹で汁を鍋に入れる
2.白菜、枝豆、オクラを1の鍋に入れて煮る

4 ペースト状にする
1.野菜が煮えたら火を止める
2.あら熱がとれたらブレンダーやミキサーなどでスープ状にする
3.器に2のスープを入れ、食べやすい大きさにしたささみと茹であずきを入れたら出来上がり
※パセリがあれば刻んで散らすと良いでしょう

GREEN DOG:枝豆とオクラのスープ

このレシピの注意点として、具材の加熱としっかりペースト状にしてから与えましょう。

牡蠣のチャウダー

牡蠣には亜鉛やビタミンB12などの栄養が豊富であり、貧血や皮膚病の予防に効果があります。また、タウリンと呼ばれるアミノ酸が含まれており、老化に伴い体内生成の下がったタウリンの補充が行えることで、動脈効果や視力の低下を予防することができます。

■作り方

1 切る
牡蠣、カボチャ、ほうれん草、しめじを一口大に切る。ジャガイモはすりおろす。

2 煮る
鍋にオイルを熱し、カボチャとしめじを炒め、ジャガイモ、水を加えて5分ほど煮る。

3 混ぜる
②に牡蠣を加えて2~3分煮、ほうれん草とヤギミルクを混ぜる。

GREEN DOG:牡蠣のチャウダー

※ヤギミルクの代わりに、犬用ミルクを使用しても良いでしょう。

このレシピの注意点は十分な加熱が必要なことです。特に牡蠣には生で食べると、チアミン欠乏症を引き起こす可能性があるため注意しましょう。

まとめ:トッピングなどで変化をつけてみよう

食欲が低下した老犬に、飼い主さんが作った愛情たっぷりのスープを食べさせてみてあげてください。それだけで、必要な栄養を取ることができたり、老化に伴う病気の予防にもつながったりします。

もし、フードを与えていくうちに食欲がなくなってきたら、食材を工夫したり、何らかのトッピングをしたりするなどで変化をつけてみてください。それだけで食欲が戻ることもあります。

また、急な食欲低下は病気によるものも考えられるので、動物病院で専門家である獣医師に相談してください。

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ABOUTこの記事をかいた人

ふぁみまる編集部

今まで犬を始め、フェレット・ハムスター・カメ・インコなどさまざまなペットを飼育してきました。現在は、ジャックラッセルテリアと雑種の2匹を可愛がっています。趣味は愛犬たちとの旅行です。 このメディアでは、多くの飼い主の方々の不安や疑問・困っていることを一緒に解決していきたいと考えています。