老犬の息が荒い!まずとるべき対応と原因について

人間だけではなく、犬や猫など多くの生物が生命を維持するために欠かせない機能の1つが「呼吸」です。その呼吸が異常をきたしている場合には、特別な注意が必要であり、ときにはわずかな治療の遅れが生死をわけることもあります。

この記事では、老犬の「息が荒い」という症状について対応や原因を解説します。

老犬の息が荒い?具体的な症状について

ひとことで「息が荒い」といっても、専門的に見ればさらに細かな分類にわけられます。それによって検査や治療方針が変わることが多いために、まずは獣医師に診てもらうことが大切です。ここでは、大まかな分類をご紹介します。

呼吸の回数が多い(呼吸が速い)

「息が荒いな」と感じた時には、1分間の呼吸の回数を数えてみましょう。「吸って吐いて」の1セットを1回とカウントし、1分間の呼吸回数が40回以上であれば明らかな異常と判断できます。ただし運動後や興奮時に呼吸回数が増えるのは自然なことです。じっとしているときや眠っているときなどの安静時に測定することが重要です。

呼吸が苦しそう

回数は多くなくても、呼吸が異常に深かったり逆に浅かったりする場合には病的といえるでしょう。特に腹式呼吸は明らかな異常のサインです。また呼吸の深さだけではなく、音にも注目してみましょう。ヒューヒューやガーガーといった異常な呼吸の音が聴こえる場合があります。

老犬の息が荒いときの対応

まず大切なことは、「様子をみない」ことです。できる限り早く動物病院へ連れて行くことをおすすめします。呼吸の異常は、治療開始の遅れがそのまま生死をわけることもあります。したがって様子をみるにしても、いちどしっかりと獣医師にみせて「様子見で大丈夫でしょう」という判断をもらってからのほうが安心ですね。

動物病院へ連れて行く際に注意したいこととして、以下の点が挙げられます。

  • 興奮させない
  • 胸やお腹を圧迫しない
  • なるべく涼しく、湿度も低く保ちながら移動させる

これらは呼吸状態をさらに悪化させないように必要なことです。また真夏に空調をつけていなかったなどで熱中症が強く疑われる状況であれば、応急処置として犬のからだを室温の水でびしょびしょに濡らしてから移動を始めるようにしましょう。

このとき、氷水を使うと体表面の血管が収縮して逆に熱がからだの内部にこもってしまう可能性があるため「室温の水」をかけることが大切です。

考えられる主な原因

呼吸の異常はさまざまな原因によって引き起こされます。獣医師は聴診や視診などの身体検査で大まかに原因の予測をつけて、その後の検査や治療の方針を立てていきます。

のど(咽喉部)の異常

「のど」はいわば「気管の入り口」であり、そこに異常が生じて空気をうまく吸い込めなくなることがあります。特にパグやフレンチ・ブルドッグに代表される短頭種で多く発生します。これらの犬種では先天的に軟口蓋と呼ばれる部位の構造異常などを持っていることが多く、それが加齢に伴って進行していくことがあります。のどの異常を疑った場合には、X線検査や内視鏡を用いた検査を行います。

気管の異常

気管の一部が異常に狭くなっているなどで空気をうまく吸えない、あるいは吐き出せないことがあります。特に超小型犬種では気管虚脱という先天的な病気が問題となることが多いです。この病気は進行性であり、加齢に伴って症状を生むようになることも少なくありません。

他に、いわゆる喘息や気管支炎などによる気管狭窄が問題となることもあります。気管の異常を疑った場合にはX線検査が主に選択されます。

胸腔内の異常

胸腔とは、わかりやすくいえば肋骨に囲まれて心臓や肺が収納されている空間のことです。この空間内に異常が生じて、肺や心臓の機能、特に拡張が制限されることがあります。その異常として代表的なものが、血液や漿液などの液体成分がたまる胸水貯留や、腫瘍があります。

他に気胸や横隔膜ヘルニアといった病気もあります。胸腔内の異常を疑った場合、X線検査や超音波検査を行うほか、補助的に血液検査を行うこともあります。

肺の異常

吸い込んだ空気から酸素を取り込み、不要な二酸化炭素を排出する重要な機能を担っているのが肺です。肺に異常が生じて、その機能が果たせなくなると「息が荒い」という症状が出てきます。肺の異常で代表的なものは、肺水腫と肺炎です。特に肺水腫はその大半が心臓病によって引き起こされます。

心臓病を抱えている犬の飼い主は呼吸の状態をよく観察してあげましょう。肺の異常を疑った場合にはX線検査や超音波検査を行いつつ、あわせて血液検査も行うことが多いです。

血液の異常

呼吸の働きの1つに、血液中の二酸化炭素を排出するというものがあります。より多くの二酸化炭素を排出しようとすると、からだは呼吸の回数を増やそうとします。熱中症、嘔吐や下痢による大量の体液喪失などで電解質のバランスが崩れるなどすると、血液中の二酸化炭素をより多く排出しようとして呼吸が荒くなることがあります。

その他

これまでに述べてきた原因以外にも呼吸に影響を及ぼしうるものは数多くあります。腹水や肝臓腫瘍、胃の異常な拡張などによって横隔膜の動きが制限されれば呼吸は浅く速くなります。また痛みや外傷(肋骨骨折など)によっても息が荒いという症状がでることもあります。

まとめ

「呼吸」という営みは生命維持の根幹です。そこに異常をきたしている場合には、緊急度が高く命に関わることが多くあります。原因は多種多様であり、自宅で判断することは困難です。受診・治療の遅れが生死をわけることも少なくありませんので、なるべく早く動物病院を受診するようにしましょう。

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今まで犬を始め、フェレット・ハムスター・カメ・インコなどさまざまなペットを飼育してきました。現在は、ジャックラッセルテリアと雑種の2匹を可愛がっています。趣味は愛犬たちとの旅行です。 このメディアでは、多くの飼い主の方々の不安や疑問・困っていることを一緒に解決していきたいと考えています。