老犬の水を飲む量が多い!?考えられる原因と対策!

犬の排尿と飲水の量は、健康状態を測る重要な指標の1つです。もちろん気温や湿度の変化によっても多少は量の増減がありますが、変化があまりに大きい場合や、季節をまたぐような場合には何らかの異常なサインであることもあります。この記事では、老犬の水を飲む量が多いことに気づいた飼い主に向けて情報をまとめています。

犬は1日にどれくらい水を飲む?

「水を飲む量が多い」とはいっても、具体的にはどれくらいからが「異常」なのでしょうか。諸説ありますが、1つの目安として体重 1kgあたり 100ml以上を1日で飲むようであれば明らかな異常とされています(体重5kgなら500ml以上、体重10kgなら1,000ml以上を1日で飲むと異常)。逆に体重1kgあたり50ml以下しか飲まないようであれば、少なすぎるかもしれません。

犬が水を飲みすぎているかどうか(あるいは、飲まなさすぎているかどうか)は動物病院で尿検査を行なって「尿比重」という項目を調べてもらうと、目安をつけることができます。迷ってしまう場合には、新鮮な尿を持って動物病院に相談にいくのがおすすめです。

老犬が異常に水を飲む原因!主な3つを解説!

それでは実際に水を飲む量が多かったとして、どんな原因が考えられるのでしょうか。老犬に多い原因は主に3つあげられます。

慢性腎臓病

腎臓は、よく知られた「ろ過」機能の他にも実はさまざまな役割を担っています。そのうちの1つが「尿を濃縮する(からだに必要な水分を再吸収する)」役割です。腎臓の機能が低下すると、尿を濃縮することができなくなり、薄い水に近いような尿しか出せないようになります。

つまり、からだに必要な水分までも尿として排泄されてしまうようになります。その結果、喉が渇きやすくなり水を飲む量が増えます。

老犬に多いのは、徐々に腎臓の機能が低下していく「慢性腎臓病」という病気です。早期発見・早期治療開始が大切な病気です。7歳を超えた犬は半年に1回程度は健康診断をうけて、こういった病気を早めに見つけられるよう努めていくことをおすすめします。

糖尿病

糖尿病を発症すると、腎臓機能が正常だったとしても尿を濃縮することができなくなり、薄い尿を大量にするようになります。つまり、慢性腎臓病のケースと同じようにからだに必要な水分まで尿として排泄されてしまう結果、水を飲む量が増えます。

子宮蓄膿症

子宮蓄膿症は、子宮内に細菌感染が発生して、子宮内に大量の膿が貯留する病気です。避妊手術をしていない雌の老犬に多く発症し、特に発情期間が終わった直後に多くみられます。子宮蓄膿症は発見が遅れてしまうと命を落とす危険性もある病気です。

元気食欲低下のほか、水をたくさん飲んで、尿をたくさん排泄するようになるという症状がよく知られています(なぜなのかはまだ明らかにされていません)。

老犬が異常に水を飲んでいるときの対応!

老犬の飲水量が異常に多いことに気づいた時にとるべき対応についてまとめています。ときには子宮蓄膿症のように緊急性が高い状態が隠れていることもありますので、ぜひ適切な対応をとるための参考にしてみてください。

犬の様子をよく観察する

元気食欲、嘔吐や下痢、血尿頻尿など他の症状の有無がないかをまず観察してみましょう。未避妊の雌では外陰部からの排膿や出血がないかも併せて観察することがすすめられます。何らかの異常があれば、できるだけ早めに動物病院へ相談するようにしましょう。

1日あたりの飲水量を正確に測る

正確な飲水量を測ることは、病的なのかどうかの目安をつけるのに役立ちます。簡易的には、朝に補充した水の量と、夜に残っている水の量の差を測ればよいでしょう。ただし、この方法ですと蒸発によって減った水の量まで飲水量とみなしてしまうのでやや不正確ではあります。

より正確に測るには、飲み水を入れているお皿と似た形・大きさのお皿を、同じ部屋にもうひとつ置いておきましょう。そちらは犬が水を飲めないようにしておきます。そうして1日置いたときに蒸発によって減る水の量を同時に測って計算に含めると、より正確に飲水量を求めることができます。

動物病院で尿検査をしてもらう

犬が異常に水を飲む時、ほとんどのケースで尿が異常に薄くなります。病気かどうか心配な時は、動物病院で尿検査をしてもらい、尿の薄さを客観的な数字として調べてもらうのがおすすめです。

尿検査を希望し、自宅で採尿した尿を持参するときにはなるべく新鮮な尿を持参するようにしましょう。やむなく新鮮な尿を持参できないときには、冷蔵庫で保管するようにすると検査数値の誤差を軽減することができます。ただし冷蔵庫で保管するにしても半日以内には動物病院に持参するのが理想です。

まとめ

水を異常に飲む、という症状には老犬に多いさまざまな病気が隠れている可能性があります。一方で、家族からはあまり重く捉えられず、見逃されてしまいがちな症状ともいえます。水をたくさん飲むという症状を気温や湿度の影響だと思い込まずに、よく様子を観察しましょう。できれば動物病院へいちど相談すると安心ですね。

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ABOUTこの記事をかいた人

ふぁみまる編集部

今まで犬を始め、フェレット・ハムスター・カメ・インコなどさまざまなペットを飼育してきました。現在は、ジャックラッセルテリアと雑種の2匹を可愛がっています。趣味は愛犬たちとの旅行です。 このメディアでは、多くの飼い主の方々の不安や疑問・困っていることを一緒に解決していきたいと考えています。