愛犬が家具や壁にぶつかることが増えると、飼い主さんはケガをしないか心配になり目が離せなくなってしまうかもしれません。老犬になると、つい「年を取ったから」と思いがちですが、目が見えづらくなっている、認知症になっている、関節に疾患があるなどが隠されていることもあります。
まずは動物病院を受診して、老犬に病気がないか調べてもらいましょう。病気があればケアをし、ケガ予防のためにもぶつかり防止対策を行うことが大切です。
目次
ぶつかるようになったら動物病院を受診
犬が家具や壁にぶつかる、ぶつかっても後退できない、家具の間やドアの裏側に入ってしまうなどが見られるようになったら、必ず動物病院を受診しましょう。単なる老化と決めつけないことが肝心です。
認知症による徘徊
老犬が家具や壁にぶつかる原因によくみられるのが、認知症による徘徊です。原因となるものはさまざまですが、ぐるぐると円を描くように歩き回ったり、とくに目的もなく徘徊したりする症状が出ることがあります。
家具の間にはまってしまうと後退できないので、自力では出て来られないこともあり目が離せません。
目の病気
白内障や緑内障が進行して、視力が低下することも原因となります。周囲がぼんやりとしか見えないため、家具や壁にぶつかるようになってしまいます。目が飛び出ているタイプの老犬はとくに目のケガが心配です。
関節の異常
足腰の関節に異常があるため、踏ん張ることができません。そのため床で滑ったり、しっかり立っていられなくなったり家具や壁など周囲にぶつかりやすくなります。
ケガ予防のためにぶつかり防止を
家具や壁にぶつかるようになったら、すぐにぶつかり防止をしましょう。ケガの予防になり、家具のすき間に入り込んで出られなくなるというトラブル予防につながります。ただし大幅な模様替えは、記憶を頼りに歩く犬が困惑してしまうので、やらないでください。
床を滑りにくくする
フローリングは老犬が滑りやすく危険です。ご自宅がフローリングの場合は、マットを敷いてあげましょう。クッション性のあるマットなら転んでもダメージを減らすことができます。タイルタイプのマットなら、汚れたところだけ取り外して洗えるのでおすすめです。
家具にクッションを当てる
ぶつかってもケガをしないよう、家具にはクッションを当てておきます。クッションはホームセンターで売っているプチプチや、お風呂マットが便利です。とくに角の部分は危ないので、しっかり覆っておきましょう。お風呂マットには排水のために穴が開いていることが多く、紐を通してマット同士を繋ぐこともできます。
サークルなどで囲う
サークルで囲い、その中に犬を入れる方法もあります。段差のある家や、家具が多いお宅ではとてもおすすめです。仕事をしている飼い主さんも安心してお出かけができます。また、クッション性のある老犬用サークルも販売されています。普通のサークルには、内側にクッションを付けてあげましょう。
小型犬なら人間の子ども用ビニールプールでも代用できます。周囲を膨らませるタイプのプールを選ぶといいでしょう。
ハーネスを使う
視力が低下した犬専用のハーネスもあります。前方にフェイスガードが付いているので、万が一家具や壁にぶつかっても顔をケガする心配がありません。
ぶつかり防止のための徘徊対策
とくに目的もなく歩き回ってしまう老犬がいるのをご存じですか?生活環境の対策だけでなく、散歩やマッサージなどで刺激をすることが、徘徊予防につながります。犬とのコミュニケーションのためにも、是非チャレンジしてみてください。
散歩で刺激する
散歩は犬にとって、ストレス解消になります。例え目が見えなくても、外の匂いや他の犬の匂いを嗅がせて刺激してあげましょう。自力で歩ける老犬は、ペースを合わせてゆっくり散歩をします。歩けない犬はカートに乗せたり、抱っこしたりして外の空気を吸わせてあげましょう。
老犬の歩行補助については、こちらの記事でも紹介しています。
【老犬の歩行補助で快適お散歩】歩きたい気持ちをサポート
マッサージも効果的
パートナーである飼い主さんのマッサージは、犬の心とからだに非常に効果的です。血行が良くなるだけでなく、肌に触れることで不安感も解消できます。
犬の不安感を解消できると、無目的な徘徊も減らせるようになります。ストレス解消にもなるので、やさしく声をかけながらマッサージしてあげるといいでしょう。
老犬のマッサージについては、こちらの記事でも紹介しています。
老犬へのマッサージはメリットがたくさん!寝たきりの子にも
まとめ:老犬にはぶつかり防止をして安全に暮らそう!
老犬が家具や壁にぶつかるようになったら、まずは動物病院を受診して病気がないかチェックします。そして家の中は老犬がケガをしないよう、ぶつかり防止をしてください。
ぶつかり防止は家具にクッションを当てる、サークルに入れるなどの対策方法があります。目の見えなくなった老犬には、専用のハーネスもおすすめです。
大幅な模様替えは老犬が混乱するので、決してやらないでください。ぶつかり防止をして老犬が安全に暮らせるようにしましょう。