老犬になったら、食器を見直してあげましょう。成犬のころから使っていた食器では、食べにくくなっているかもしれません。
老犬になると、筋力が低下して首を下げて食べるのが辛く、足腰の関節にも負担になってしまいます。
「食べこぼしが多い」「うまく食べられない」「食欲がない」と思っていたら、実は食器が合っていなかったということもあるほどです。
この記事では、老犬の食器を変えた方がいい理由と、老犬に合った食器の選び方を解説します。
目次
老犬の食器を見直す理由
老犬のさまざまな衰えを知ることで、食器を見直す理由がわかります。
下を向いて食べるのは老犬の首に負担!
今までは床に食器を置いて、食べさせていたかもしれません。自力で食べられる子は、おすわりをしながら何とか食べていたでしょう。しかし首の筋力が低下してきた老犬にとって、下を向き続けて食べることは苦痛であり、足腰の関節にも負担です。そのため途中で食事をやめてしまうこともあります。
飲みこむ力が衰えてくる
老犬になると目立ってくるのは、飲み込む力の衰えです。とくに首が下を向いていると口が食道よりも下になってしまうため、食べものや水がうまく飲み込めません。そのため誤嚥をする可能性がありそのまま誤嚥性肺炎になることもあるため大変危険です。
老犬の食器を見直すポイントは?
老犬の食器をそろそろ見直した方がいいかな?というサインがあります。飼い主さんが早く気付いてあげることが大切です。
まずは老犬の食事の様子を観察
食事を与えたらすぐにその場を離れるのではなく、食べている様子をよく観察しましょう。食べづらそうにしていないか、途中で食べるのをやめていないか注意深く観察します。老犬の食事の様子を確認することは、誤嚥などのトラブル予防にもなるので、大変おすすめです。
首の上げ下げが辛そう
食べたそうにしているのに途中で食べるのをやめてしまう場合は、首の上げ下げが辛く足腰の関節に負担がかかっているのかもしれません。フードを老犬の口まで持っていて与えてみましょう。よく食べる場合は、首の上げ下げが辛い可能性が高くなります。
やたらとこぼす、むせる
フードを食べこぼしたり、途中でむせたりする場合は、老犬の飲み込む力が衰えてきているサインです。誤嚥の危険性が高くなります。早めに食べやすい食器を用意するなどの対応をしましょう。
食事の時間がかかる
今までよりも食事に時間がかかるようになった場合も、食器を見直すサインです。食器、老犬ともに何らかの原因がある可能性があります。お皿の形状がフードをすくいにくい、うまく飲み込めない、食器の位置が低すぎて首が痛いなどさまざまな理由が考えられます。
動物病院を受診する
老犬がフードを残すようになった、食べづらそうにしているという場合は食器を見直すと同時に、必ずかかりつけの動物病院を受診しましょう。歯周病、口内炎など食べづらさや食欲不振を招く病気が隠れている可能性もあります。
老犬が食べやすい食器とは
老犬には高さのある食器や、斜めになった食器を選んであげましょう。介護が必要になったら、飼い主の使いやすい食器を用意します。
高さのある食器
老犬が立ったり座ったりした状態のまま自力で食べられる場合は、犬の口の高さに合った食器が食べやすいといえるでしょう。犬用介護用品では、台や足がついたさまざま食器が販売されています。または今までの食器の下に、家にある台を置いてあげるのもよい方法です。老犬が無理をしないで食べられる高さに調節してあげましょう。
食べているときにふらつく場合は、飼い主さんが支えてあげるといいです。立てなくなったら、フセの状態で食べられるように調節してあげましょう。横に寝転ぶと、飲み込みづらくなるので気を付けてください。
また、この場合の犬は、水も飲みにくくなっていることがほとんどです。そんなときは高さを調整できる、このタイプの水飲み用の食器がおすすめです。
出典: PEPPY
角度のある食器
お皿に角度のある食器もおすすめです。お皿の中が手前に低くなっているとフードが集まるので、舌ですくいやすくなります。食器の下に台を置いて、斜めになるように調節してもいいでしょう。
角度を付けられるタイプだったら、こちらのものをおすすめします。
出典: PEPPY
飼い主が持ちやすい食器
老犬に介護が必要になったら、飼い主が持ちやすく扱いやすい食器を用意しましょう。シリコンでできたボウルタイプの食器は、食べさせやすい形に握ることができるということがメリットです。片手で扱えるので、もう一方の手で老犬のからだを支えることができます。取っ手が付いているタイプも飼い主が持ちやすく、老犬も食べやすい食器です。
寝たきりになった犬には、持ちやすいシリコンでできたこちらの食器がおすすめ。片手でも十分に支えられます。
出典: PEPPY
まとめ:老犬が食べやすい食器を選ぼう
老犬の状況に合わせた食器を選んであげましょう。まずは老犬の食事の様子を観察してください。食べにくそうにしていたり、残すようになったりしたら見直すサインです。下を向くのが辛くないように、高さのある食器やフードが舌ですくいやすい角度のある食器を選ぶといいでしょう。
介護が必要になったら、飼い主が扱いやすい食器を選びます。背後に歯周病など病気が隠れていることもあるので、かかりつけの動物病院の受診も忘れないようにしてください。