犬も年齢を重ねるにつれて若い頃よりも運動量が落ち、寝ている時間が増えてくるもの。老犬が快適に暮らすためにもベッドはこだわって選びたいですね。この記事では、高反発ベッドと低反発ベッドのメリット・デメリット、老犬のベッドを選ぶ際のポイントについて解説します。
目次
老犬のベッド選びはとても大切!
犬は10歳(大型犬は7歳)を超えてくると身体の変化が早くなる(老化が顕著に現れだす)のが一般的です。老犬になればなるほど、そのときどきの体調に合わせたベッドを選んであげることが大切になります。そのため、ふだんから愛犬の様子をよく観察してあげることが、適切なベッドを選ぶための第一歩です。
特に家族が仕事などで留守にしている間の愛犬の様子は、webカメラなどを導入していないと把握しづらいものです。是非、人がいない間の様子にも気を配ってあげましょう。
また、犬が病気などで歩けなくなり、寝たきりとなってしまった時には、ベッド選びがより重要になります。寝たきりの場合には、床ずれを防止してあげることが犬の生活の質に大きく影響します。床ずれは身体の一部に自分の体重が継続してかかることによって起きるため、体圧を分散してあげることで防止できます。体圧分散機能を持つベッドかどうかは、重要な基準となるでしょう。
床ずれの予防法や治療法はこちらをご覧ください。
高反発ベッドと低反発ベッドはなにが違うの?
ベッドを選ぶ時に、最も目につくのが「高反発」や「低反発」という言葉ではないでしょうか。それぞれの一般的なメリット・デメリットを紹介します。
高反発べッド
メリット
高反発ベッドでは体が沈み込みすぎないために、犬が楽に寝返りをうちやすくなります。そのため、筋力の低下などで体の自由が効きづらい犬に適しています。また、高反発ベッドによく使われている素材は通気性がよく、丸洗いできるものが多いため衛生的に扱いやすいでしょう。
デメリット
低反発ベッドと比べて寝心地が落ちてしまうことが多いため、それを好まない犬もいます。また、使われている素材によっては、音が鳴る製品もあり音に敏感な性格の場合は注意が必要です。
低反発ベッド
メリット
高反発ベッドと比べ、柔らかく寝心地がいい製品が多いです。また体が沈み込み、ベッドに包まれるような形になるため、ある程度の保温性があります。
デメリット
体が包みこまれるため、蒸れやすくなります。他には汚れたときに洗いづらい素材であることも多いです。
以上が一般的にいわれているメリット・デメリットです。ただし、最近では高反発と低反発の2層を組み合わせたり、特殊な素材を使ったりすることでデメリットをカバーしているような製品も出てきています。商品のメーカーに問い合わせして確認できると安心ですね。
老犬のベッド選びのポイント
次に、ベッドを選ぶ際の具体的なポイントを機能面から紹介していきます。
ベッドの厚み・サイズ
愛犬の体重を支えられる厚みがあり、愛犬の体が丸ごとおさまるサイズが理想的です。その上で、触った感触や沈み込み方など寝心地に配慮できるとよいでしょう。
ベッドの洗いやすさ
年齢を重ねてくると、排泄の失敗や、無意識の尿漏れなどでベッドが汚れてしまうことも増えがちです。そのようなとき、自宅で簡単に洗える素材であれば安心です。洗いづらい素材の場合は防水シーツを併用するのもよいでしょう。
通気性
体温調節が苦手な短頭種の場合には、蒸れると熱中症のリスクが高まってしまいます。もともと皮膚病を持っている犬の場合には、それが悪化するリスクもあります。なるべく通気性が良いベッドを選べると良いですね。
体圧分散機能
からだの自由が効かない犬の場合は、体圧分散機能の有無も大切なポイントです。床ずれ防止のために、必ず体圧分散機能があるベッドを選ぶようにしましょう(ただし、体圧分散機能があったとしても、定期的に寝返りをうたせるなどの処置は必要です)。
【老犬のベッド】使い方の注意点
適切なベッドを選べたら、適切な使い方で愛犬の暮らしの質を高めてあげましょう。
置き場所
風通しがよく、温湿度が適切な場所においてあげると心地よく過ごすことができます。老犬は環境の変化への適応力が低下していることも多いため、ベッドの場所はコロコロと変えないことも大切です。また、犬の性格にもよりますが、年齢を重ねると寂しがり・甘えん坊になる傾向があります。家族の気配を感じられる場所にベッドがあることも大事な要素となるでしょう。
トイレ
トイレの失敗対策も必要です。ベッドと同じ部屋にトイレがあると、間に合わず排泄失敗してしまうことが少なくなると言われています。尿漏れがある場合は、マナーパンツやペットシートの併用がおすすめです。
体温調節
ベッドを変えた時、特に低反発ベッドにしたときは、体温が上がり過ぎていないか観察してあげるようにしましょう。安静にしているのに、パンティング※1している場合には注意が必要です。室温を下げて、パンティングがおさまるかどうか観察してあげましょう。
※1パンティング・・・口を大きく開き、いつもより浅く速く呼吸すること
まとめ
ベッド選びについて、老犬に適したベッドは絶対にこれ!という唯一の正解はないため、愛犬の体調に合わせて選んであげることが大切です。また、愛犬の体調の変化に合わせて、ベッドも定期的に見直すようにできると理想的です。是非、この記事で紹介したポイントを参考にしてベッドを選んでみてくださいね。