老犬が下痢になる原因とその対策とは?急性・慢性の違いを知ろう

老犬が下痢をしてしまい、原因も対策もわからないままだと、どうしても不安になってしまいますね。この記事では老犬が下痢をしてしまって困っている飼い主に向けて、代表的な原因と対策をまとめています。

下痢は大きく2種類!

下痢は発症してからどれくらいの時間が経過しているかによって、大きく2種類にわけられています。

急性下痢

発症してから2週間以内の下痢を「急性下痢」と呼びます。その多くは特に治療せずとも自然回復しますが、まれに重症化するものもあります。動物病院を受診することがすすめられるタイミングに関して、後ほど紹介します。受診するか、様子をみるかの参考にしてみてくださいね。

慢性下痢

2週間以上継続する下痢を「慢性下痢」と呼びます。慢性下痢は明らかに病的であり、それ以上様子をみたとしても、自然回復する可能性は低いといえます。なるべく早く、獣医師の診察を受けるようにしましょう。

老犬が下痢をしたときの原因は?

下痢となる原因は、とても幅広くなります。ここでは代表的なもの、重要なものに的を絞って紹介します。

急性下痢の原因

・いわゆるお腹の風邪丨
特定できる原因なく、下痢をすることがあります。免疫力が低下していたり、気温差が激しかったりする時期に起こりやすいと考えられています。人が体調を崩しやすい時期には、犬も体調を崩しやすいといえるかもしれません。

・消化不良丨
老犬は消化機能が衰えていることが多くあります。特に脂質の過剰摂取には注意が必要です。若い頃は平気だった食事で、下痢をしてしまうこともあります。

・急性膵炎丨
激しい下痢や嘔吐、腹痛などが主な症状です。重症化すると死亡することもあり、早急な診断と治療が求められる病気です。急性膵炎が発症するメカニズムは解明されていませんが、脂質の過剰などがリスクとなりうると考えられています。

・アレルギー丨
ワクチン接種の直後、投薬がきっかけとなって起きることがあります。重症の場合にはアナフィラキシー・ショックとなることがあり、生命に危険がおよびます。スズメバチに刺されたのと同じ状態といえ、緊急治療が必要です。多くはきっかけとなるイベントから30分以内に発症します。心当たりがあるようであれば、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。

・毒物・異物の誤食丨
誤食の既往歴を持っている犬は、特に注意が必要です。チョコレートや玉ねぎなど人間にとっては意外なものが、犬にとっては有毒であることもあります。犬が下痢をしたときには、誤食の痕跡がないか確認したほうが安心です。

慢性下痢

・食物有害反応丨
食物アレルギーや乳糖不耐症など、食物が原因となって下痢が継続することがあります。下痢の程度はさまざまであり、嘔吐が起きることもあります。

・慢性腎臓病、慢性膵炎、などの内臓の病気丨
年齢を重ねるとさまざまな内臓の病気を発症していることがあり、それにともなって下痢をすることがあります。内臓の病気に伴う下痢は、自然回復することはほとんどなく、慢性下痢の代表的な原因ともいえます。

・腸管の病気丨
慢性腸炎、消化管腫瘍など腸管自体に異常が生じている場合にも、長く続く下痢が起きることが多いです。異常が生じている部位によっては嘔吐や体重減少、食欲不振を伴うこともあります。

老犬が下痢をしたときの対応

下痢は比較的よくみる症状であり、その多くが自然回復するために動物病院を受診するかどうか迷うことも多いかもしれません。この章では、主に動物病院の受診がすすめられるタイミングについて紹介しています。

なお、慢性下痢はすべて動物病院の受診がすすめられます。したがって、この章で解説しているのは基本的には急性下痢についてです。慢性下痢をしめしている場合はなるべく早く動物病院に連れて行ってあげてくださいね。

まずはこれをチェック!

動物病院を受診したほうがいいのか、自然回復するかどうか見きわめるポイントがいくつかあります。愛犬が急性の下痢をしているときは、まず以下のポイントにしぼって観察してみましょう。

  • 元気食欲
  • 下痢の程度丨形はあるのか、泥状か、水に近いか
  • 下血の有無
  • 嘔吐の有無
  • 排尿の有無
  • 毒物・異物を誤食した痕跡はあるか

動物病院を受診すべきタイミング

前述のポイントを観察した上で、以下の点に当てはまるようであれば動物病院を受診することがすすめられます。これ以外にも不安だったり、判断に迷ったりするようであればとりあえずでもいいので獣医師に相談してみましょう。

  • 元気食欲がない
  • 水みたいな下痢をしている
  • 下血や嘔吐を伴っている
  • 排尿が少ないか全く無い
  • 何か誤食したかもしれない

元気食欲がいつも通りで、多少の下痢をしている程度であれば、2、3日間であれば自宅で様子をみることもできるでしょう。ただし、その間に下痢の状態が全く改善しないようであれば動物病院を受診するほうが安心です。既に1週間以上(2週間ではなく)下痢が続いている場合にはなるべく早めに動物病院へ連れて行ってあげるようにしましょう。

まとめ

下痢はよくみる症状であり、自然回復することも多いもの。動物病院に連れて行ったほうがいいかどうか迷いがちですが、油断していると大きな病気が隠れていることもあります。もし迷うくらいであれば連れて行ったほうが安心といえ、そのほうが治りも早いものです。自宅で様子見をするにしても、注意深い観察は欠かさないようにしてあげましょう。既に長いこと下痢が続いているようであれば、その程度などに関わらずなるべく早めに動物病院に連れて行ってあげましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

ふぁみまる編集部

今まで犬を始め、フェレット・ハムスター・カメ・インコなどさまざまなペットを飼育してきました。現在は、ジャックラッセルテリアと雑種の2匹を可愛がっています。趣味は愛犬たちとの旅行です。 このメディアでは、多くの飼い主の方々の不安や疑問・困っていることを一緒に解決していきたいと考えています。