目次
こんな症状はありませんか?
前回はうさぎをお迎えするにあたって基礎知識や、必要なものなどを紹介しました。
今回は気になる症状や、病気ついて紹介いたします。
気になる症状
食欲がない、足をひきずっている、下痢をしている、顔や体が傾いている、毛が薄い、または抜けてしまっている所がある、鼻水を垂らしているなど、少しでも普段と様子が違うようでしたら、すぐに動物病院へ連れて行ってあげましょう。
よくある病気
平均寿命が10歳弱と言われているうさぎは、5歳前くらいから病気にかかりやすくなってきます。
また、年齢に関係なくかかる病気もあります。
不正咬合
不正咬合とは、歯が異常な方向に伸びて口の中を傷つけてしまう病気です。口の中が傷ついてしまうと、他の病気を併発してしまうこともあります。
不正咬合は、切歯の不正咬合と臼歯(きゅうし)の不正咬合に分けられます。
切歯の不正咬合は、切歯がどんどん伸び続け、上の歯は内側に丸まって、下の歯は前に飛び出してしまいます。ケージをかじるクセや、落下事故、遺伝などが原因になります。
また、臼歯の不正咬合は、上の歯が頬に向かって伸び、下の歯が舌に向かって伸びてしまいます。臼歯(きゅうし:奥歯)で食べ物をすりつぶすことが少ないことや、カルシウムの代謝が上手くいかないこと、栄養が偏っていること、遺伝などが原因となります。
予防
歯をすり減らすことができるよう、十分な繊維質を含む牧草を主食にする。
治療
歯のカット・抗生物質の投与。
その他の症状
歯ぎしりをするようになる・食欲がなくなる・ふんが小さくなる・あごを触るとでこぼこしている。
併発しやすい病気
皮膚炎・結膜炎・毛球症(消化管うっ滞)
毛球症(胃腸うっ滞)
換毛期に毛づくろいをした際、飲み込んだ抜け毛がふんと一緒に排出されなくなって、胃腸に毛がたまってしまい、胃腸の働きが低下してしまう病気です。
繊維質の不足や異物を飲み込んだせいや、運動不足やストレスが原因となります。また、高齢のうさぎがかかりやすい病気でもあります。
換毛期などで毛を飲み込んだことが原因で胃腸の働きが低下した場合は毛球症と呼ぶのですが、他の原因で胃腸の働きが低下した場合は消化管うっ滞と呼びます。
予防
ブラッシングをして抜け毛をしっかり取り除く・繊維質の多い牧草を与える・適度に運動をさせる。
治療
おなかのマッサージ・毛玉除去剤の投与・開腹手術。
その他の症状
食欲不振・水をよく飲む・歯ぎしりをする・おなかが張っている・体重減少など。
下痢をする
子うさぎに多い症状です。コクシジウム原虫という寄生虫が腸に入ることで、おなかを壊してしまい、下痢になってしまう病気です。特に子うさぎは免疫力が弱いので、この病気が原因で亡くなってしまうこともあります。
コクシジウム原虫が腸に寄生すると、うさぎのふんと一緒に卵が排出されるのですが、うさぎがそれを食べてしまうとまた原虫が腸の中で成長するという悪循環になってしまいます。
予防
トイレを清潔にする。
治療
専用の抗生物質の投与。
その他の症状
食欲不振・体重減少など。
併発しやすい病気
脱水症状・消化管うっ滞。
尿石症
尿管に結石ができてしまう病気です。カルシウムやタンパク質の過剰接収や水分不足、細菌感染、代謝異常が原因となります。
予防
牧草はアルファルファではなくチモシーを与える。
治療
利尿剤の投与・食事療法・外科手術。
その他の症状
膀胱のまわりが張っている・元気がない・頻繁にトイレに行くなど。
併発しやすい病気
腎不全・膀胱炎。
骨折
うさぎの骨は軽くて薄いので骨折しやすいです。手足の他に、腰椎(ようつい)の骨折の可能性もあります。
予防
高いところからの落下に注意する・ケージに足が挟まらないように工夫する。
治療
ギプスでの固定など。
その他の症状
足を浮かせて歩く・足に力が入らす、排便、排尿困難になる。・あまり動かなくなるなど。
併発しやすい病気
脱臼
顔や体が傾く
首が傾いて、バランスが取りにくくなり、転倒してしまう病気です。細菌にに感染したり、寄生虫が脳に寄生したりすることが原因となります。他にも、内耳炎や中耳炎も斜頚を引きおこすこともあります。
予防
飼育スペースを清潔に保つ・ストレスを与えない。
治療
抗生物質の投与・駆虫。
その他の症状
めまいなど。
併発しやすい病気
パスツレラ感染症・内耳炎・中耳炎。
最後に
うさぎは犬や猫よりも体調が悪くてもそれを表に出さないので、異常に気付かないことも良くあります。
そのため発見が遅れてしまい、気付いた頃には手遅れだったということもあります。
些細な変化でも何か気になることがあれば、早めに病気へご相談ください。