老猫の下痢がとまらない?病気である可能性大!

老猫に増えてくる症状の1つである「下痢」。症状は下痢だけで、1日でとまってしまい再発もない下痢であれば短期間様子を見ても大きく問題とはならないでしょう。しかし長く続く下痢となると大問題です。

どれくらいの期間続いたら「長く続く下痢」とみなすかは、獣医師によってさまざまです。当記事では、「3日以上続く下痢」を「長く続く下痢」として解説します。

長く続く下痢の主な原因

下痢の原因は本当に数多くあるため、この記事では老猫で比較的多い原因に絞って解説します。老猫で下痢が多くなってくる原因の1つは、年齢を重ねるにつれて病気も増えてきて、その病気の中に下痢を引き起こす病気も多く含まれている点にあります。

慢性腎臓病

慢性腎臓病は猫という動物種を象徴する病気ともいえます。高齢猫の実に3頭に1頭が発症するといわれ、高齢猫の死因では腫瘍についで2番目に多い死因です。腎臓はからだのさまざまな老廃物(尿毒症物質)を尿として体外に排泄する機能を担っています。

慢性腎臓病が進行してくると、その機能が低下してしまい、尿毒症物質を体外に排泄できなくなってきます。体内に蓄積した尿毒症物質によって、消化管粘膜が傷つけられて下痢をはじめ嘔吐などの消化器症状がでてきます。

また腎機能の低下に伴い、からだに必要な水分まで尿として出ていってしまうので、尿量が増え、水を飲む量も増える「多飲多尿」と呼ばれる症状がでます。慢性腎臓病の根本的な治療法は残念ながら存在せず、治療はなるべく進行を遅らせることを目的として行われます。したがって、早期発見と早期治療開始がとても大切な病気です。

甲状腺機能亢進症

ヒトでいうバセドー病に近い病気です。これを発症すると、主にからだのさまざまな代謝をあげる方向に働く甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまいます。症状としては、下痢や嘔吐などの消化器症状、多飲多尿、攻撃的になる、やたらと活動的になるなどさまざまです。他、非常に特徴的な症状として食欲はむしろ増しているのにも関わらず体重が急激に落ちていくことが多いです。

治療は主に抗甲状腺ホルモン薬の内服によって行われますが、甲状腺の外科的な摘出、放射線療法などもあります。

悪性腫瘍

猫も年齢を重ねてくると悪性腫瘍、いわゆるがんの発生が増えてきます。特に腸管に悪性腫瘍ができてしまうと、下痢止めや整腸剤などによる単純な対症療法では改善しない難治性の下痢が起きることが非常に多くあります。体重が減っていくことが多いのもポイントでしょう。

主に超音波検査や内視鏡検査によって診断されます。治療は発生した腫瘍の種類によってさまざまですが、抗がん剤治療や外科的切除などが考えられます。

問診で獣医師に伝えたいポイント!

下痢を起こす原因は非常に多くあるため、検査の選択肢も非常に多くあります。その中から必要な検査を獣医師が効率的にピックアップしていくためには、問診で飼い主から得られる情報がとても大切となります。問診で獣医師に伝えたいポイントを以下に紹介しますので、受診前に情報を整理しておけるとベストです。

  • 元気食欲の有無:食欲が以前より増している場合もきちんと伝えましょう
  • 体重の変化:特に減少している場合には、「どのくらいの期間で」「どれくらい」減っているか伝えられると理想的です
  • 普段の食事内容:商品名まで伝えるようにしましょう。直近で食事の種類を変更した場合は、その点も伝えましょう
  • 飲水量、尿量の変化はないか:特に飲水量は1日あたりの量を具体的に伝えられるのが理想です
  • 下痢をしている具体的な期間
  • 便の性状:固さ、回数、色、臭い、血液や粘液の有無
  • 嘔吐や食欲低下などの他の症状の有無

以上の点について、メモ書き程度でも紙に書いて渡せると問診時間の短縮にもなるのでおすすめです。

動物病院で行われる主な検査

続いては、動物病院で行われる、主な検査について解説します。

糞便検査

主に肉眼で便の性状を確認したり、顕微鏡で寄生虫の有無や腸内細菌叢の乱れの有無を確認したりします。場合によっては、抗原検査を行うこともあるかもしれません。下痢の診断を進める上で最初に行うことが多い検査なので、受診の際には最初から新鮮な便を持参していくとその後がスムーズに進むでしょう。便を持参すれば口頭よりも正確に便の性状を伝えられるというメリットもあります。

血液検査

腎臓や肝臓などの内臓に関する項目や、炎症の程度を測る項目を調べることが多いでしょう。下痢の原因は多岐にわたるので、獣医師に何も情報がないと血液検査で調べるべき項目もそれだけ広くなります。それだけ費用もかさんでしまうことになるので、その点でも飼い主が伝える情報の価値は大きいです。

画像検査(超音波検査・X線検査)

下痢の原因を調べる際には補助的な役割を担うことが多いですが、異物や悪性腫瘍など一部の原因は血液検査では検出できず画像検査の実施が必須となります。下痢の原因診断に必ず必要となるわけではありませんが、対症療法の効果がない場合や悪性腫瘍の可能性を否定しておきたい場合などでは重要な検査となります。

内視鏡検査

猫でもヒト同様の内視鏡検査が行われることがあります。全身麻酔が必要となり、費用も他の検査と比較すると高額であるため、麻酔無しで行える他の検査で診断がつかなかった場合に実施されます。

まとめ

下痢が長く続いていると、それだけで若い頃より予備体力が落ちている老猫は体調を大きく崩してしまいます。自己判断で長期間の様子見をしたりせず、かならず動物病院を受診させるべきです。その際は当記事で紹介したように問診で伝えるべき情報を整理したり、新鮮な便を持参した上で受診できると検査治療がスムーズに進むでしょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

ふぁみまる編集部

今まで犬を始め、フェレット・ハムスター・カメ・インコなどさまざまなペットを飼育してきました。現在は、ジャックラッセルテリアと雑種の2匹を可愛がっています。趣味は愛犬たちとの旅行です。 このメディアでは、多くの飼い主の方々の不安や疑問・困っていることを一緒に解決していきたいと考えています。