愛犬との別れはとても悲しく、想像なんてしたくないもの。しかし、どんなに願っても別れは来てしまうものです。そんな、お別れのときに、わたし達飼い主が愛犬にしてあげられることは何があるでしょうか?
まず、悲しいから看取るのは嫌だと言う飼い主さんは、考え直してみてください。愛犬はあなたの腕の中で旅立ちたいのです。愛犬は最期にあなたに会うために、つらい状態でも帰ってくるのを待ち続けてくれます。精一杯輝いてくれた愛犬の命の最期をしっかりと看取ることは、飼い主の最大の責任なのです。
目次
老犬の看取りの心構え
老犬になった愛犬との別れは、徐々に確実に近づいてきています。覚悟をするための時間が必要です。そこでここでは、心構えとして大切なことをご紹介します。
いつかは別れが来る
犬と暮らすことを決めたときから、これはしっかりと覚悟しておかなければなりません。何十年も一緒に生きて欲しいと誰もがそう思います。しかし、それが叶わないのが現実です。別れは来てしまいます。そのことは忘れないでください。
悲しくても最後までしっかり見送る
老犬になって、別れが近いかなと思ったら余計、愛犬との時間を無駄にせず、愛犬のためにできることを精一杯しましょう。最期を考えたくない気持ちももちろん理解できます。しかし、最期まで責任を持って看取ることが、動物を飼った人としての努めなのです。
心配ごとは獣医師に相談する
病気のことを一番よくわかるのは獣医師。わからないこと、不安なことがあれば自己判断はせず、獣医師に相談しましょう。必ず答えてくれます。最期まで寄り添って、一緒に闘ってくれるはずです。
老犬の看取りで準備しておくこと
亡くなってしまってから、さまざまな準備をしていると、きちんと冷静に物事を決められなくなってしまいます。そうならないためにも事前に、しっかりと準備しておくことが大切です。
病院か自宅で看取るかを決める
最期の最期まで闘病し病院に入院中に旅立つか、もう覚悟を決めて治療をやめ、家で一緒に過ごすのか、決断するのは飼い主さんです。どちらを愛犬が望んでいるか、よく考えてあげましょう。最後までともに頑張り病気と闘い続けるのか、病気を治すための治療ではなく、起こる症状に合わせて楽になるように緩和治療を行い、看取る準備をするのか、家族全員でしっかり考え抜いて答えを出すといいでしょう。
動物霊園やペット葬儀社について調べておく
供養の仕方を考えておくのも大切です。ずっとそのままの形でそばにいたくても、きちんと供養してあげることが愛犬にとっても良いこと。信頼できる霊園や葬儀社を予め決めておきましょう。看取ったあとに慌てて探すのではなく、事前にきちんと調べて愛犬を大切に供養してくれる場所を見つけましょう。
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犬が亡くなる過程を知っておく
亡くなる瞬間、見ていられないように苦しむこともあります。痙攣発作や呼吸困難など病気によっては最期まで苦しいことも想定されます。しかし、そんな中でも愛犬の最期をしっかりと看取るためには、理解しておくことが大切です。獣医師に相談し慌てないためにも聞いておくとよいでしょう。
老犬の老衰については、こちらの記事に詳しく解説しています。老衰の症状から末期の状態まで、わかりやすくご紹介しているので、ぜひ合わせてご参照ください。
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老犬を看取るとき飼い主ができること
看取る瞬間、わたし達にはなにができるでしょうか。きっと飼い主には、愛犬にしてあげられることがあるはずです。ただ悲しみにくれるだけでなく、してあげられることを最大限にしてあげましょう。
最期までポジティブな言葉をかける
老犬の最期はあまり苦しまずに安らかに逝けることが多いと言われています。先ほどご紹介した通り、もちろん病気によっては最期の瞬間、苦しいときがあるかもしれません。しかし、それはあなたのせいではありません。見るのはつらいと思いますが……、しっかり受け止めて「ごめんね」ではなく「ありがとう」と伝えてあげてください。
からだを優しく撫でてあげる
どんなに苦しくても、飼い主がそばにいてくれていることを愛犬はわかってくれます。少しでも不安を解消するために、優しく撫でてあげてください。愛犬は、大好きな飼い主の腕の温もりを感じながら旅立ちたいはずです。愛犬を安心して眠らせてあげましょう。
老犬が亡くなったことがわかったら
では実際、準備してきたことの他に、亡くなってしまった愛犬に対して何をすれば良いのでしょうか。
ブラッシングをしてからだの汚れを拭く
亡くなってしまった後は、からだをきれいにしてあげましょう。怖くてできない方も多いのですが、口とお尻に詰め物をしてあげると良いでしょう。亡くなってしまった後は分泌物が出てきてしまい、汚れてしまいます。もちろん、これらの処置は、動物病院に連れて行けば丁寧にしてくれます。
ドライアイスや保冷剤をからだに付けて涼しい部屋に
どうしても生き物ですので、亡くなってしまった後は保冷が必要になります。涼しい部屋に安置し、保冷剤やドライアイスで保冷してあげましょう。
保冷材は溶けてくると水滴が出るため、亡くなった愛犬の体が濡れてしまいます。保冷材をペットシーツでくるみましょう。吸水面を内側にして保冷剤をくるむと水滴を吸収してくれます。
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お花や好きなおもちゃを備えてあげる
お空での生活で不便な思いや寂しい思いをしないように、おもちゃやフードなど愛犬の好みのものを置いてあげましょう。綺麗なお花に囲まれて、愛犬の居心地の良い場所にしてあげるといいかもしれません。
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ペット葬儀会社などに連絡を
葬儀の日程や時間などは葬儀社に連絡をし、受け入れてもらわなくてはなりません。葬儀社の方はとても親切丁寧に、一緒に見送ってくれます。わからないことなどは、質問すると必ず答えてくれます。
まとめ:老犬の看取り、飼い主は最期まで愛を注ごう
悲しくてもいつか必ず来てしまう別れのときに、慌てて愛犬を不安がらせないためには、事前に知り、準備をしておくことが大切です。葬儀社を調べたり、最期の瞬間、起こり得るできごとを頭に留めておいたりすることで、落ち着いて愛犬のそばにいることが可能です。
最期を見るのはつらいし、見たくない気持ちも十分理解できますが、愛犬はそれを望んでいないでしょう。しっかりと看取ってあげることが、最大の責任なのです。最期まで愛し続けて、後悔のない良い犬生を送らせてあげてください。