食事中に猫がウインナーを欲しがって催促してきた場合、思わずあげたくなってしまう飼い主さんも多いのではないでしょうか。
本記事では、ウインナーをはじめとした人間の食べ物が猫に与える影響や注意点、猫が誤ってウインナーを食べてしまった際の対処法を紹介します。
猫にウインナーをあげてもいいのか知りたい方や、人間の食べ物が猫にどのような影響を与えるのか気になる方はぜひご一読ください。
目次
ウインナーなど猫に人間の食べ物を与えるのはNG
基本的には、猫にウインナーなどの人間の食べ物を与えるのはやめましょう。人間にとっては無害なものであっても、猫にとっては有害になる成分も多く含まれているためです。
人間の食べ物にはどのようなリスクがあるのか
猫が人間の食べ物を食べてしまった場合には、以下のようなリスクが考えられます。
どのようなリスクがあるのかを十分理解した上で、むやみに人間の食べ物を猫に与えないようにしましょう。
塩分の過剰摂取につながる
ウインナーなどの人間の食べ物には塩分が多く含まれているため、猫にとって塩分の過剰摂取につながります。
猫は元々腎臓などの泌尿器系にトラブルが起こりやすい体質であるため、塩分を摂りすぎてしまうと膀胱炎や尿路結石のリスクだけでなく、腎臓病のリスクも高まるおそれがあります。
とくに、猫の腎臓は一度ダメージを受けると回復する見込みが低いため、日頃から食生活に注意することが大切です。
脂肪分の過剰摂取につながる
人間の食べ物には脂肪分が多く含まれているものもあり、肥満の原因になるでしょう。猫が肥満になると以下のようなリスクがあります。
・高血圧
・糖尿病
・関節炎
・心筋梗塞
・ガン など
このように、肥満はさまざまな病気のきっかけとなるため注意が必要です。
香辛料が入っている
ウインナーなどに含まれるコショウやナツメグなどの香辛料は、猫の胃腸に過度の刺激を与え、下痢や嘔吐を引き起こす原因となります。
また肝臓にも大きな負担がかかってしまうため、代謝しきれずに中毒症状が出る可能性もあるでしょう。猫にとって香辛料は有害である場合が多いため、ウインナーに限らず人間の食べ物を与えることは大きなリスク要因と言えます。
悪影響のある添加物が入っている
加工食品の多い人間の食べ物には、食品添加物が含まれていることがほとんどです。中には人間でも摂取し過ぎると有害となるものもあるため、猫には少量でも悪影響を与える可能性が高いでしょう。
猫への安全性が不確かなものを食べさせると、健康を害するリスクがあります。猫専用に作られたものでない場合は、むやみに与えないことが大切です。
玉ねぎが入っている可能性も
ウインナーには、猫にとって有害な玉ねぎが含まれている可能性があります。玉ねぎには猫の赤血球を破壊する成分が含まれており、「溶血性貧血」が起こる中毒症状につながるおそれがあるため、注意が必要です。
見た目ではわからなくても、食品によっては猫にとって有害な成分が含まれている場合もあるでしょう。また、人間の食べ物を食べて調子が悪くなってしまった場合、原因となる成分が特定しにくくなる可能性もあります。
人間の食べ物に興味を持つようになる
一度人間の食べ物を口にしてしまった猫は、「人間が食べているものは美味しい」と記憶して欲しがったり盗もうとしたりする可能性があります。
ゴミを漁ったり勝手に袋を破って食べたりしてしまうなど問題行動の原因になるケースもあるでしょう。人間の食べ物をあげると猫の健康を害するだけでなく、飼い主にとってもデメリットとなる部分が多いと言えます。
ペットフードの食いつきが悪くなる
人間の食べ物の味を知ってしまうと、ペットフードを薄味に感じてしまうため、食いつきが悪くなってしまうリスクがあります。
今まで食べていたフードを食べなくなったり、味にこだわりを持つようになったりと偏食のきっかけとなるでしょう。また、おやつなど嗜好性の高いものばかり食べたがるようになることから、フード選びが難しくなる可能性があります。
ウインナー以外に注意したい食べ物は?
ウインナーの他にも、猫にあげてしまいがちな食べ物は多数あります。とくに注意が必要な食べ物は、以下の通りです。
かまぼこ・ちくわなどの練り物
かまぼこ・ちくわ・カニカマなどの練り物は、魚が主原料であるためウインナーより安全性は高いものの、加工の工程で塩が加えられていることに注意が必要です。練り物を好む猫は多いため、どうしてもあげたい場合は猫用の干しかまや猫用のカニカマを与えるとよいでしょう。
チーズ
チーズには塩分と脂質が多く含まれています。与える際には猫用のチーズを与えましょう。しかし、チーズは歯に付着しやすく歯石の原因にもなりやすいため、頻繁に与えるのは控えた方がよいでしょう。
ハム
ハムには塩分だけでなく、発色剤や着色料など猫にとって有害な食品添加物が多数含まれています。とくにハムに含まれる「ガゼインナトリウム」は牛乳から作られた成分であるため、元々乳糖不耐症である猫にとってからだに負担がかかってしまいます。発がん性も指摘されており、安全とは言えません。
煮干し・かつお節
人間用の煮干しやかつお節は、風味付けのために塩分が高くなっています。与える場合は猫用の煮干しやかつお節を選びましょう。
煮干には猫に有益な栄養素が多く含まれておりますが、ミネラル成分の大量摂取や継続的な摂取は猫の腎臓に負担をかけてしまう可能性もあります。
猫用のものであっても与えすぎないようにし、量や頻度には十分気をつけましょう。
魚肉ソーセージ
ウインナーと同様で魚肉ソーセージにも塩分・香辛料が含まれている他、玉ねぎによる中毒が起こってしまうリスクがあります。
人間用の魚肉ソーセージは、猫が欲しがる場合も与えないようにしましょう。
どうしてもウインナーをあげたい場合は?
どうしても猫にウインナーをあげたい場合は、代替え品として猫用のソーセージをあげましょう。無添加のものを選ぶとさらに安心です。
ただし、嗜好品であることには変わりないため、あげすぎないように注意してください。ときには我慢させることも大切です。
猫が誤ってウインナーを食べてしまった!対処法は?
猫が誤ってウインナーを食べてしまった場合は、落ち着いて対処することが重要です。以下の点に注意しながら、猫の体調に配慮しましょう。
まずは様子を見る
ウインナーを多少口にしても体調が急変するものではないため、その後の様子を見守ることが大切です。普段の様子と変わりないかよく観察し、しばらく経っても平気な様子であれば今後同じことが起こらないよう対策を考えましょう。
異変があれば動物病院へ行く
明らかに元気がない、下痢、食欲不振、痒い様子があるなどの症状が出た場合には、すぐ動物病院に連れて行きましょう。
その際には、ウインナー食べた日時と量を伝えることや、食べてしまったウインナーのパッケージを持っていくことで正しい診断結果につながりやすくなります。
まとめ:愛猫にはウインナーをあげないことが大切
飼っている猫がウインナーを欲しがるとついあげたくなりますが、人間の食べ物をあげてしまうとさまざまな病気のリスクにつながります。また、健康的な食生活が送れなくなる可能性もあるでしょう。
本当に猫のためを思うのであれば、我慢させることも選択肢の一つです。
どうしても難しい場合は、人間用のものではなく猫用のものを選んでください。おやつを与えすぎないように気をつけながら、健康で長生きさせてあげましょう。