猫を家族として迎えている方の中には、愛猫を留守番させると鳴き続けてしまい、心配だという人もいらっしゃるのではないでしょうか。愛猫が鳴き続けると、出かけるのもためらってしまいますね。
今回は、留守番などで猫がひとりになると鳴き続ける理由や、対策方法をお伝えします。是非参考にしてみてください。
目次
そもそも猫は留守番可能できる動物なの?
そもそも猫は留守番のできる動物なのでしょうか?結論からお伝えすると、猫は留守番が得意な動物です。ここでは、猫が本来どのような動物で、なぜ留守番が得意なのかの理由を解説します。
留守番が得意な理由1.群れをつくらないで過ごす動物だから
猫はもともと群れを作らず、単独で過ごす動物です。そのため、本来は留守番が得意です。成猫であれば、餌と水をしっかり用意しておけば、1~2泊程度なら飼い主が旅行に出ても平気だと言われています。
留守番が得意な理由2.テリトリー意識が強い動物だから
猫は自分のテリトリーを大切にする動物です。飼い猫の場合、自宅が自分のテリトリーとなるため、一番リラックスできる場所です。犬のように飼い主のお出かけに着いていくより、お家で待っている方が好きな動物なのです。
留守番が得意な理由3.親離れ後は単独で過ごす動物だから
野生で暮らす猫の場合、母猫は子猫が生後半年くらいになると自分のテリトリーから追い出します。母猫のテリトリーから出て親離れした子猫は、その後単独で過ごします。
このような親離れを経験している猫は、ひとりで過ごすことにストレスを感じることはありません。
愛猫がひとりになると鳴く理由は?
前章では猫は留守番が得意な生き物とお伝えしました。
では、猫はなぜ留守番などでひとりになると鳴くのでしょうか。ここでは、理由を解説いたします。
寂しさや不安
猫がひとりになった時に鳴き続ける理由の多くは、寂しさや不安です。子猫の時から飼い主に育てられいつも構ってもらっている猫や、捨てられた経験のある猫は、ひとりになると寂しさを感じて鳴き続けることがあります。
また、高齢になり目や耳など体のどこかに不調があると、ひとりでいることに不安を感じ、飼い主を求めて鳴き続けることがあるでしょう。
甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)などの疾病
愛猫が鳴き続けるのは、本当にひとりになった時だけでしょうか。例えば、飼い主が寝ている夜中にも鳴いていることはないでしょうか。
甲状腺機能亢進症とは、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。
よく食べるのに痩せてくるなどの異常がみられたり、異常に鳴く・攻撃性が出るなど行動の変化が見られたりすることもあり、注意が必要です。
特に10歳以上の高齢猫に多いため、高齢猫が大声で異常に鳴く場合は動物病院に相談しましょう。
分離不安症
猫がひとりの時に鳴き続ける場合は、分離不安症の可能性もあります。
分離不安症は犬で多くみられる病気ですが、最近は猫の分離不安症も増えてきています。あまり聞きなれない分離不安症については、次の章で詳しく解説しますね。
分離不安症とは?
分離不安症とは、飼い主と離れることで強い不安やストレスを感じて、肉体的・精神的な不調や問題行動を起こしてしまうことです。
飼い主への依存性の強い犬では多く見られる病気ですが、最近では猫の分離不安も知られるようになってきました。
この章では、愛猫が分離不安症かどうかの簡単なチェックリストも後半にご用意してますので、気になる方は確認してみてください。
分離不安症の原因
分離不安症の原因は、常に飼い主に構ってもらっていて、ひとりで留守番という状況のないまま成猫になると発症する可能性が高いと言われています。
また、転居など住まいの環境が変わった時に対応しきれない場合や、ひとりで留守番をしている際に不快感や恐怖体験をすることも分離不安症の原因となるでしょう。
また、高齢になり、目や耳が悪くなってきたりすることも原因の一つです。愛猫の年齢、環境の変化や普段の行動も思い出してみましょう。
愛猫は大丈夫?分離不安症チェックリスト
愛猫が分離不安かもしれないと感じた時は、下記のチェックリストを確認してみましょう。飼い主がいない環境で、下記の4項目のうち、いずれかひとつでも当てはまる場合は、分離不安症の可能性があります。
- 破壊行動をする
- 過剰に鳴き続ける
- トイレ以外で排泄する
- グルーミングを異常にする ※グルーミング:毛づくろいのこと
留守中の様子を見続けることは難しいですが、モニターを設置しておくなどして、部屋での様子を確認してみましょう。
分離不安症の正確な診断・治療は、行動診療や問題行動診療などを専門にしている獣医師がおすすめです。まずはかかりつけの動物病院で相談してみて、必要に応じて行動診療科などのある動物病院を受診すると良いでしょう。
愛猫が留守番に慣れるには?
ここまで、愛猫がひとりになると鳴き続ける原因について解説しました。それでは、愛猫にストレスを与えずに留守番させるためには、飼い主はどのような準備をしたら良いのでしょうか。ここでは留守番に慣れるように、事前に準備できる項目をお伝えいたします。
室温の環境を整える
夏場はエアコンをつけ、冬場は毛布などを用意して、猫が快適な環境を整えておきましょう。暑さや寒さなどの不快と飼い主の不在が結びつくと、猫が飼い主の不在に不安を感じてしまうようになります。
見守りカメラを導入する
留守中に、部屋の様子を映し出す見守りカメラがあると、飼い主にとっても安心なのではないでしょうか。見守りカメラがあると、愛猫が分離不安かどうかの診断にも利用できます。
給餌器と一体化したタイプなど便利なものもありますので、使いやすい商品を検討してみるのも良いでしょう。
お気に入りのおもちゃやおやつを用意する
普段からお気に入りのおもちゃやとっておきのおやつがあると、猫がひとりでも夢中になってくれます。また、愛猫が気に入っているタオルや毛布なども安心感を与えることができるでしょう。
猫によっては、飼い主の匂いのついた服などで落ち着く子もいますので、何が愛猫を一番リラックスさせられるかを、普段から観察してみてください。
普段からひとりの時間を作る
在宅時、常に猫に声をかけたり、撫でたりしている飼い主は、意識をして愛猫と関わらない時間を作ることも必要です。
初めにお伝えした通り、猫にとってひとりで過ごすことは自然なことです。猫本来の独立心を取り戻すため、空間を共有しても、話しかけたり触ったりしないように過ごしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。愛猫が留守番に大きなストレスを抱えることは、愛猫にとっても飼い主にとっても良い状況ではありません。今回の記事を参考に、留守番の練習をしてみましょう。
また、分離不安症の場合は、行動診療科など専門の獣医師の力が必要な場合もあります。
気になった方は、まずはかかりつけの動物病院に早めに相談してみることをおすすめいたします。
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