老猫になると、運動量が減るだけでなく、消化能力や嗅覚などさまざまな身体機能が低下してしまいます。そのため、若いときの餌のままでは太る原因になったり、消化の負担になったりしがちです。
今回は、老猫の餌選びと食べてくれないときの対処法についてご紹介します。
目次
老猫の餌選びポイント
老猫の餌選びにはいくつかポイントがあります。基本はシニア用の総合栄養食を選ぶこと。さらに老猫の状況にあったものを選びましょう。
必ず総合栄養食を選ぶ
総合栄養食とは、その餌と水があれば必要な栄養素が摂れるものです。まずは総合栄養食を選びましょう。一般食はおかずのようなもので、嗜好性を高めたる効果がありますが、必ず総合栄養食と一緒に与える必要があります。
シニア用などの表示をチェック
総合栄養食に、「シニア猫用」「7歳以上」「11歳以上」と表記されているものを選びましょう。
老猫の健康に配慮し、腎臓の負担を減らすためにたんぱく質を抑えたものや、カロリー控えめなもの、オメガ3脂肪酸が配合されているものなどがおすすめです。
老猫が食べやすい形状の餌を選ぶ
老猫の状況に合わせて、食べやすい形状を選びましょう。食べやすい小粒のドライフードや、歯が弱っていても食べやすいウエットフードなどがあります。ドライフードをふやかしてすりつぶしてもいいですね。
猫の好みに合わせて選ぶ
猫それぞれに、味の好みがあります。鶏肉をよく食べる、魚の方が好きなどの猫の好きな味を選んであげましょう。同じ魚でも、「白身が好き」「マグロが好き」など好みやこだわりがある猫も多いものです。何種類か与えて、好みを探ってみてください。
疾患のある猫は獣医師に相談
糖尿病や慢性腎不全など、老猫になると持病も増えてきます。療法食を食べたほうがよい場合も少なくありません。疾患を持っている場合は、必ず獣医師に相談しましょう。定期的に健康診断を受けて、病気になっていないかチェックすることも大切です。
老猫の餌はどんなものがあるの?
実際にどのような餌があるのでしょうか?実例を挙げてご紹介します。老猫の餌選びの参考にしてくさい。
ロイヤルカナン エイジング 12歳以上| 猫用ドライフード(プレミアムフード)
12歳以上の高齢猫に配慮されたフードです。抗酸化成分や必須脂肪酸など老猫の健康維持に欠かせない成分が配合されています。また尿を弱酸性に保つよう、ミネラルのバランスも調整されています。粒は外側がカリカリで中はやわらかくなっていて、老猫の食をそそる形状です。
【12歳以上の高齢猫に】 ロイヤルカナン エイジング 12歳以上| 猫用ドライフード(プレミアムフード)
サイエンスダイエットプロ 猫用 健康ガード 腎臓・心臓 7歳以上
7歳以上の老猫用ドライフードです。腎臓や心臓の健康を守るように、たんぱく質やミネラル類を調整しています。下部尿路のケアにも適したフードです。チキンの正肉を主原料とし、さらにフルーツや野菜を配合しています。
サイエンスダイエットプロ 猫用 健康ガード 腎臓・心臓 7歳以上| 猫用ドライフード(プレミアムフード)
ロイネス 猫用 (7歳以上用)
7歳以上用の老猫向けウエットフードです。歯が痛く、噛む力が弱っている老猫に向いています。白身魚や鶏レバーなどのほか、緑黄色野菜、オメガ3脂肪酸を配合し、老猫の健康維持に配慮。ウエットフードなので、水分補給も可能です。
ロイネス 猫用 (7歳以上用)| 猫用ウェットフード(缶詰・レトルトパウチ)
老猫が餌を食べない!どうする?
老猫が餌を食べなくなると心配になりますね。動物病院を受診すると同時に、老猫が食べやすくなる工夫をしましょう。
まずは動物病院を受診
餌を食べない背景には、病気が隠れていることも。内臓の病気がなくても、口内炎や歯周病で、食べたくても食べられない場合もあります。まずは動物病院を受診し、病気がないか確認することが大切です。
食器を見直す
見落としがちなのが、食器。床に置くタイプでは、首をかがめて食べるのが辛くなっていることがあります。高さのある食器に変えるか、台を置いて、かがまなくても食べられるようにしてあげましょう。
ヒゲが食器に当たるのも嫌がることが多いので、大きめの食器がおすすめです。食器が動かないように食器の下にマットを敷くと、安定して食べられます。
温める
猫は食べ物の匂いがしないと、食欲が低下してしまいます。年を取ると、嗅覚が衰えてくることもあるので、餌をレンジで少し温めて香りを立ててあげましょう。加熱しすぎないように気を付けてください。
ふやかす
餌が固くて食べにくそうにしている、口の中が痛そう、という場合はふやかしてあげましょう。味付けしていない肉や魚のゆで汁でふやかすと、食欲が増すこともあります。もちろんウエットフードを与えるのもおすすめです。いずれにしても放置すると、腐敗してしまうので食べ残した分は早めに片づけてください。
手から与える
意外と手から与えると食べることがあります。高齢になると、お腹がすいてもご飯を食べるのも面倒ということもあるようです、毎回毎回手から食べさせるのは大変かもしれませんが、コミュニケーションのひとつとして、楽しむ気持ちで食べさせてあげましょう。
まとめ:老猫にあった餌で元気に
老猫の餌は、年齢や体質、体調、そして猫の好みにあった総合栄養食を選ぶことが大切です。
食欲が落ちた、食べなくなったという場合は、早めに動物病院を受診して、病気がないか必ず確認しましょう。内臓の病気がある場合は、療法食になる場合もあります。
また食器を見直して食べやすくしたり、温めたりふやかしたりするなど、与え方の工夫をすることも重要です。老猫がいつまでもおいしく餌を食べられるようにしてあげたいですね。