コロナ禍で起きたペットブームのその後

にわかブームが招いた思わぬ悲劇

2020年4月、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言の発令で、全国で外出自粛や在宅時間が増えたことが影響し、ペットを飼う人が急増したことを覚えていますか?

とくに室内で飼える小型犬が人気だったようで、翌月には犬用ケージの通販サイトでの売上高が、前年同月の3倍にもなったとのニュースを耳にしました。

ペットを飼い始めた理由

「おうち時間を楽しく過ごすため」が一位、次いで「寂しい時に寄り添ってくれると思うから」、「一緒に散歩に行ったり、遊んだりしたいから」となりました。

「おうち時間を楽しく過ごすため」と答えた割合は、新型コロナ流行後の方が増加、流行前の「2020年3月以前」に飼い始めた家庭より、流行後の「2020年4月以降」に飼い始めた家族が10%以上増えました。

ペットを飼い始めたことによる生活への影響を複数選択可能で尋ねたところ、上位三つは、「家族の会話が増えた」、「寂しさを感じることが減った」、「家の掃除をするようになった」となりました。

また、新型コロナ流行後、ペットとの生活や考えにどのような変化があったか複数選択可で尋ねたところ、各項目について「かなり当てはまる」と「やや当てはまる」の合計割合をみたところ、「ペットとのおうち時間を充実させたいと思うようになった」が最多、次いで「万が一、自分が新型コロナに感染した際、ペットをどうするか(世話をする人、世話をする場所)を考えるようになった」、「ペットが新型コロナに感染しないよう、気を付けるようになった」と続きました。

自身やペットの感染を心配して、「散歩やドッグランに行く回数が減ってしまった」、「他の犬と接触させないようになった」といった意見もありました。

その後の悲劇

そしてその裏で、安易な考えでペットを飼う人も多く、飼育放棄も問題になりました。飼い始めてみたものの…

外出自粛が解けて外出するので飼いきれない

家族にアレルギーが出た

トイレを覚えない

匂いが気になる

吠えるなどの理由により、飼育放棄されるペットが急増し、今後もそういった心配の声が多く上がっています。

一部ではこんな楽しみ方をする人も

近年SNSの普及で自慢のペットを投稿する人たちが急増しています。

お出かけをした時

新しい洋服を買った時

可愛くトリミングをした時

お家でくつろぐ姿など

日常の何気ない様子ですら愛らしいペットの画像や動画は本当に癒されます。

中には、たくさんの「いいね」がもらえることに魅力を感じる人もいるかもしれません。

しかし、ずっとその姿でいてくれる訳ではもちろんありません!
飼う前にこれだけは考えて!

早々に飼育放棄をせず手放さなかったとしても、その子たちもいずれ年を取ります。病気になることもあります。

その影響で寝たきりや、全身の毛が抜け落ちた状態、オムツをした状態だったり、歯が抜け落ち常に舌が出たままの姿を投稿する人はあまりいません。

その中でも一部の飼い主さんや、動物保護施設などでは、そのままの姿を包み隠さず発信し続けています。

画像や動画だけでなく、闘病や介護の様子を詳しく紹介しているブログなどもあります。

医療費だけでなく通院、介護には気力と体力を使います。

ぜひ、そういったSNSを見てからその子の一生を担う覚悟を持ってから新しい家族迎える検討をしてください。

ペットショップなどで、「飼いたい」とせがむ子供、それに対して「ちゃんと世話できるの?」と諭す親とのやり取りを目にしますが、エサやトイレの世話、しつけ、散歩は世話のうちには入らず、ちゃんと世話をするというのは「いずれ来る、シニア期に病気や痴呆の世話といった介護や、それにかかる時間や費用の負担はできるのか?」ということであって、それくらいの覚悟を持つ必要を伝えなければなりません。

最後に

新たな感染者拡大により、緊急事態宣言が再発例された都市もあったりと、お家時間が増え、ペットブームも再燃しようとしています。
ペットブームを批判するつもりはありませんが、これまでペットを飼ったことがない人が安易に思いつきで飼い始めることは、家族もペットも不幸になります。
もし最後まで面倒を見る覚悟がないというのであれば、ペットが病気になったり、介護が必要になったりと、目先の楽しい生活だけを想像するより、そもそも飼わないということも選択肢に入れてみてください。

 

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