愛犬の足腰が、弱ってきていると感じたことはありませんか?なんとか自力で歩ける、支えがないと歩けない、など弱り具合は犬によってさまざまです。しかし、年を取るにつれて足腰が弱るのは、ある程度、仕方のないことなのです。
それでも多くの犬は散歩が好きで、自分の足で立ちたいと思っています。飼い主さんは、介護用品を上手に利用して歩行補助をしてあげましょう。歩行補助はケガ予防になるだけでなく、老犬の「歩きたい気持ち」をサポートすることができます。
目次
老犬に歩行補助が必要な理由
足腰が弱った老犬はふらつくことが多く、思わぬケガを予防するためにも歩行補助が必要です。また歩くのが大変だからといって、散歩を控える必要はありません。散歩は犬の楽しみですし、刺激になるので認知症予防にもなります。
老犬のケガ予防になる
老犬が無理に自分で立ちあがろうとすると、よろめいてしまい、どこかにからだをぶつけてケガをする恐れがあります。まだ自力で歩けるからと今まで通り首輪にリードだけで散歩をしていると、万が一よろめいたときに首が締まってしまう可能性もあり大変危険です。歩行補助をすることで、老犬の思わぬケガを予防できます。
足腰が弱っても散歩は必要
歩くことはもちろん、立つのも大変そうな老犬を見ると、「散歩にいかなくてもいいのでは?」「歩かせるのがかわいそう」と思ってしまうかもしれません。しかし犬にとって、散歩は楽しみのひとつです。運動しないでいると、ますます足腰が弱り、かえって老化が早まることになります。
たとえ歩けなくなったとしても、刺激を与えるためにカートやペット用車椅子に乗せて外の空気を吸わせてあげましょう。
老犬の歩行補助は、介護用品を上手に使おう
歩行補助には、ハーネスや車いすなど介護用品を使うことがおすすめです。さまざまな種類の介護用品が市販されています。飼い主さんが老犬に合ったものを手作りしてもいいでしょう。
介護用品を使うと飼い主さんも楽
介護用品を使うと老犬が歩いたり立ったりしやすくなるだけでなく、飼い主さんもぐっと楽になるのもメリットです。犬のからだを起こすために手で支えようとすると、犬の高さまでかがむ必要があり、飼い主さんも足腰の負担になります。特に大型犬は体重が重く、起こすのが大変困難です。
また犬が転びそうになったときには急にかがむ必要があるため、飼い主さん自身がケガをしてしまう恐れもあります。飼い主さんの負担を減らすことも、老犬介護には重要なことです。
市販の介護用品を使うのもアリ!
市販の老犬用介護用品を上手に利用するといいでしょう。何とか自力で歩けるうちは、犬用の滑りにくい靴を履かせるだけでも効果的です。介護用ハーネスを使えば、歩行だけでなくからだを起こした状態をキープすることも可能なので、トイレも楽になります。
後ろ足だけにつける歩行補助ハーネス、前足・後ろ足ともにつける歩行補助ハーネス、寝るときも付けたままにできるハーネスなど、老犬の状況に合わせて選びましょう。
長さが調節可能なハーネスなら、背の高さが異なるご家族みんなで使うことができます。後ろ足はあまり動かなくてもまだまだ元気な老犬には、ペット用車椅子がおすすめです。
家にあるタオルや手作りもおすすめ
家にあるタオルやバスタオルを利用するのもおすすめです。手先の器用な飼い主さんなら歩行補助グッズを手作りしてもいいでしょう。ただしタオルやバスタオルは、老犬介護専用に作られていないので、犬のからだに負担がかからないようにしてください。
犬の大きさやタオルの長さによっては、飼い主さんが中腰になるため疲れることもあるので注意が必要です。手作りの場合は、犬を支えられるようしっかり作ってあげましょう。
歩けなくなってもあきらめない
ほぼ寝たきりになってしまったときでも、あきらめずに外に出してあげてください。超小型犬や小型犬は抱っこでも大丈夫ですが、中型犬以上では体重が重く抱っこも大変です。
歩けなくなった老犬には、犬用のカートなどを利用してみましょう。太陽の光を浴び、外の空気を吸うだけでも気分転換になります。
わからない場合は獣医師に相談
老犬にどのような歩行補助をしたらよいかわからないときは、獣医師に相談しましょう。犬の足腰の状態から、今の犬の状態にあった歩行補助をアドバイスしてもらえます。老化具合は日を追うごとに変化するので、定期的に相談することが大切です。
歩行補助をしているときの注意点
では、実際に飼い主さんは、どんなことに気をつければ良いのでしょうか。ここでは、老犬の歩行補助で注意したいポイントについてご紹介します。
犬のからだに負担がかかっていないか確認
歩行補助をしているときは犬が苦しそうにしていないか、歩きづらそうにしていないかときどき確認しましょう。特に歩行補助グッズが、犬のお腹など身体の一部を圧迫しないように注意します。
介護用品が傷んでいないか確認
介護用品は毎日のように使っていると、どうしても傷んだりほころんだりすることもあります。歩行補助に使っている介護用品に弱くなっているところがないか、ときどき確認しましょう。もし傷んでいるところがあったら、犬の安全のためにも新しい用品に変えてあげてください。
病気などが進行していないか、動物病院を受診
足腰が弱る原因は老化だけではありません。変性性脊髄症など、病気が隠れていることもあります。
変性性脊椎症は、特定の遺伝子変異が原因と考えられている病気です。進行がゆっくりで後ろ足から前足、呼吸器へと機能の障害が起こりますが、痛みがあまりないため「老化かな」と勘違いすることもあります。歩きづらそうだと思ったら、まずは動物病院を受診することが大切です。
まとめ:足腰の弱った老犬には歩行補助をしてあげよう!
老犬になると足腰の筋力が弱るため、歩行が困難になってきます。しかし自力で歩くことは、老化の進行を遅らせ、気分転換にもなるので非常に大切です。
飼い主さんは積極的に、犬の歩きたい気持ちをサポートしてあげましょう。歩行補助をするとケガ予防になり、快適に散歩がたのしめます。
歩行補助は介護用品を使うと、飼い主さんも楽になるのでおすすめの方法です。老化の進行具合をチェックしてもらうとともに、変性性脊椎炎などの病気がないか、必ず動物病院を受診してください。