老犬になっても、遊ぶことはとても重要なこと。
高齢になったらもう遊ばなくてもいいと思いがちですが、老犬こそ遊びが必要です。遊びは老犬のからだにも心にも、刺激を与えます。からだを動かし筋力や関節の衰えを防ぎ、頭を使うことで脳の活性化にも効果的。大切なのは犬に合わせたゆっくりペースで遊ぶこと、そしてパートナーである飼い主も一緒に楽しむことです。
そこで今回は、老犬にぴったりの楽しい遊びや、一緒に遊ぶときの注意点についてご紹介します。
目次
老犬でも遊びが重要な理由
遊びは老犬のからだと脳に刺激を与え、寝たきりや認知症を少しでも遅らせる効果があるとされています。
また、遊びを通して大好きな飼い主と触れ合うことは、老犬の心身の健康維持にも大切です。
筋力の低下を防ぐ
人間でも同じことがいえますが、筋肉は動かさないままでいると、どんどん退化してしまいます。歩く、オスワリやフセをすることは、筋力の低下予防にとても効果的です。また足を曲げたり伸ばしたりすることで、関節が固まってしまうことを予防できます。
犬が自力で歩くことは、
「暑い、寒いなど不快な場所から移動する」
「喉が渇いたら水を飲みに行く」
という犬の基本的な欲求を満たすためにも重要だといえるでしょう。
脳の老化を防ぐ
遊ぶことで、犬は頭を使います。匂いを嗅ぐ、探すことはもちろん、飼い主さんの声を聞いたり、表情を見たりすることも脳への刺激です。
「ゲームができた」「飼い主さんに褒められた」という成功体験があると、ますます犬の脳は活性化されていくでしょう。
心身ともに健康を保つ
犬と人が見つめ合い、触れ合うことで「オキシトシン」というホルモンが、犬と人間両方に分泌されることが研究によってわかりました。オキシトシンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、絆を深め、不安やストレスを減らし、気持ちを安定させる働きがあるホルモンとして知られています。
飼い主と見つめ合いスキンシップを取りながら遊ぶことは、老犬の心身の健康を保つためにも重要なのです。
老犬におすすめの遊び2つ
どちらも室内で簡単にできる遊びですが、「探す」という犬の本能を刺激します。飼い主も、一緒に楽しむ気持ちで遊びましょう!
かくれんぼ
老犬が、飼い主や家族を探すゲームです。悪天候で散歩に行けないときも、老犬のストレス発散にもなります。犬にはオスワリをさせ、「マテ」を言います。その間に、飼い主は隣の部屋や家具のうしろなどに隠れます。隠れたら犬の名前を呼ぶか「オイデ」と言って探させてください。
犬がうまく探せない場合は、バスタオルをかぶって隠れるなど簡単なかくれんぼにします。見つけることができたら、犬の勝ちです。たっぷり褒めてあげましょう!
おやつ探しゲーム
コングなど、おやつを詰められる知育おもちゃを使います。好きなおやつを詰めたおもちゃを部屋に転がしたら、おやつ探しゲームの始まりです。いくつか用意して部屋のあちこちに置いたり、タオルで隠したりすると盛り上がります。
ただし、中にはコングをちぎってしまったり、誤って飲み込んでしまったりする子もいるようです。飼い主のいないときには与えないようにするなど、注意をしながら与えるようにしましょう。
紙コップを使ったおやつ探しゲームもおすすめです。伏せた紙コップを3つほど用意し、そのうち1つにおやつを隠します。どの紙コップにおやつが入っているか、犬に当ててもらいましょう。
このとき、犬に目や指で合図を送ります。飼い主の合図を読み取るゲームにもなるので、チャレンジしてみてください。おやつ探しゲームは、犬が空腹のときにやるとうまくいきます。おやつを食べた分は、フード量を調節してください。
シニア期の犬と遊ぶときのポイント5選
若くて元気だったときに比べて、犬のからだは衰えています。次の5つのポイントを心がけて遊びましょう。
少し大げさに褒めよう
大げさにメリハリのある声で、そして笑顔で褒めましょう。聴力が衰えてきているので、はっきり褒めることで犬にもよく伝わります。飼い主が褒めてくれることは、犬にとって大きな喜びです。これは犬が何歳になっても、変わりません。
五感を刺激しよう
視覚・聴覚・臭覚・味覚・触覚、これらの犬の五感すべてを刺激するように遊びましょう。飼い主の顔を見る、声を聴く、おやつを味わう、触ったり触られたりする感触など、あらゆる刺激が老犬を活性化させます。
こまめに休憩を取ろう
犬が疲れたそぶりを見せなくても、休憩は必要です。楽しそうな姿を見ると続けたくなりますが、集中力もそれほど長くはありません。10分遊んだら5分休憩など、様子を見ながらこまめに休みましょう。
水分補給を忘れないで
脱水になりがちな老犬は、こまめな水分補給も大切です。新鮮なお水を、いつでも飲めるように用意しておきましょう。お水を飲みたがらないとき犬には、ウェットフードを与えるという方法もあります。
無理のない範囲で行おう
老犬と遊ぶときは、無理は禁物です。過激な遊びになると、筋肉や関節を傷める原因にもなりかねません。足を引きずる、歩きたがらないなどが見られたら、早めに動物病院で獣医師に診てもらいましょう。
まとめ:老犬だって遊びたい!
老犬にとって、遊びは心身へのよい刺激になります。高齢になっても、犬には飼い主と遊びたい気持ちがあること理解してあげましょう。からだを動かすことは筋力の低下を防ぎ、寝たきりの予防に効果的です。
「探す」「匂いを嗅ぐ」という動作は脳への刺激になり、認知症の予防にもなります。飼い主と触れ合って遊ぶことは、不安やストレスを解消にも有効です。
注意事項を踏まえながら、愛犬と一緒にゆっくりと、そして楽しく遊びましょう。