愛するペットが亡くなったときにどうしたらいいのか、知識を持っている飼い主は少ないのではないでしょうか。
しかし、いざというときに慌てず、納得のいくお別れをするために、ペット火葬は当日でもできるのか、ご遺体の安置方法、当日の流れなどペット火葬の基本情報を紹介します。
目次
ペット火葬は亡くなった当日でもできるの?
「人間は亡くなった当日は火葬できないけど、ペットはできるの?」そのような疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
ここでは、ペットを火葬するタイミングについて解説していきます。
当日の火葬も可能
人間の火葬は、死亡後24時間以上待つことが法律で定められていますが、動物にはそういう決まりはありません。実際、ペット火葬業者の多くは当日の火葬にも対応しています。
ただし、夜間や早朝、休業日の場合は翌日以降になってしまう可能性があります。
なかには24時間対応の業者もありますので、なるべく早く火葬をしてあげたいと考える場合には、そういった業者を選ぶとよいでしょう。
適切に安置すれば最大3日はOK
早く火葬をしてあげたいと考える飼い主がいる一方で、ゆっくりお別れをしたい、遠方の家族が帰ってくるのを待ちたいという方もいるかもしれません。
そんな場合にも適切な処置をすることで、最大3日程度はきれいな状態に保てます。ペットの大きさや室温にもよりますが、夏場で1〜2日、冬場は2〜3日が目安となります。
当日火葬をしたい、お別れまで数日時間がほしいというときには、火葬業者に相談してみましょう。
火葬までの安置方法
大切なペットが亡くなって最初に直面する問題は、「ご遺体をどうしたらいいのか」でしょう。
ご遺体は亡くなった瞬間から腐敗がはじまるため、少しでも早く適切に処置をする必要があります。迷わずに対処できるよう手順を追って安置方法を紹介します。
ご遺体の安置に必要なもの
ご遺体の安置に必要なものは以下になります。
• 棺として使用する箱(段ボールなど)
• バスタオル・毛布
• ペットシーツ・新聞紙
• 脱脂綿・コットン・ティッシュなど
• ブラシ・タオル
• 保冷剤
ご遺体を収めるための箱には保冷剤やお花なども入れますので、ひと回り大きいサイズのものにしてください。
また、ご遺体を冷やすのは氷でもよいですが、溶けた水が漏れてしまう可能性がありますので、保冷剤をおすすめします。
ご遺体をきれいにする
ペットが亡くなると2時間ほどで死後硬直がはじまります。できるだけ早い段階でからだの状態を整えてあげましょう。
整える手順は以下になります。
- 目が開いているときは、瞼をそっとなでるようにして閉じる
- 口が開いていたら閉じる
- 手足を胸に引き寄せて自然な型になるように折りたたむ
- 体を清浄にし、ブラッシングをする
- 口や肛門に脱脂綿を詰める
すでに死後硬直がはじまってしまっている場合は、無理に整えようとせずにそのまま寝かせてください。死後硬直は半日ほどでとけますので、それから整えてください。
体を冷やす
ご遺体の状態をきれいに整えたら、腐敗が進まないように冷やしてあげましょう。タオルなどで保冷剤を包み、以下の場所を冷やします。
• 頭
• 首元
• 胸
• おなか
• 背中
とくに、おなかと頭は傷みやすい場所なので保冷剤を多めに使用してしっかりと冷やすようにします。
外気に触れると溶けやすくなり、腐敗が進んでしまう原因になります。バスタオルなどで体を覆い、なるべく外気に触れないようにしてください。また、保冷剤の効果は一般的に6時間ほどです。こまめに交換するようにしましょう。
火葬の依頼先
火葬業者は大きくわけて、移動・出張火葬、霊園、自治体があります。火葬方法、セレモニー、返骨の有無など業者によって大きく異なります。
後悔のないようにそれぞれの特徴を知り、納得のいくお別れができるようにしましょう。
移動・出張火葬
移動・出張火葬は、大型のペットで搬送が困難、火葬場に出向くのが難しい人におすすめです。火葬炉を搭載した専用の火葬車を使い、自宅や希望の場所で火葬をします。24時間対応の業者が多いのも特徴です。
業者によって、骨上げができる「立ち会い火葬」、火葬から骨上げまですべてお任せする「一任火葬」などを選択することもできます。
霊園
ペット霊園のなかには、火葬もおこなっている業者もあります。都市部では24時間対応の霊園もあります。
ペット霊園で火葬する際は、個別火葬や合同火葬、立ち会い火葬など希望に合わせて選べるのが一般的です。また、人間の葬儀さながらのセレモニーをおこなうプランがある場合もあります。
火葬後は、併設の納骨堂やお墓に埋葬することも可能ですし、自宅に連れて帰って手元で供養することもできます。
自治体
ほとんどの自治体では、動物の火葬を請け負っています。
自治体での火葬は、ほかのペットやペット以外の動物たちといっしょに火葬をする合同火葬が一般的です。ご遺骨は手元に戻ってきません。
火葬後は自治体にもよりますが、共同墓地などに埋葬される場合もあります。
また、一部ですが個別火葬に対応している自治体もあります。気になる方はお住まいの自治体に問い合わせてみるとよいでしょう。
火葬当日の流れ
火葬当日の流れは、業者やプランによって異なります。合同火葬で一任する場合は、ご遺体をお渡しして、お別れとなります。
ここでは、立ち会い火葬の一般的な流れを紹介します。
- ご遺体の安置後に火葬を予約する
- 火葬場へ行く、またはお迎えが来る
- お別れのセレモニーなどをおこない火葬をする
- お骨上げをおこなう
- ご遺骨を受け取る
予約の際にプランを決めることになりますので、事前にホームページなどで確認し家族で話し合っておくとスムーズです。
お別れのセレモニーでは、僧侶の読経をするなど人間の葬儀と同様におこなう場合もあります。
火葬当日の持ち物と服装
ペット火葬にふさわしい服装と棺に入れられる副葬品について説明します。火葬業者によっても異なりますので、あくまでも一例として参考にしてください。
わからないことは、事前に火葬業者に問い合わせましょう。
服装は喪服でなくてもOK
火葬当日の服装は喪服でなくても大丈夫です。
霊園や火葬場に出向く場合は、普段着でもかまいませんが、派手なデザインや色の服は避けたほうが無難です。セミフォーマルな服装であれば間違いないでしょう。
訪問火葬の場合は、身内しかいないので普段着の方が多いです。とはいえ、落ち着いたデザイン、色の服をおすすめします。
持ち物は入れたい副葬品など
火葬の際には、ペットの愛用品や大好きだったおもちゃなどを棺に入れる方も多いでしょう。
ただし、ご遺骨に影響を与えてしまうものもあります。入れても問題ないか必ず確認してください。
以下は副葬品の一例です。
• ご飯・おやつ
• おもちゃ
• お花
• 手紙
• 首輪
• 飼い主の髪の毛
飼い主の髪の毛は「ペットが天国で寂しくないように」という思いが込められていると言われています。甘えん坊のペットのために入れてあげるのもおすすめです。
まとめ:事前にしっかりと確認して納得のお別れを
火葬は大切なペットとの最後のお別れの場です。いざ、ペットが亡くなってから準備をしても思うようにはいかないこともあります。
「生きているうちに火葬のことなんか考えたくない」と思う方も多いと思いますが、納得できるお別れをするためにも、事前にどのようにお見送りしたいのかを家族と話し合っておくことをおすすめします。