老猫の尿漏れに気付いたら放置せず、早めに動物病院を受診しましょう。たとえ病気がなくてもお腹の筋力が衰え、尿がうまく出せなくなることも。また足腰の筋力が弱ってトイレに間にあわない、トイレのふちがまたげなくなることもあります。
今回は、老猫の尿漏れの原因とその対処法について解説します。
目次
尿漏れの原因は?
老猫の尿漏れの原因は、病気によるものや筋力低下などが考えられます。老化現象だと放置せず、必ず動物病院で確認することが大切です。
膀胱炎や慢性腎不全、糖尿病など病気によるもの
老猫になると、さまざまな病気にかかりやすくなります。中でも、膀胱炎や慢性腎不全、糖尿病は、尿漏れの原因となりやすい病気です。
たとえば膀胱炎になると、1回の尿量は多くはないものの回数が増え、トイレに間に合わなくなって尿漏れを生じることがあります。水を飲む量が増え、必然的に尿量も増えるため、結果的に尿漏れになってしまうのが慢性腎不全や糖尿病です。尿道結石でも尿の回数が多くなるため、尿漏れを生じることがあります。
膀胱の筋力低下
老猫になると、どうしても体の筋肉が低下してしまいます。膀胱周辺の筋力もだんだん弱くなってしまうため、尿を貯めたり、出したりすることがうまくいかなくなりがちです。そのため意志に反して、尿が出てしまうこともあります。
そこに慢性腎不全や糖尿病などの病気も合わさると、尿量も多くなっているためコントロールが大変困難です。
トイレがうまく使えない
高齢化に伴い足腰の筋力が低下、関節痛も生じてしまうと、トイレに行くことが大変になってしまいます。筋力低下や関節痛に気付かないまま、若いときに使っていたトイレをそのまま使用していませんか?
トイレのふちをまたぐことすら、筋力が衰えた老猫にとっては大変なことです。さらに全体的な体力低下で、トイレに行くことが負担になっていることもあります。
尿漏れの対策は?
尿漏れは、老猫の老化の進行や体調不良のサイン。放置せず早めの対策をしましょう。尿漏れをそのままにしておくと、掃除や洗濯など飼い主の負担も増えてしまいます。
早めの受診
尿漏れの原因に病気がないか確認するため、まずは動物病院を受診しましょう。病気によっては療法食になる場合もあります。また多くの場合、尿検査をすることになるでしょう。動物病院にあらかじめ連絡をして、指示に従ってください。尿を採るコツを教えてくれるはずです。
システムトイレなら、一時的にトレーのシートを外して底に溜まった尿を簡単に採ることができます。トイレは一度洗い、猫砂もすべて新しくすることを忘れないようにしてください。
排尿のケアを
老猫の尿漏れは、布団やクッション、カーペットなどを汚すため飼い主にとっても大きなストレスです。老猫もお尻周辺が濡れやすく、皮膚が荒れる原因にも。尿漏れ対策をしっかり行いましょう。
猫のベッドやよく過ごす場所には、ペットシーツを敷いておき、尿をされて困るものは、床に置かないように片づけましょう。また、夜寝ている間に尿漏れをする老猫には、おむつをつけておくのもいいでしょう。蒸れないように、こまめに取り替えてください。お腹やお尻が尿で濡れていたら、お湯で絞ったタオルやペット用ウエットティッシュで拭き取り、乾かしてあげましょう。
トイレを見直す
トイレは、ふちが低いものに変えましょう。犬用のトイレトレーならまたぐ必要もありません。ペットシーツを敷き詰め、猫砂を巻いておきます。またはステップを置いて、トイレに入りやすくしてもいいでしょう。猫砂はたっぷり入れておくと、段差も小さくできます。
トイレは老猫の寝床の近くや、いつも過ごす場所に置きます。数を増やして、トイレに行きやすくしてください。
叱らない
猫のことは絶対に叱らないでください。尿漏れで部屋が汚れると、思わず猫を叱りたくなるかもしれません。何のことで叱られたか老猫にはわからず、飼い主への不信につながります。
年老いた猫にとって、排泄コントロールは難しいもの。元気でも間に合わないことがあります。「年を取ったらこういうもの」ととらえ、大らかな気持ちで老猫を見守ってあげましょう。
まとめ: 老猫の尿漏れは原因をしっかり探って対策!
尿漏れの原因には病気が潜んでいることがあります。必ず動物病院を受診しましょう。また膀胱周辺の筋力が低下して、尿を貯めたり排出したりというコントロールが困難になっていることもあります。
足の筋力低下や関節痛で、トイレに行くのが困難だったり、トイレのふちがまたげなかったりということも。トイレシーツやおむつを上手に用いるとともに、ふちの低いトイレに変える、トイレを寝床に近づけるなどの対策をとって快適な生活にしてあげましょう。