食欲は健康の大切な指標!老猫が食べないときの対応を解説!

老猫がごはんを食べない

食欲の低下は老猫の健康状態を急激に悪化させる重い症状ですが、単なる「食べムラ」や「味の選り好み」と見分けづらい症状でもあります。
この記事では、「食欲低下」と「食べムラ」を見分けるポイントや、それぞれで飼い主がとるべき対応についてまとめています。

老猫が食べない!ただの食べムラ?食欲低下?

猫は食の好みにうるさく、好みでないごはんには頑として口をつけないことも多い動物です。年齢を重ねるとその傾向がさらに強くなり、単なる「食べムラ」と「食欲低下」の見分けが難しくなってきます。
また、猫の食の好みは日によって変わるため、昨日は食べてくれたのに今日は食べない…ということもよくあります。

では、単なる「食べムラ」と「食欲の低下」を見分けるにはどこに注目すればよいのでしょうか。
獣医師が最も重要視するのは「体重の変化」です。体重の変化が全くないようであれば、「食べムラ」として少し様子を見てもよいでしょう。
一方、体重が減少していくようであれば、「食欲の低下」とみなして動物病院を受診することをおすすめします。

ここで注意が必要な点としては、体重の変化は必ず割合で考えなければならないという点です。

たとえば、もともと体重が4kgの猫が、1週間で100g痩せた場合を考えてみましょう。「100g」という数字だけみると、大したことがないように思えるかもしれません。
しかし、割合で考えるとどうでしょうか。1週間で体重が「2.5%」も減ったことになります。体重4kgの猫が1週間で100g痩せたということは、体重50kgのヒトが1週間で1.25kgも痩せたことと同じ意味を持っています。

このように、からだの小さな猫にとって100g単位での体重減少でも大きな変化であるということは忘れないようにしておきましょう。たかが100g程度と思い込まず、体重減少のサインを見逃さないようにできるとよいですね。
また、「もう歳だから…」と体重減少があるにも関わらず受診せず、病気の発見が遅れるケースが非常に多くみられます。安易に年齢のせいと自己判断せず、まずは一度動物病院に相談してみましょう

食べムラだった場合にとるべき対応

老猫の食べムラ

体重の減少がないようであれば、食べムラと考えて対応をとってもよいでしょう。ただし、体重減少がなくても元気がない場合や吐き戻しなど、他に何か変化がないか観察することが必要です。
食の好みがキッパリ決まっている猫に対しては、以下のような食の工夫をしてみるとよいでしょう。

  • ドライフードを与えている場合、大容量の大袋ではなく、小分けに包装されている商品を選んでみる。
    開封後は時間とともに風味が落ちていってしまう。
  • 味が違うフードを数種類用意し、ローテーションさせる。
    その日にどの味が好みなのかは、その日にならないとわからない。与えても食べない場合には何種類か試すことが大切。
  • 電子レンジで温めて、香りを強めてみる。
  • ドライフードやウェットフードを交互に与えてみる。
  • ミルクやふりかけなどでトッピングをしてみる。
    ミルクは必ず乳糖が入っていないペット用のものを選ぶ必要がある。ふりかけは栄養が偏ることもあるので、どうしても食べてくれないときの最終手段として与えてみる。

これらの工夫をしても、どうしても猫が食べてくれないときには、一度動物病院に相談に行ってみるとよいでしょう。
「食べムラ」をどうしたらよいのか、それぞれの猫に合った的確なアドバイスがもらえるかもしれません。

食欲低下だったときにとるべき対応

体重が減少していくようであれば、「食欲低下」とみなして可能な限り早く動物病院を受診するとよいでしょう。
ただし、食欲低下はありとあらゆる病気で起こりうるので、この記事では原因の紹介は割愛いたします。
「食欲低下」について検査治療の方針をたてる際には、問診で得られる日頃の猫の様子に関する情報が非常に重要な意味を持っています。獣医師に、以下の点について情報を提供できるようにしておくと、検査治療がスムーズにいきやすくなるでしょう。

  •  食欲は普段の何割くらいか。体重の減少はどのくらいか。
  •  元気はあるのか
  •  消化器症状はあるのか(吐き戻しや下痢など)
  •  排泄の状態(尿の量や薄さに変化はないか、便の状態に変化はないか)
  •  若い頃も含めての既往歴
  •  その他、少しでも変化があれば何でも

食欲低下はありとあらゆる病気で引き起こされます。そのため、検査しなければいけない範囲が広大になりがちです。
そんなときに、ご家庭での様子について正確な情報があると優先的に行うべき検査を絞りこむことができるのです。

まとめ

老猫の体重の変化

老猫があまりごはんを食べてくれないときに、それが単なる「食べムラ」なのか「食欲低下」なのか判断することはなかなか難しいでしょう。

そんなときに、重要な判断材料となるのが「体重の変化」です。老猫の健康状態を知るためには、普段から体重測定を習慣づけておくことが大切でしょう。体重測定は動物専用のものを使わなくても、人間用の体重計で十分です。
家族が猫を抱っこして測定し、その人の体重を差し引けば猫の体重を測ることができます。体重測定の頻度は1週間に1回程度が目安となるでしょう。

万が一、体重減少が認められるようであれば、なるべく早めに動物病院を受診しましょう。病気が隠れていないか調べてもらえるとよいですね。

\公式LINE友だち募集中/
友だち追加
本部サイトへの遷移