老犬の毛が抜ける!考えられる原因と症状・押さえたいポイント

愛犬の抜け毛

犬の健康状態をはかる上で、最もわかりやすいポイントの1つが毛並みです。愛犬の毛が突然抜けてしまうようなことがあれば、とても心配になりますよね。そんなときに役立てられるよう、この記事では毛が抜けたときに考えられる原因や、それぞれの特徴的な症状について解説します。

犬の毛の生え変わりについて

まず犬の毛の役割と、生え変わりの仕組みについて見ていきましょう。

犬の毛の役割とは?

犬の毛は役割によって、一次毛と二次毛の二種類に分けられており、一次毛は硬くゴワゴワしているのが特徴で、皮膚を保護する役割を持っています。

他方の二次毛は、柔らかくフワフワしているのが特徴で、からだを保温する役割をもっているのです。

換毛期のメカニズム

犬の毛は成長のステージによって、どんどん伸びていく成長期、成長が止まる休止期、抜け落ちて次の生え変わりの準備をする退行期に分類されます。
成長期から退行期の繰り返しのサイクルを毛周期と呼び、これは気温や日照時間によって進み方が調節されています。

このサイクルが正常に進むことで、冬毛から夏毛への生え変わりのような、いわゆる「換毛」が行われるのです。

抜け毛が多くなる季節

犬の本来の換毛期は春と秋で、この時期には抜け毛が多くなります。これは自然な抜け毛で、病気ではありません。

ただし、室内で大半の時間を過ごしている犬は換毛の時期がずれてしまうことも多いです。またチワワに代表される、年間を通して暖かい地域が原産の犬種には、換毛期が存在しないこともあります。

老犬の毛が抜ける原因と症状

犬のブラッシング

ここでは、老犬に多くなってくる抜け毛の原因と症状についてご紹介します。愛犬の抜け毛が気になる方は、チェックしてみてください。

ストレス

精神的なストレスによる抜け毛と、身体的なストレスによる抜け毛で特徴が異なります。

犬は精神的なストレスを感じると、自分の身体を舐めて心を落ち着かせようとします。この習性があるため、身体を舐める犬を見かけることも多いかもしれません。
つまり、精神的なストレスによる抜け毛は舐め行動が目立ったり、前足など犬が舐めやすい一部にのみ、抜け毛が目立ったりする症状がみられることが多くなっています。

一方、手術に代表される身体的ストレスでは、身体全体の毛がなんとなく薄くなったり、手術時の毛刈りの跡がなかなか生えてこなかったりするということで、気づかれることが多いです。

老化現象

犬も老化によって毛が薄くなることがあります。
ただし通常の場合、人間の老化による脱毛とは異なり、それほど重くはなりません。なんとなく「鼻筋の毛が薄くなったな」、といった具合で終わることがほとんどです。地肌がみえるほど明らかな抜け毛では、まず病気の可能性を第一に考えましょう。

皮膚の疾患

皮膚病による抜け毛は2種類に分かれます。

1つは、アトピー性皮膚炎など、犬が痒みを感じる病気による抜け毛です。犬が自分をかきむしることによる抜け毛なので、どこかを舐めたりかじったりと明らかな痒みがみられ、千切れた毛がみられるのが特徴になっています。

もう1つは、毛包という毛の根元が細菌感染などにより、ダメージを受けることによる抜け毛です。皮膚にポツポツとした、いわゆる湿疹ができたり、カサブタができたりするのが特徴になっています。

その他の病気

高齢になるにつれホルモンの病気を発症しやすくなり、これによって抜け毛が起きることがあります。代表的なのは副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)や甲状腺機能低下症という病気です。

抜け方の特徴は、お腹や背中などの体幹の毛がまんべんなく薄くなる点です。また尾の先端の毛が薄くなる、「ラットテイル」と呼ばれる症状がみられることもあります。

飼い主はどうすればいいの?

チワワのブラッシング

愛犬の毛が抜けていることに気づいたときには、どのように対応したらよいのでしょうか。ここからは、飼い主さんが自宅でできる、対応についてご紹介します。

まずは原因の特定を!

抜け毛に気づいたときには、まず獣医師に相談して、その原因を特定することが重要です。抜け毛の原因を特定するには、動物病院で行う検査だけではなく、犬の自宅での様子が重要な手がかりとなります。

獣医師には、

  • いつ頃から
  • 痒みがある・ない
  • 環境の変化はある・ない

といった点をきちんと伝えると、その後の診察がスムーズに進むでしょう。

生活環境を整えよう!

不衛生な環境では、当然皮膚病を起こしやすくなります。犬の生活環境を清潔に保ってあげるようにしましょう。

またノミやカビの寄生による抜け毛では、抜けた毛が感染源となり同居している犬にも病気がうつってしまうことがあります。抜け毛はこまめに掃除し、ノミ予防を定期的にしてあげましょう。

ブラッシングをしよう!

アトピー性皮膚炎や細菌感染などの皮膚病の治療では、毛や皮膚を清潔に保ってあげることが重要です。こまめなシャンプーやリンス、ブラッシングを心がけて、犬の皮膚も清潔を保ってあげましょう。

お食事を見直そう!

老犬になってくると、消化吸収能力が落ちてくることが多いです。若い頃と同じ食事を与えていても、うまく栄養が吸収できていないことがありえます。

老犬向けに消化率にこだわった食事も数多く市販されていますので、愛犬のライフステージに合わせた食事に見直してみることもおすすめします。

まとめ:老犬の抜け毛に気づいたら

毛並みは犬の健康状態をはかる重要なポイントです。老犬は細菌感染などの皮膚病にかかりやすくなったり、ホルモンの病気を発症してしまったりと、抜け毛が多くなってくる傾向にあります。

もし、飼い主の皆さんが犬の抜け毛に気づいたら、まずは動物病院で病的なものかどうか相談しましょう。毛の異常に早めに気づき、また獣医師の問診に答えられるよう、普段からしっかりと様子を観察してあげてください。

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ABOUTこの記事をかいた人

ふぁみまる編集部

今まで犬を始め、フェレット・ハムスター・カメ・インコなどさまざまなペットを飼育してきました。現在は、ジャックラッセルテリアと雑種の2匹を可愛がっています。趣味は愛犬たちとの旅行です。 このメディアでは、多くの飼い主の方々の不安や疑問・困っていることを一緒に解決していきたいと考えています。