【獣医師監修】猫が爪を噛む・引っ張るのはなぜ?対処法と病院へ行くタイミングを紹介

猫 爪 噛む

猫が爪を噛んだり、引っ張ったりしている姿は日常的によく見かけるのではないでしょうか。しかし、見るたびに爪をカチカチ噛んでいると心配になります。
この記事では、猫が爪を噛む理由、噛みすぎるときの対処法、病院に行くタイミングについて紹介します。

猫の爪の構造

猫が爪を噛む・引っ張る理由を考える前に、猫の爪がどのような構造になっているのかを確認しておきましょう。

爪の構造

猫の爪は薄い爪の層が何層にも重なり中心部ほど新しく柔らかく、外側の層ほど古く固くなっています。爪を研ぐと外側の古い層がはがれ落ち、新しい層が出てきます。根元に近いピンク色の部分は「クイック」とよばれ、血管や神経があります。

爪が伸びすぎるとどうなる?

猫の爪は切ったり、爪とぎをしたりしなければどんどん伸びてしまい、歩きにくくなるだけでなく肉球に刺さることもあります。不快感からストレスがかかる可能性もあります。

定期的な爪切りが必要

猫の爪は伸び続けますので、伸びすぎると爪を気にして噛んでしまったり、爪が肉球に刺さり痛みが出てしまったりするでしょう。このような状態になると爪の周囲が炎症を起こし、舐めてしまうことで症状が悪化します。そのため、1か月を目途に爪を切るようにしましょう。

猫が爪を噛む理由

猫 爪 噛む

猫が爪を噛む・引っ張る姿を見かけることがありますが、様子を見てよい場合と注意が必要な場合があります。

グルーミング

猫はきれい好きですので、1日に数回グルーミングします。お手入れの一環として爪を器用に出して噛んだり引っ張ったりしている姿を見かけることがありますね。ずっと噛んでいなければグルーミングですので心配はありません。

伸びすぎて気になる

爪が伸びすぎると歩きにくくなったり、何かに引っ掛かったりする長さになると猫自身も気にします。フローリングを歩くときにカチカチと音がする場合は伸びすぎです。爪を気にして噛んでいる場合はまず長さをチェックしましょう。足先から爪が見える状態は伸びすぎです。

痒みや痛み

爪自体が痒くなることはありませんが、爪の根元や指の間などに感染が起きると痒みから舐めたり噛んだりするようになります。また、どこかに引っ掛けて爪がとれそうになるとかなりの痛みが生じますし、爪の根元から血が出ます。痒みや痛みがひどくなると、何とか解決しようと爪を噛む・引っ張るようになりさらに悪化します。

ストレス

何らかの理由でストレスがかかるとストレス発散のために爪を噛む・引っ張るようになる場合があります。グルーミングではないので爪の先端がぼろぼろになったり、極端に短い爪があったりします。かなり長時間噛む場合や、やめさせようとすると怒る場合もあります。何がストレスになっているのかはわかりにくいことが多いのですが、心当たりがないか確認してみましょう。

猫が爪を噛みすぎるとどうなる?

猫 爪 噛む

爪を噛みすぎるとどのような症状が起こるのでしょうか?確認しておきましょう。

爪を噛みすぎて血が出る

爪を噛みすぎて、根元のクイックを痛めると血が出ます。クイックを激しく痛めてしまうと血が止まらず病院での処置が必要になります。

爪がボロボロになる

爪の先端がボロボロになりささくれたようになったり、縦に割れたりします。痛みが出ますのでさらに気にする原因になります。

爪の根元が腫れる・赤くなる

爪を噛みすぎると刺激や細菌感染から根元が腫れたり、赤くなったりします。炎症や感染が起こると痒みや痛みがおこるためにさらに噛んだり、引っ張ったりするようにします。症状が悪化すると化膿したり、皮膚に穴が開いてしまったりすることもあります。

歩けなくなることも

爪を噛みすぎて損傷が激しくなったり、化膿してしまうと痛みから歩けなくなったりする場合があります。指の骨は小さく、爪周辺の化膿が骨に及ぶと骨がとける場合や、敗血症の原因になり命にかかわる可能性もあります。

動物病院に行くタイミング

爪の噛みすぎでおこる様々な症状について紹介しましたが、どのタイミングで動物病院を受診したら良いのでしょうか。必ず受診してもらいたい4つの症状をあげますので、参考にしてください。

爪から血が出ている

爪から出血がある場合は出血の量に関係なく動物病院で診てもらいましょう。出血の程度や部位にもよりますが、適切な治療が必要です。舐める場合はエリザベスカラーを付けて防止した方がよいでしょう。

爪の周りが腫れている

爪の周囲が腫れている場合は、爪の根元又は周辺の皮膚への感染が考えられます。赤くなっている、脱毛している、指が大きく見えるなどの症状がある場合は受診してください。様子を見ていると徐々に悪化してしまい痛みから足を浮かせるようになり生活に支障が出ます。

爪の周りから膿(うみ)が出ている

膿が出ている場合は細菌感染が起きていますので、消毒や内服薬などで集中的に治療することが必要です。症状が重くなると爪が取れてしまうことがあります。指の骨に感染が起こると、外科的な処置を行わなければなりません。また、敗血症を起こすと命にかかわります。

舐めて治すという言葉もありますが、動物の舐めるは人に置き換えると「さする」に近い行為です。気になるところや痛みのある所をさすることを人も行いますが、排膿している状況では舐めるとさらに悪化し、どんどん治りにくくなります。早急な動物病院で治療を受けましょう。

肢をあげている

肢を床につけない状態は痛みがあると判断します。痛みがあると見せてくれなくなって状況がわかりにくくなりますが、気にして噛んだり、引っ張っていた爪のある部位が腫れていたり、ジクジクした状態になっているのではないでしょうか。

最悪の場合、指の骨に感染が起きていてジンジンとした痛みが起きているかもしれません。必ず病院を受診し、レントゲンなどで状態の確認と早急な治療を受けるようにしてください。

まとめ

猫はきれい好きです。1日に数回全身のお手入れをしています。お手入れとして爪を噛んでいる場合もありますが、異常に気にして何度も爪を噛んだり引っ張ったりしている場合は、お手入れ以外の理由があります。爪をあまりにも噛んでいる場合は早めに動物病院を受診しましょう。

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