老猫の口が臭い!原因と対策について解説!

老猫の口臭

老猫の口が臭い!原因と対策について解説!

年齢を重ねるにつれて、口臭が強くなってくる猫は多くいます。
強い口臭の背景には病気が隠れている可能性もあります。ある日ふと愛猫の口が臭いことに気づいて、病気なのかどうか心配……なんてことも。そんな飼い主に向けて、この記事では老猫の口臭の原因と、飼い主がとれる対応について解説していきます。

口臭の原因として考えられる病気

口臭の原因として考えられる病気はいくつもありますが、
1、口腔内・消化器の病気
2、全身の病気
この2つに大別することができます。
この章ではそれぞれのグルーブで代表的な病気について解説します。

1、口腔内・消化器の病気

・歯周病
歯槽膿漏に代表され、歯垢や歯石の蓄積によって引き起こされる病気です。
歯石は年齢を重ねるにつれてどうしても蓄積していくため、加齢とともに発生しやすくなります。歯磨きなどによる予防が大切ですが、既に発生してしまった歯周病を歯磨きで治すことはできません。
治療には動物病院で全身麻酔をかけて歯石の除去と抜歯処置が必要となります。無麻酔で歯石の除去ができないか考える飼い主が多いですが、よほどの事情が無い限りおすすめしません。処置にはかなりの痛みを伴うほか、無麻酔で行えばかえって症状を悪化させることもあります。

・口内炎
歯石が原因となるほか、猫ではウイルス性の口内炎も発生する可能性があります。
猫風邪にかかったことのある猫は特に注意が必要です。口の中をのぞくと内頬や歯肉が赤く腫れ、炎症が起きている様子を観察することができます。また、よだれを垂れ流すようになったり、痛みによって食欲が落ちたりすることもあります。しっかりと動物病院で治療法を相談しましょう。

老猫の口内炎については、こちらの記事でも紹介しています。
老猫に増えてくる口内炎!考えられる原因や治療について解説!

・胃腸炎
重い胃腸炎によって口臭が強くなったり、臭いの質が変わったりすることがあります。
口臭の他に、食欲低下や、嘔吐、下痢などの症状を伴うこともあります。慢性腎臓病や慢性膵炎、甲状腺機能亢進症に代表される基礎疾患を持っている猫は胃腸炎を発症しやすいので、とくに注意が必要です。口臭の他に消化器症状を伴うケースではなるべく早く動物病院を受診するべきでしょう。

2、全身の病気

・腎不全
老廃物を尿として排泄する腎臓の機能がほぼ失われた状態を指します。
ユリなどの観葉植物のような毒性のあるものを誤食してしまった場合には急性腎不全が起きることがあります。また慢性腎臓病の末期にも腎不全が生じます。慢性腎臓病は10歳以上の猫のおよそ3頭に1頭が発症してしまう病気で、10才以上の猫の死因の第二位です。

腎不全を発症すると、からだの中の老廃物をからだ外に排泄することができなくなり、血液中に毒素がまわってしまいます。アンモニアのような刺激のある口臭がし、元気食欲の低下、尿量の異常(多くなる、あるいは極端に少なくなる)がみられます。
緊急治療が必要な状態ですので、様子見をしたりせずに一刻も早く動物病院に連れていきましょう。

・糖尿病
猫にも糖尿病が存在し、発症すると甘ったるいような口臭になることがあります。
飲水量や尿量の増加、食欲はあるのに痩せていくという症状も特徴的です。
肥満体型の猫は特に発症リスクが高く、理想体型の猫と比べて4倍ともいわれていますのでとくに注意が必要です。

治療は食事療法と体重管理、インスリン注射が主となります。早期に治療を開始することができれば、インスリン注射を中止できる猫も少なくありません。

口臭が気になるときの対応

老猫の口臭対応
口臭が強い場合には、まずは動物病院に相談するのが基本的な方針となります。
この章では、動物病院での診察がスムーズに進むように飼い主が獣医師に伝えられるとよい情報を紹介します。

口の中の観察

・歯石の付着はどの程度か
・歯ぐきや頬の内側などに赤く腫れている部分がないか

歯周病や口内炎が原因である場合、治療には全身麻酔下での処置や抗生剤・抗ウイルス剤の投与などが必要です。口内環境の改善を目的としたサプリメントも市販されていますが、歯周病や口内炎が原因の場合には根本的な解決にはなりません。
ただし、高齢で全身麻酔のリスクが高かったり、他に病気を持っていたりする場合、口内環境の改善を目的としたサプリメントを試してみるのも1つの選択肢なります。

全身の状態の観察

・元気食欲はどうか
・体重は減ってきていないか
・飲水量や尿量の変化はないか
・嘔吐や下痢などの消化器症状はないか

以上の項目は、口臭が気になる場合だけではなく普段から愛猫の健康管理の一環として観察しておくことが望ましいでしょう。
体重については週に1度程度、人間の体重計で十分ですので測ってあげることをおすすめします。全身の状態が悪化している場合には重い病気のことが多くありますから、できるだけ早く動物病院に相談することが大切です。

口臭の予防法

老猫の口臭予防
この章では飼い主が自宅でできる口臭の予防法を紹介します。何事も治療より予防のほうが大切で、費用も安く、簡単に済むことが多いです。ぜひ実践してみてください。

・歯石の蓄積を予防する
歯磨きガムなどさまざまな製品が市販されていますが、最も効果的なのはブラッシングで歯垢を物理的に除去する方法です。ただしブラッシングを受け入れてくれない猫も多いです。その場合には、指にガーゼなどを巻いて歯の表面を磨くだけでも一定の効果は望めます。それさえも受け入れてくれない猫の場合には、歯石予防効果をうたうサプリメントを試してみるのも1つでしょう。またウェットフードと比べ、ドライフードのほうが歯石の付着が少ないです。ウェットを食べている猫の場合には、ドライのみに変えてみるのも有効です。

・全身の病気を早期に発見する
毎日の健康観察を欠かさないことに加えて、定期的に動物病院での健康診断をうけることが大切です。老猫の場合、一般的には半年に1回は健康診断を受けることが推奨されています。猫の1年間は人間でいうと4年間とよくいわれます。人間にたとえれば、2年に一回は病院で健康診断を受けましょう、と言われるとなんとなくイメージがつかみやすいのではないでしょうか。

まとめ

口臭対策の主軸は歯石の蓄積をなるべく少なくすることです。
一度付着した歯石は全身麻酔をかけないと除去できないため、日頃のケアが大切です。ただし全身の病気が隠れていることもあるため、口臭の原因を歯石だけに求めるのは危険です。既に口臭が強い猫の場合には、一度動物病院に相談してみましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

ふぁみまる編集部

今まで犬を始め、フェレット・ハムスター・カメ・インコなどさまざまなペットを飼育してきました。現在は、ジャックラッセルテリアと雑種の2匹を可愛がっています。趣味は愛犬たちとの旅行です。 このメディアでは、多くの飼い主の方々の不安や疑問・困っていることを一緒に解決していきたいと考えています。