老猫には、なるべく自分で排泄できる環境を作ってあげたいものです。それには老猫の状況に応じたトイレと、トイレ環境を作ってあげる必要があります。足腰が弱った老猫でもまたぎやすいトイレに変更する、トイレを寝床に近づけるなど、老猫にとって快適なトイレにしていきましょう。
今回は、そんな老猫のトイレ事情についてご紹介します。
目次
トイレを見直すサイン
そろそろトイレを見直した方がいいかな?というサインがあります。老猫の様子をよくチェックしておきましょう。
粗相が増えた
今まではちゃんと排泄できていたのに粗相が増えたときは、トイレに間に合わない、トイレそのものが使いにくいという可能性があります。粗相が増えた背景には、何らかの病気になっている可能性もあるため、まずは動物病院を受診してください。病気であってもなくても、粗相が増えたらトイレを必ず見直しましょう。
トイレをまたぐのに苦労している
足腰が弱ってくると、トイレのふちをまたぐのが大変になってくることがあります。ふちの低いトイレにするか、スロープやステップを設置してあげましょう。足腰の関節に、痛みがある可能性もあります。またぐのに苦労している場合も、動物病院を受診しましょう。
トイレのふちに足がかかっている
トイレのふちに足をかけて排泄しているのは、トイレが小さすぎる可能性があります。特に老猫になると、しっかりと踏ん張れず、よろよろと動いてしまうため、トイレの外に排泄物が出てしまうこともあります。
老猫が快適に排泄するためにも、部屋を汚さないためにも、大きめトイレに変更してあげましょう。
多頭飼い
多頭飼いの場合は、老猫の好みのトイレが使えていない可能性があります。動きが鈍くなり、好きなトイレを他の猫に使われてしまう、トイレまでの道に苦手な猫が居座るようになるなどで排泄を我慢することも。老猫が、ひとりでゆったり使えるトイレを用意してあげましょう。
老猫が使いやすいトイレとは
老猫にはどのようなトイレが向いているのでしょうか。猫はトイレがイヤだと思うと、我慢したり、粗相したりしてしまいます。使いやすいお気に入りトイレを設置してあげましょう。どんなトイレでも、こまめなお掃除は必須です。
ふちが低いもの
年をとって足腰が弱っても、楽にまたげる高さのトイレが使いやすくなります。トイレの横にスロープやステップを置いて、猫砂を多めに入れるのでもいいでしょう。
大きめサイズ
老猫が排泄前にくるくる回っても余裕のある、大きめサイズがおすすめです。足腰が安定せず動き回ることが増えるため、老猫はちゃんと排泄しているつもりでも排泄物だけがトイレの外に出ていることがあります。余裕のあるサイズの方が猫は安心して排泄できることからも、大きめサイズがおすすめです。
周囲には滑り止めを
「トイレに入りたいのにフローリングの床で足が滑ってしまう」ということを避けるためにも、トイレ周囲には滑り止めになるマットを敷いておきましょう。老猫のベッドからトイレまでの通り道にも、マットを敷いておくと歩きやすくなります。
またぐのが困難になったら
ふちの浅いトイレでもまたぐのに苦労するようになったら、犬用のトイレトレーに変更するのがおすすめです。トイレシーツを敷いてその上に猫砂を置くことで、猫は「トイレだ」と認識できるはずです。
場所を見直す
老猫になったら、「トイレの場所」も見直してあげることが必要です。トイレの場所が遠いと、排泄を我慢したり、粗相をしたりすることがあります。
寝床に近い場所に
老猫は、トイレが寝床から遠いと「トイレに間に合わない」「トイレまで行くのがつらい」ということが増えてきます。寝床のスペースにトイレを近づけてあげましょう。または、寝床の近くに新しくトイレを設置します。
ただし、猫はごはんを食べる場所とトイレが近いと、ごはんを食べなくなることがあります。ごはんを食べる場所には近づけないでください。
いつも老猫が過ごす場所にもトイレを
トイレの数そのものを増やし、老猫が昼間もリラックスしている場所にトイレを置いてあげましょう。特に多頭飼いの場合は強い猫に邪魔をされて、お気に入りのトイレが使えなくなっていることがあります。
強い猫は、トイレの近くではなく、トイレに向かう通り道にいつも寝ている場合があります。猫たちの行動をよく観察して、トイレの設置場所を工夫してください。部屋の景観は損ないますが、あちこちにトイレを置くとすぐ排泄できるので、老猫にとって快適です。
まとめ:老猫のトイレを見直そう
老猫になって粗相が増えてきたら、まずは動物病院を受診して病気がないか調べてもらいます。それと同時に、老猫が使いやすいようにトイレを見直してあげましょう。トイレのふちが高くてまたげない、トイレが遠いなどが原因で、粗相が増えることがあります。
たとえ粗相がなくても、高齢になったらトイレを見直すことで快適に排泄することができます。
老猫の様子をチェックしながら、使いやすいトイレとトイレ環境を作ってあげましょう。