目次
犬は寒さに強いなどと思われていたのは一昔前のことで、現在の生活様式ではほとんどの家庭で室内飼育となっています。
そのため、寒さに慣れていない、苦手なワンちゃんも多くいます。
温かい時期と同じようなお手入れ方法だと体調不良を起こしてしまう心配があります。
また、気温以外に湿度が変わることで、お手入れ方法を変える必要があります。
それぞれのワンちゃんの状態に合わせたお手入れ方法で、寒い時期の過ごし方をご紹介いたします。
乾燥に注意
ヒーター、エアコン、床暖房など、室内では様々な防寒対策をされていると思います。
本来であれば寒さに耐えている時期に、温かく快適な室内で過ごすことにより、本来の身体機能の低下、新陳代謝の低下を起こし、さらに乾燥した空気で乾燥肌まで起こしているのです。
乾燥肌になると
フケ、かゆみ、赤み、湿疹、脱毛など様々なトラブルが予想されます。
フケは不衛生にしている時だけに出るものでは決してありません。
水分や油分を過剰に失うことにより、皮膚の表面が剥がれ落ちた際に出るものでもあります。
シャンプーについて
乾燥から来るフケやかゆみなどの症状が出ている時は、シャンプーを控えることも必要です。
皮膚が乾燥することにより、本来の機能を失っている状態でシャンプーをするとで、必要な水分や油分まで失うことになります。
フケやかゆみをとって清潔にしてあげたいところですが、元の皮膚の状態に戻すために、水分保持機能を上げ、油分が十分に行き渡るようにシャンプーは少しの間控えてあげましょう。
代わりにブラッシングをしてあげましょう
とはいえ一緒に暮らすうえで、どうしても抜け毛や体臭が気になるのも正直なところです。
そんな時はドライシャンプーや、ブラッシング用のスプレーなどを使用し、こまめにブラッシングをしてあげましょう。
ブラッシングをすることにより、血行が促進され、代謝が上がるのでトラブルの改善にも繋がります。
また、静電気による毛玉やもつれも防ぐことが出来ます。
毛玉について
先ほどブラッシングの所で触れましたが、長毛種の子では寒くなると夏場に比べ、毛を長めに残すカットが好まれます。静電気以外にも、洋服を着せたり、布団やこたつの中にもぐったりと毛が絡まりやすくなり、毛玉ができる原因となってしまいます。
一度毛玉になってしまうとワンちゃんにとって様々な問題が起きます。
毛玉になっている部分は、汚れがたまりやすくなり、通気性も悪くなるので蒸れから不衛生な状態になったり、固まった毛で常に皮膚が引っ張られた状態になってしまいます。
その状態でシャンプーをしてしまうと毛玉のところにシャンプー剤が残ったり、ブラシが通らず乾かせない状態で放置をすると、そこから皮膚が炎症を起こし、皮膚病になる恐れがあります。
そしてこの状態を繰り返すと、部分的にできていた毛玉はお互いにくっつき合い、全身をフェルト状に覆ってしまいます。
この状態になると、家庭でのブラッシングで取り除こうとすれば、ワンちゃんは痛みで悲鳴をあげ、大変なストレスとなります。
プロの手を借りて時間とお金をかけ、全身を短く刈ってもらうしかありません。
その後皮膚病の改善と、正しいお手入れをしていく必要があります。
肉球のひび割れに注意
乾燥により足の裏も潤いを失いカサカサになったりひび割れが起きたりします。
暖房器具による乾燥、散歩から帰った後に洗うことも原因の一つです。
特に冬場は静電気により地面に接する足先の毛は砂埃を吸収し、特に汚れやすくなるため、いつもより時間をかけて洗ってしまうので、余計に乾燥してしまうのです。
この状態で放置するとカサカサになり、ひび割れを起こすということになるのです。
ひび割れを起こした状態で散歩に行くと、ワンちゃんは痛みを感じて足をかばうようにして歩くことがあります。
また、気になって何度も足の裏をなめて、指の間にも炎症が起きてしまいます。
防ぐ方法としては、専用のクリームやジェルを塗ってしっかり保湿をしてあげましょう。
ほとんどの商品がワンちゃん専用ですので、舐めても安心な成分で作られています。
また慣れていれば、専用の靴や靴下をはかせてあげても良いでしょう。
耳の汚れに注意
全体的には乾燥が気になりますが、耳は蒸れで汚れる子がいます。
普段はきれいな子でも、布団やこたつにもぐることが原因で蒸れてしまうからです。
耳の中が蒸れた状態だと菌が繁殖し、茶色く湿った耳垢が出ます。
放置すると中耳炎や外耳炎の原因になったり、手足で掻きむしったりして皮膚を傷つけたり、その匂いのついた手足を舐めまわしたりと、悪循環になってしまいます。
耳掃除専用のクリーナーで、こまめに掃除をしてあげましょう。
実際にお手入れをしてみよう。
ブラッシング
毛玉ができやすい場所は脇の下、耳の付け根の後ろ側など、擦れやすい場所。
足先やお尻、顔回りなど、触られるのを嫌がる場所。
他に、毛が長かったり、細く絡まりやすい部分、洋服が当たる部分などがあります。
まずは櫛を通して引っかかる所があれば、ブラシで優しく丁寧にとかしてあげましょう。
この時に、膝の上や台の上で行うと、ワンちゃんの動きが制限され、スムーズに行うことが出来ます。
また、長毛種以外でも、柴犬やコーギーなどは固い上毛と柔らかい下毛の二層構造になっており、換毛期に限らず放置すると、本来抜けるべき下毛が絡まり、もつれてしまうことがあります。
これを取り除く際も、ワンちゃんにはストレスがかかりますので上の方法でこまめにブラッシングをしてあげましょう。
耳掃除
ブラッシングと同じく、ワンちゃんを膝や台の上に乗せます。
専用のクリーナーをコットンなどにしみ込ませ、耳の中を優しく拭いてあげましょう。
この時強く押し当てると、ワンちゃんが痛がるだけでなく、汚れを奥に押し込めてしまう可能性もあります。
必ず優しく汚れをすくい取るように掃除をしてあげて下さい。
まとめ
お手入れをすることで皮膚や耳のトラブル解消以外にも、全身をチェックすることができるので、何か異常に気付いた場合、早期発見にも繋がります。
そしてワンちゃんとのコミュニケーションをはかることもできます。
ですが、残念ながら中にはお手入れ嫌いなワンちゃんもいます。
そういった子の場合、お家で無理に行ってしまうと、余計トラウマになってしまうこともありますので、病院やサロンなどプロの手を借りても良いでしょう。