【老犬がかかりやすい病気】その理由と症状、対処法について

元気のない犬

老犬には、かかりやすい病気がいくつかあります。高齢になると犬の変化を「年のせいだろう」と思いがちです。

しかし「実は病気だった」ということもあるため、先入観を持たず早く気づいてあげることが大切。早期発見には飼い主さんの日頃の観察が欠かせません。

老犬がかかりやすい病気にはどのようなものがあるのか、どのような特徴があるのか、さらには対処法についてもわかりやすく解説します。早期発見に役立ててください。

老犬に多い病気は何がある?

老犬に多いとされている病気を解説します。どのような病気があるか、あらかじめ知っておきましょう。

糖尿病

犬も糖尿病にかかります。糖尿病はすい臓から分泌されるインスリンが不足することで生じる病気です。比較的小型犬に多いとされ、お水をたくさん飲み、尿もたくさんすることが大きな特徴とされています。

食欲が増進することが多く、始めのうちは元気だと思われがちです。ただ病気が進行してくると、お腹が膨れる、太っていた犬が急にやせる、という症状が現れるようになります。

心臓の病気

老犬によくみられる心臓病が、「僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)」です。初期には目立った症状はありませんが、しだいに運動や興奮で咳が出るようになります。進行すると安静にしていても咳が出て、散歩を嫌がり座ってしまうこともよくみられる症状です。

さらに重症になると、心不全を起こし呼吸困難や肺水腫を合併するため、命に関わる可能性もあります。

腎臓の病気

腎臓病では「慢性腎不全」が代表的です。徐々に腎臓の機能が失われていくため、最初はなかなか気づくことができません。水をたくさん飲み、尿も多くなるのが最初の症状です。そのまま進行していくと、嘔吐や貧血、食欲低下がみられるようになります。

腎不全は早期発見すると処方食や点滴で、進行を遅らせることが可能です。

悪性腫瘍

悪性腫瘍(がん)は、犬にも多くみられる病気です。高齢になるとどうしても抵抗力や代謝が低下してしまうため、悪性腫瘍が発生しやすくなります。悪性腫瘍ができる部位は、乳腺、肝臓、脳、膀胱、骨、リンパ、皮膚など多岐にわたるのは人間と変わりありません。

犬が老化で引き起こす病気と症状

老犬の足

犬の老化が引き起こす代表的な病気と、その症状とはどのようなものでしょうか。「老化現象だから……」と放置せず、早めに治療することが大切です。

目の病気

「老齢性白内障」は、加齢に伴って発生します。目が白く濁って見えるため、飼い主も気付きやすい病気といえるでしょう。進行するとボールやおもちゃを追えなくなる、家具にぶつかりやすくなるなど症状もみられます。

糖尿病など、他の病気が原因で生じる白内障もあるので注意が必要です。

骨や筋肉の病気

「変形関節症」は、軟骨の変性によって生じる病気です。痛みで歩きたがらない、階段を嫌がるなどの症状がみられます。老犬にみられる椎間板ヘルニアの多くは、徐々に病気が進行する「椎間板突出症」です。突出した椎間板が脊椎を圧迫するので、痛みが最初の症状として現れます。

進行すると足がマヒしたり、排尿困難になったりすることもあります。

脳の病気

老犬の脳の病気で代表的なものが、「認知症」です。犬の認知症について、正しくは「認知機能不全」と呼ばれています。同じところをぐるぐる回る、単調に吠え続ける、しつけを忘れる、生活が昼夜逆転する、飼い主を忘れるなどさまざまな症状がありますが、どの犬にもすべての症状が出るわけではありません。

原因は脳の血管の出血、脳炎、脳腫瘍、ストレス、脳の老化によるものなどが考えられます。

皮膚の病気

高齢になると免疫力が低下するため、「皮膚真菌症」にもかかりやすくなります。真菌はカビの一種で、フケや脱毛が主な症状です。人にも感染することがあるので注意しましょう。

他にも抵抗力が落ちた老犬は、皮膚に炎症を起こす「ニキビダニ」にも注意が必要です。

対処法にはどんなことがあるの?

獣医師と飼い主

老犬の病気に早く気づくためには、飼い主の日頃の観察とケアが欠かせません。

また動物病院の健康診断を定期的に受けることも重要です。早期発見すれば、治療の負担も少なくなるメリットがあります。

動物病院での健康診断

動物病院で定期的に健康診断を受けることは、病気の早期発見につながります。元気なうちから健康診断を受けると、正常値と異常値の比較もしやすいこともメリットです。

また人間の約4倍の速さで年を取る犬のことを考えると、1年に一度の定期健診では4年に一度という間隔になってしまいます。犬の大きさや体質、病歴を考慮し、どの程度の間隔で健康診断を受ければよいか獣医師に相談しましょう。

お家でできること

家でも、犬の様子をよく観察することで病気の早期発見が可能になります。マッサージで、身体をすみずみまで触ることも大切です。皮膚の異常や腫瘍に、早く気付いてあげることができます。また人に身体中触られることに慣れていると、診察のときに暴れにくくなるのもメリットです。

犬の様子がいつもと違うと思ったら、早めに動物病を受診しましょう。動作やしぐさで気になることがあったら、動画を録っておくと診察に役立ちます。

まとめ:老犬には細やかなチェックを!

老犬の健康のためには、日頃の細やかなチェックが欠かせません。万が一病気になったとしても、早期発見することで治療の負担を減らせます。そのためにも老犬がかかりやすい病気には、どのようなものがあるかを理解しておきましょう。

動物病院での定期的な健康診断も大切です。元気なときから獣医さんに診てもらうことで、病気を発見しやすくなるメリットがあります。またちょっとでも変だなと感じたら、動物病院を早めに受診しましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

ふぁみまる編集部

今まで犬を始め、フェレット・ハムスター・カメ・インコなどさまざまなペットを飼育してきました。現在は、ジャックラッセルテリアと雑種の2匹を可愛がっています。趣味は愛犬たちとの旅行です。 このメディアでは、多くの飼い主の方々の不安や疑問・困っていることを一緒に解決していきたいと考えています。