寒い時期は要注意!犬の椎間板ヘルニアについて

季節が変わり、朝晩だけでなく日中も肌寒くなってきて体調不良になることはありませんか?

ワンちゃんも同じで季節の変わり目には風邪をひいたり、おなかを壊したり、食欲がなくなることがあります。

そして、この『寒さ』で引き起こされるワンちゃんの不調の一つには『椎間板ヘルニア』も含まれます。

今回は寒さと椎間板ヘルニアについてお伝えします。

椎間板とは、背骨の間にあるゼリー状の組織で、骨と骨の間でクッションのような役割をしており、椎間板ヘルニアとは、脊椎の椎骨の間にある椎間板というクッションが飛び出して脊髄という神経を圧迫し、神経に異常が生じる病気です。痛みやふらつきでうまく歩けない、足が全く動かない、おしっこを漏らしてしまう。といった神経麻痺の症状が出ます。

軽度の症状の場合は、内科治療で対応が可能な場合もありますが、強い神経麻痺が出ている場合は、手術が必要となります。

なぜ冬場に多いのか?

寒さで背中の筋肉がこわばると起こりやすくなります。

痛みを感じ震えて動かなくなることがありますが、寒さのせいと勘違いをしてしまい発見が遅くなることもあるので注意が必要です。

かかりやすい犬種

ダックスフンド、コーギーのような腰に負担のかかる犬種が特に多く、他にビーグル、フレンチブルドッグ、シーズー、ペキニーズなどでも見られますが、どの犬種においても発生する可能性はあります。

症状

軽度

軽度の場合、老化と認識しそのまま様子を見る飼い主さんも多く、発見することは難しいです。

・歩くペースが遅い

・腰が曲がっているように見える

・首をすぼめている

・呼んでも振り返れない

・食欲がない

中度

軽度より進行しているため、ヘルニアについての知識がある飼い主さんは気づく方もいます。

・ベッドや段差に飛び乗れなくなる

・抱き上げようとすると痛がって鳴く

・腰や首周りを触ろうとすると噛もうとする

・寒くなくても後ろ足が震えている

重度

誰でも気づくほどの異常が見られます。

・後ろ足に力が入らず立てない

・前足にも力が入らず、頭から倒れる

・足先の感覚がない

・自力排尿、排便ができない。

病院では症状によって5段階のグレードに分かれています。腰を痛がる
・後ろ足のふらつきがある
・起立できない、支えてあげても歩けない
・排尿、排便が自分の意志でできない
(グレード3では尿意を感じると前足だけで這ってトイレに行き、自力で俳尿ができます)
・足先の痛みがわからない(深部痛覚消失といいます)

治療

 内科治療

軽度の症状に対して行う治療です。ステロイドなどの投薬をしつつ、基本絶対安静が必須です。

椎間板ヘルニア自体は元の位置には戻らないので一時的に改善がみられても再発の可能性があります。

 外科療法

全身麻酔をし、手術の場所を特定するため脊髄造影、CT、MRIなどの検査をおこないます。手術では原因となっている椎間板を摘出します。術後はリハビリを必要とします。

 リハビリ

通院によるリハビリ

マッサージ、屈伸運動、バランスボール、自転車こぎなど

他に病院によっては、水中ウォーキング、レーザー療法、鍼治療などがあります。

自宅で行うリハビリ

まずは、足腰に負担をかけないため体重管理が必要です。

病院での指導の下、歩行練習やマッサージなどを行います。

家庭での予防策

肥満防止

肥満は万病の元です。足腰に負担がからないよう、日ごろから体重管理に気を付けましょう。

足腰に負担をかけない

階段の昇り降り、ジャンプなど足腰に負担のかかる運動や、フローリングで滑らないようにするなど、生活環境の見直しが必要です。

正しく抱き上げる

わきの下を抱えて抱くのではなく、背骨が地面と水平になるように抱え、腰に負担がかからないようにしてあげてください。

最後に

椎間板ヘルニアは初期であれば9割ほどが改善の見込みがあります。日常生活でのちょっとした工夫でかかるリスクを減らすことか可能です。愛犬の腰に負担かかけないためにはどうしたら良いのかを考え、早期発見・早期治療が行えるよう、愛犬からのサインを見逃さないように心がけましょう。

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